NiziU/Baby I'm a star が、小説のなかで流れたら
歪んだギターのリフと呼応する、ストロングなかけ声。飲み会のコールのようでもありながら、他人へではなく、《もっと もっと 光るよ》《全部 全部 魅せるよ》と「自分」を鼓舞する。「ライク・ア・スター・イン・ザ・ナイト」と、聴きとりやすいカタカナ英語。ギターの音づかいは、ももいろクローバーZのうしろで弾かれていた布袋寅泰のフレーズを彷彿とさせる。
イントロからの独特なリズムパターンにのるAメロ。4つ打ちのBメロでは、疾走感をだしてメリハリをつける。オシャレな女性コーラスが雰囲気をつくっている。
主旋律をなぞるハモリも入り、Bメロかと思ったこのパートこそが、サビなのかもしれないと気づく。キメのタイトルコールは、「スター」の「R」がネイティブっぽい。
ふたたび布袋寅泰なギターリフのあと、ブレイクをもうけて2番のAメロへ。そしてまたBメロかと思わせるサビ——いや、やはりここがBメロで——となると、次の布袋寅泰パートがサビなのか——。
直後に高速のラップパート。不穏な度数でハモリながらうねる2つの声。入れかわりに、天上から降りてくるかのような、神々しい高音メロディー。細くなった声をカバーするためか、オクターブ下の歌声もきこえる。
かわってあらわれるのは、前曲できかれた、あの舌足らずなファニーボイス。かわいらしい声でありながら、今回の歌いかたは攻撃的でもある。
《大丈夫》と《why don't U》で韻を踏んだのはまたべつのメンバーか。発音よく、魅力にもあふれる《Come on!》の合図でクライマックスへ。
やはりこのパートがサビだった——飲み会コールに、ステージ上の歌手が負けるわけにはいかない。かけ声がくり返される。ライブでのオーディエンスのハリキリが目に浮かぶようだ。