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80年代リバイバル:下品なソーとキレキレのストレンジャー・シングス

先日アメリカでコミコンがあった。アメコミとか映画の祭典で、毎年多くの大作映画の予告編がお披露目される。

個人的にはコミコンに集う懐かしいだけで実際面白くもないアメコミ実写に歓喜するおっさん共にはいい加減にしろという気持ちでいっぱいなんだが、とはいえ映画好きとしては無視できないこのイベント。今年もたくさん新作の情報、予告が発表された。


さっそくネットに流れ出した予告を見漁っていたのだけど、昨年から話題になりっぱなしのストレンジャー・シングス(ドラマ)の新シーズンの予告がすごかった。

ドラマは長くて終わりが見えないので見ない主義なので、このシリーズも見ていない。けど評判は腐るほど聞いている。

80年代SF、ホラーなどのオマージュを随所に捧げているとか、映画好きなら絶対見た方がいいとか(そう言われると見たくなくなっちゃうんだけど)、カナダでも日本でも散々言われてきた。

とはいえやっぱりドラマは見るのが億劫だし、そもそもネットフリックスにはあまりいい感情を持っていないのでなんとなくスルーしていた。


そんななか、何気なく見てみた予告がこれ。


かっこよすぎる。

ドラマの中身がというより、ひとつの作品としてのこの予告編のセンスのよさと完成度。

スリラーを聴いて頭に浮かぶ、曲に付随したイメージや当時の記憶とドラマの内容のシンクロ具合。

少し前からサントラとして流行ってきたシンセサウンドとしても曲が機能していて、絶妙なバランスでマッシュアップされている。これは見たくなる。というかこの予告編のDVD欲しい。


そもそも映画に限らず音楽やデジタルアートの世界でも80年代リバイバルは同時に広がっていて、映画では特にネオンカラーやシンセを取り入れたホラーやSFがここ数年で増え始め、最近ではアカデミー賞を獲ったムーンライトなど、ジャンルを問わないトレンドとなってきている。


このストレンジャー・シングスのようにうまくその流れを踏襲するものもあれば、一方でこんな風に安易に利用するものもある。



なんだこれ。なめてるだろ観客を。

最初に断っておくと、俺はマーヴェルがすごく嫌いだ。秀逸なマーケティングでクソ映画を量産して人気を得るタチの悪い企業だと思っている。彼らの作る映画のほとんどは単純に面白くないし、商売の方法として映画を扱っている姿勢がすごくむかつく。映画を作ることへのこだわりも愛も感じられない。

なので、個人的にもともとネガティブな感情を持っていることを前提として読んでもらえるといいと思うとは一応言っておく。


いや、それにしてもひどい。予告を見て分かる通り、これまでのソーのビジュアルデザインがまったく引き継がれておらず、同じマーヴェルでヒットしたガーディアンズ・オブ・ギャラクシーまんまのテイストで便乗しようとしてるのがみえみえ。

シンセブリブリのサウンドも脈絡のない80年代なロゴも、全くこの映画に合わせる必要性が感じられない。


こういう変わり身の速さというか節操のなさが、俺がマーヴェルを嫌いな大きな理由だ。こだわりが感じられないんだよ個々のキャラクターや映画に。全てがアベンジャーズへの前振り。

ハルクが単品じゃ売れないからソーとまとめちゃえって、自分たちのキャラクターに誇りはないのかよ。

映画を作ることが商売であったとしても、商売の為に映画作るのは本当にやめてほしい。


あれ、80年代リバイバルについて書きたかったんだけど、ディスばかり長くなってしまったな。やはり文句は書きやすい。



とにかく、ブームが生まれると粗悪なコピーも出てくるのが世の常なので、消費者がしっかり見極めていかないといけないよなと思う。

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