2020年に観た映画ワースト10
今年もベスト/ワーストのブログを書く時期がやってきた。今年は言うまでもなくパンデミックによって世界が変わっていき、映画との付き合い方も大きく変わっていった。劇場は閉まってしまい、代わりにストリーミングをたくさん観るようになった。ステイホームで空いた時間は全て映画に費やしたので、人生でおそらく一番映画を観た年になった。毎日映画を観る癖がついてしまい、結構他のことに影響が出てきそう(すでに出てて気付かないふりをしている)で怖い。
とにかく、今年観た映画からまずはどうしてこんな映画ができてしまったんだと思わされた、個人的な怒りのツボにハマってしまったクソ映画たちを紹介したい。
*今年観た映画=2020上映の映画以外も含まれる
**個人の感想です
・ワースト10
クレイジー・リッチ!(鑑賞未完了)
あまりに内容がどうでもよくて最後まで見られなかったのでほんとは評価できないんだけど、やっぱり物申したいのでランクイン。
散々オールアジアのハリウッド映画とか持ち上げられといてこれかよ。チャイニーズ系金持ちーなステレオタイプを本人たちが助長してどうすんだよ。能天気すぎる。
同じく高評価されてる割にステレオタイプに甘んじてるブラックパンサーもそうだけど、その人種フィーチャーすればそれでオッケーみたいなのは浅すぎるしもうそろそろそういう段階は終わってほしいと切に思う。
・ワースト9
X-MEN:ダーク・フェニックス
数々の失敗作に関わってきたサイモン・キンバーグがついにシリーズ締めくくりの監督に!一体どんなクソ映画になってるのか?!という心持ちで観たので思ったより悪くなかったけど、あれだけいろんなことが起こってるのにスケールも小さく何も盛り上がらず、白湯飲んでるみたいな感じで時間が過ぎていった。
アンチマーベルななかXメンだけはファンだったので、シリーズの締めくくりがこれか、、って感じで虚しくなった。
・ワースト8
ザ・プレデター
愛せないポンコツ。キャラはウザい。話は浅い。思想は古い。時間は長い。
こんなアホに付き合わされる俳優さんたちも気の毒。
・ワースト7
ディス・イズ・ジ・エンド
ハリウッドのセレブたちが地球滅亡の危機に陥ってドタバタする話。
ほんとこの人たち一生こういう仲間うちでイチャイチャする映画撮ってるなー。その仲良し具合は観ててほっこりするけどいかんせんコメディとして寒すぎて時間の無駄感がすごい。
何作か観ててようやく気づいたけど、どうやらセス・ローゲン面白くないみたいだ自分にとって。
・ワースト6
デイズ・オブ・サンダー
トム・クルーズ主演のレーサーの映画。
悪気はないだろうけど、古臭い男の世界って感じで好きじゃない。セクシズムもひどいし。話自体も単純すぎて今見るとつまらない。
レースの知識ゼロなうえにこのBLM最高潮のタイミングで観たので、いきなり南軍旗がそこかしこではためく画にドキッとしてしまった。どういう由来で軍旗使ってるんだろう。
スポーツも興味ないけど、たまに見かける旭日旗もどこぞのゴミ右翼がやってんのかと思ったけど文化的なものなのかな。どっちにしろやめてしかるべきなんだけど。
まだ低音轟かすだけじゃなかった頃のマトモなハンスジマーの音楽が聴ける。
・ワースト5
デタッチメント
教師代行が学級崩壊起こしてるクラス受け持ったりメンヘラ女児抱えたりする話。
なんだこのオナニーは。描きたいものが全然定まってないというか、視点がブレブレで意味がわからない。
教師勢のインタビュー場面まで入れてんだから教師視点での教育現場の問題や彼らの葛藤や苦悩を描くのかと思いきや、主人公のドラマばかり悲劇的に写すし、主人公フォーカスにしてはインタビューとか教師たちの場面、存在が多くてとにかく何がしたいのかはっきりしない。
それでいて感情的なシーンばかりで、そこまでに至る過程がぞんざいにされてるせいでキャラや世界観に入り込めないままみんなが涙を流して完全に置いてかれる。
・ワースト4
天気の子
前提として新海誠は好きじゃないので結構バイアスかかってるかもしれないけど、それにしてもつまらなさすぎる。彼の他の作品に比べても見応えがない。
作品のなかの世界観が浮ついてて、どういう心づもりで見れば良いのか全然分からせてくれない。ロケーションや小物ばかりリアルにしといてファンタジーだかなんだかよく分からない中途半端なテンションでそのまま話が進んでくから全然ついてけない。
主人公がこれまでの新海作品のやつらを煮詰めたような童貞の化身みたいなやつで気持ち悪すぎる。相変わらずヒロインは都合の良いテンプレキャラだし。話もセカイ系を自覚してか、究極に自分勝手というか自分たちしか見えてない感じが見ててイライラしてくる。逆にいうとこういう世界はどうでも良いから自分だけ幸せになりたいみたいなのって現代の疲れ切った日本人に響くのかな、とちょっと悲しくなった。
もう二度と新海作品は見ない、と思った作品だった。
・ワースト3
ジョゼと虎と魚たち(アニメ)
名作と名高い短編小説と、それを原作とした実写版のアニメ版リメイク。
原作読んでないから実写との比較しかできないけど、いやらしさや人間臭さがなくなってフツーの恋愛ものになってて退屈だったし、あまりに軽薄で観てて疲れた。
原作も実写も知らない10代とかの客にはこれでいいのかもしんないけど、ジョゼと虎と魚たちという作品のファンには満足されないと思うし、こういうフツーのキレーな恋愛映画が作りたいなら、そもそもこの作品選ばなくていいんじゃない?と思ってしまった。そして障害をいまだにこういう風に軽薄に”スパイス”として描くんだ、と衝撃を受けた。原作や実写はそこをリアルに描いたからこそ名作と呼ばれてたのに。
しかし改めて観ると迷惑なメンヘラ女だなこいつ。
・ワースト2
スキン
さまざまな奇形の人々の生活を描いたブラックコメディ風の薄っぺらな映画。
一見ルッキズム批判のように見えるけど、監督がインタビューで奇形についてのリサーチをしてないと言ってたりしてて、その主張が表面的なもので、ある意味シュールさを描くことのネタとして消化してしまってるのにちょっとムカついた。
アナル人間とかフィクションになっちゃえばそれも成立しなくもないけど、例えば小人病の人を実際に出してる時点で、そういう身体的ハンデを描く、それがハンデと呼ばれることへの批判という、本来の主張に対する責任が出てくる訳で、そこを蔑ろにして何も言っちゃダメだろ。
自分にはただ表面的なビジュアルとシュールさばかりを見せて、それの後付けでそういった主張をかぶせただけの軽薄な作品に見えてしまった。
・ワースト1
7500
ハイジャックされた飛行機内でパイロットが奮闘する話。
今の時代にこういう映画を作ってはダメでしょ。ISILとかの一部の過激派のせいで全世界でイスラム教に対しての偏見や差別、暴力事件なんかが沸き起こってて、ハリウッドでもそういったイスラムフォビアを助長するステレオタイプを描くことが問題視され始めてるこのタイミングで、ここまで安直な「イスラム系によるテロ」を描いちゃうのは映画製作者として無責任だしレイシストでしかない。
ほぼコックピット内で展開するシンプルな話の描き方もうまかったし、映画としてつまらなくはないけど、逆にそういうコンセプト(コックピット内で展開する映画)を描くネタとしてそういうステレオタイプを使ってしまう姿勢が無神経すぎてとてもムカついた。
あとAmazonオリジナルタイトルだから日本語字幕がついてたんだけど、翻訳が下手すぎてイラついた。語彙力もないし言い回しが下手で緊張感が台無し。
以上。結構ランク上位の映画たちは個人的に許せない表現だったり、あまりに不真面目もしくは無知な内容だったりで怒りに火がついたものたち。この時代に無知はもう罪です。
まぁ好き嫌いは人それぞれなので、もし自分の好きな作品がここにあっても気にしないでいいです。でもそういう意見もあるのかと受け止めてくれたら嬉しいです。
ではベスト10の方でまた。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?