メキシコ旅行記 2022春 -カンクン周辺編-
2022年4月にメキシコに約20日ほど滞在したのでその記録としてここに書き留めておく。かなり長いので前後半に分けて。
背景から渡航まで
きっかけはメキシコ人の親しい友達から、彼の結婚式に呼ばれたことだった。
彼はカナダに最初に来た時に学校で一緒だった友達で、それ以来自分がカナダから遊びに行ったり、日本に一時帰国した時も彼がメキシコから遊びに来たりしていた仲。
結婚自体は去年とかにしていたのだけど、コロナ禍がまだまだ続くなかセレモニーの開催時期を見計らっていたのがようやく目処がついたとのことだった。
メキシコに行くのは2回目で、前回は2016年。その時ははもちろんCOVIDもなかったので気軽にカナダから行けたのだけど、今回は少し落ち着いているとはいえパンデミックが続く状況の中、個人的にも日本からカナダに戻ってきてから初めて、約3年ぶりの渡航だったので色々準備が大変だった。
航空券はやっぱり高くなってて、前回は往復で400ドル台だったのに対して同じようなグレードの片道が700近くした。辛い。
なぜ片道かというと、帰りは友達の街からトロントへ帰るのだが、行きはカンクンという超リゾート地へ行くからだった。
それには理由があって、実は自分には2人親しいメキシコ人の友達がいるのだけど、ふたりは自分が出会った当時カップルで、いつもふたりセットで遊んでいたのが最後に会ってから数年間の間に別れてしまい今はお互い絶縁状態、顔も合わせられないような状況になってしまっており、今回はその片割れの(もちろん別の人との)結婚式に行くのが目的ではあるけど、自分としてはもちろんせっかく行くならもう一人の方にも会いたいってことで色々考えた結果、じゃあ前半は彼女と旅行、後半は彼と彼の地元にって話に落ち着いたのだった。
自分としてはふたりとも大好きなので同じだけ一緒にいたいのだけど、計画時から滞在中まで自分のスケジュールの取り合いみたいになってしまって、なんだか自分を媒体に喧嘩されているようで複雑な気分ではあった。
ちなみにカナダ→メキシコ渡航時の制約はなしだった。CPRやワクチン接種証明もいらない。楽ではあるけど怖い。
そしてタイミング良く、自分の渡航時期である4月からカナダもワクチン接種者の入国時(帰国時)の検車証明の提出を排除した。よかったけど怖い。
なので結果的には行き帰り共に検査をせずにすんだのでだいぶスケジューリングが楽になった。結局簡易テストは自分でしたけど。
2月にチケットを取り休暇の申し入れも会社にして、あっという間に渡航日がやってきた。4月の2週目に発ったのだけど、トロントはまだまだひとケタ台の気温が続いてたので、渡航前は毎日メキシコの天気予報を見て早く行きたい気持ちを募らせていた。
早朝の便だったので前日の夜に空港へ前のり。特に休暇の時期ではなかったのでかなりガランとしていた。
そのへんの席に座ってなんとか寝ようとしたけどなかなか寝付けずダラダラと夜が更けていった。
4/8 (初日)
寝れないままに明け方になった。疲れた体を引きずってチェックインへ。eTA(カナダへの渡航許可証みたいなもの)はあるかと聞かれた。いやパスポートに電子的についてるものだからドキュメントはないだろと思いながらガバメントのサイトから見てみようとするも、いつまでも自分のページに行きつかなくてかなり焦った。でモタモタしてたら結局窓口の人がもういいわと証明なしでチェックインしてくれた。じゃあ最初からそうしてくれよ。
でなんとか搭乗。この時点でかなり疲れていたすでに。
飛行時間はカンクンまで4時間ちょい。となりの席の白人女性が前の席の人(こっちも白人女性)と仲良くなってふたりシャンパン開けまくっててリゾート行くんだなーこれから、と実感した。
寝不足だったので寝てみようとしたけどなかなかうまくいかないまま時間が経ち到着。
それから入国審査だったのだけど、提示すべき宿泊先の住所がこっちの友達に任せっきりだったので把握しておらず、WiFiにも繋がらなくて絶体絶命だった。何度も場所を変えて試した後になんとかWiFiに繋がって連絡がつき無事入国。
そうして出口に出たら空気が完全に南国のそれで、まるで温室のようだった。
数年ぶりに友達とその彼氏に再開。彼らとは直近3年前に彼らのトロント旅行時に会って以来。すごい関係だよなーお互いの国を行ったり来たり。ありがたい。
今回一緒に旅する彼らの友達とも空港で合流してみんなでレンタカーで移動。道ゆく車の運転がみんなとても荒かった。カナダもたいがいと思ってたけどその比じゃなかった。
車で2時間ほどで港へ。船で30分ほどの島、Holuboxというリゾート地へ。客はほとんど白人だったけどスペイン語を話してた。聞いたらアルゼンチン人が多いんだとか。まぁ彼らにとっては自国語の通じる物価の安いリゾートなんだから絶好の観光地なんだろう。
Holboxはあちこちの道が泥で水没していて、ジープで移動しないといけないみたいだった。島全体がナチュラルにジャングルクルーズ状態。
自分達もジープのタクシーに乗って泊まるB&Bへ。かなり広いリゾートハウスだった。
そこで一息ついてから近くのビーチを歩いた。風がめちゃくちゃ強くて吹き飛ばされそうだった。
そして繁華街へ出た。そこらじゅうで白人がイキっててちょっと嫌だった。
ピザの有名な店へ行った。なぜかカンクン周辺ではピザを食べる機会が多かったけど何か理由があるのかな。なかなか美味かったけど疲れがピークで体がだるかった。
そこにしばらく居てからまたビーチを歩いて帰った。途中で彼らがビールを大量に買ったのでいちダースかかえた。
自分も友達がどこからかもらってきたやつをノんでヘロヘロになってたので、強風の吹き荒れる真っ暗なビーチで重いビールケースを運んでたらなんかもうこの世の終わりみたいな気分になった。指輪物語の一行になったような。
長い年月をかけて家まで帰った。まだ22時前だったけどみんなヘトヘトだったので寝ることにした。
俺はようやくシャワーを浴びて泥のように寝た。濃い初日だった。時差ボケないだけ助かった。
4/9
昨日寝たのが早かったけどいつもの起床時間(7時)に起きた。顔を洗ってゆっくり準備して、リビングに出たらもうみんな起きてた。まだ8時ごろだったのにみんな早いな。
繁華街まで歩いて行った。まだまだ道が水没してた。エンパナダというパイみたいなものを店で食べた。シンプルで安かった。
それからビーチをひたすら歩いた。サンドバンクという浅瀬をひたすら歩いた。最初は裸足が気持ち悪かったけど、慣れたら肌で水を感じるのが気持ちよかった。嘘みたいに透き通った水が綺麗だった。
何キロもずっと歩き続けてから繁華街まで帰って山盛りのセビーチェを食べた。うまかった。トルティーヤで腹がパンパンになった。
他の国と味が違って依存性があるというメキシコのコカコーラも頼んだ。ガツンと甘くて確かに依存性あるなと思った。
メキシコではコーラが水より安く(水道水は飲めない)、貧乏になればなるほどコーラの摂取量が増えて貧困層の子供の肥満率が高く問題になってたりするらしい。たしかにコンビニにはかならずコーラコーナーがあったし、街に出ればコーラのボトルを抱える人をみない日はなかった。
それから一度宿まで帰り、夕方になってみんなで別のビーチへ行くことになった。
歩きでビーチまで。同じ島のビーチなのにこちらは波もなくて、砂も荒くて全然違っていて面白かった。歩いたり座ったりして日が暮れるまでいた。
それから歩いてまた繁華街へ向かった。夜はかなり騒がしいというか観光地っぽくてあまり好きじゃない雰囲気だった。屋台でタコスを食べて帰った。
またしても夜のビーチを歩いたけど今日はシラフだったので耐えられた。月明かりの明るさを実感した。
4/10
朝起きて準備して繁華街へ。メキシコの朝食でよく食べられるチラキレスを食べた。前回来た時以来に。美味かった。
それから港へ。これから違うビーチへ移動するのだった。
そこでしばらく待ってから小型のボートで湾を渡った。スピード出してたのでかなり揺れて尻が痛かった。
それから車で次の土地へ向かったけど、猛暑のなか小さいセダンに5人で長時間の移動は狭いし暑いしで身体がしんどかった。
数時間かけてマヤ文明の遺跡に着いた。付き添ってもらったガイドがスペイン語だったので訳わからんかったけど遺跡は見応えあった。ところどころ結構安っぽく修復されてしまってたけど。
それから今日の宿泊地へ向かったけどいつまでも着かなくてしんどかった。東京-大阪間くらい移動したんじゃないか?
遺跡を出発したのは6時ごろだったけど、休憩挟んで22時過ぎにようやく宿へ。もうみんなヘトヘトだった。
風呂に入って寝た。友達カップルと同室だったので気まずかった。大人しく寝てくれて助かった。
4/11
起きて準備してみんなと宿を出た。
少し歩いてからビーチクラブで朝飯を食べてチェックアウト。みんなはこれからシュノーケリングするとのことだったので自分はひとりビーチで休むことにした。ハンモックに揺られながら音楽を聴いていい気持ちだった。
みんなが帰ってきて昼食を食べてから、しばらく車で移動しラグーン(潟湖)に到着。驚くほど澄んだ水に入った。入った時は気持ち悪いし寒かったけど、一度慣れたら結構気持ちよかった。水に浸かってたらいつのまにか夕方だった。
水から出たけどタオルも持ってないし潔癖症的には完全アウトな状態だった。でも我慢して車に乗った。
それから少し車で移動して今夜の街Bacalarへ。先ほど行ったラグーンの終点が大きな湖になっており、そこ沿いに栄える街だった。今夜は完全にひと部屋独り占めでテンション上がった。
シャワー浴びてから街へ出て夕飯。ナチョスやタコスを食べた。
それから歩いて帰り、風呂入って裸でのびのび寝た。
4/12
朝起きてホステルのテラスで朝食にチラキレスを食べた。
それから少し歩いて湖のボートツアーへ。
このラグーンは水が7色らしい。深さによって色が変わるから。確かにはっきりと水の色が分かれていて面白かった。し少し怖かった。深ければ深いほど色も強くなるので、自分が今どれくらい深い場所の上に浮かんでいるか自覚できるのだった。
浅瀬で足を水に浸けたり島を見て回ったりした。綺麗だった。
2時間ほどで遊覧が終わって岸に上がった。
夕飯はファンシーめなレストランでタコのタコスを食べた。かなりうまかった。観光地価格で高かったけどその価値あるうまさだった。
そこにしばらくいた。しかし友達みんなガツガツ金使ってすごいな。通貨的に余裕のあるカナダから来た自分からみても割と贅沢なことしてるのに。結構裕福な人たちなんだろうな。
そんなことを考えてた。
それから繁華街に出て、友達が日中のボートの船員に教えてもらったというバーに行ったらライブハウス的なところでアングラっぽい雰囲気で、メキシコのリゾートにもこういうとこあるんだなと面白かった。やってるレゲエのライブは別に良くなかったけど。
そこでピザとピニャ(パイナップルジュース)を頼んだ。
食べて飲んでから割とすぐに店を出て、帰り道にあった別のバーに行ってみた。こちらはちゃんとしたライブがやってていい雰囲気だった。
そこでビールを少しみんなと飲んでから帰った。途中でマルケシータというクレープ的なお菓子を屋台で食べた。死ぬほど甘かった。
帰って風呂入って裸で寝た。ひとり最高。
4/13
起きて朝食を食べてからカヤックしに昨日のボートの場所へ行った。付き合いで行ったけどかなり強風だったしひっくり返らないか怖かったしケツが濡れてテンション下がってたので10分とかそこらですぐに岸に上がり、友達たちを待ちながらケツを風と日光で乾かしてた。
それから繁華街のミュージアムへ。中世にスペインによって建てられた要塞を見学した。
友達にスペインの侵略についてどう思うか聞いてみたら、いずれにせよ侵略時にマヤ文明は廃れてたからみたいなことを言っていて興味深かった。友達は結構エリートだしコンサバなのかも。
そしてカンクンの空港へ向かった。同行していた友達の友達たちのフライトがあったので。
2時間ほど走ってウトウトしてた頃に急に車が止まったので何事かと思ったらなんとガス欠。見渡す限り木と道しかない高速の真ん中で。
とりあえず友達の彼氏が通りかかったバスに乗ってガソスタまで急いで出て行ったけど、ビールは持ってったのに携帯を持ってなくて連絡もつかないので様子がわからないまま待つことになった。
待ってる間暑かったけど風があったので助かった。
みんな結構仕方ないねーはははみたいな雰囲気で、これすごいなーと思った。自分だったらかなり焦って雰囲気悪くなりそう。ステレオタイプに考えたくないけど、メキシコの底にある明るさみたいなものを見た気がした。
日本人とは違う、ポジティブな"仕方ない"の概念。
それから数時間、何度も通り過ぎるバスに肩を落として、ついには友達の友達たちが時間ないからもうバスに乗って自分らで空港まで行くという話になり荷物をトランクから出した後にようやく彼が戻ってきた。
なんとかガスを流し込んで出発。
空港まで渋滞に巻き込まれながらもぶっ飛ばした。
すでに出発時間過ぎてたけど空港で友達の友達たちを降ろしてさよならした。
いやもう時間過ぎてるし間に合わないだろとは思ったけど一応近くのコンビニで連絡を待った。
そしたらなんと急いだら乗れたらしい。そんなことある?すごいな。
まぁ比較的小さな空港なのと国内線だったのが大きいのかもしれない。とにかくひと安心して改めて今日の宿に向かった。
今夜はカンクンの港から少し離れた小島に泊まるので、港に車を置いてフェリーに乗った。クソ早くて外の席に座ってたら水飛沫がやばかった。
島に着いてから少し歩いて今日の宿へ。働いてる全員おそらくアルゼンチン系の白人美人のお姉ちゃんのホステルで、かなりヒッピーな感じでみんな目が座ってた。
荷物を置いてからビーチまで歩いてみた。人がいなくて静かで最高だった。しばらくそこに座ってた。
友達に俺が前メキシコ来た時はみんなで毎日夜遊んでたのに老けたよね、と話したら、あなたのためにそういうのやらないルート組んだんだよ、と言われた。ありがとうだけど申し訳ない気持ちになった。
それから歩いて帰り、風呂入って寝た。身体がベトベトだったのでシャワーが気持ちよかった。
4/14
朝起きてみんなでホステルの朝食を食べた。全然美味くなかった。雰囲気はいいけど食はほんとダメだここ。
チェックアウトして荷物だけ置いて街へ出た。カートを借りて島の端まで運転したけど気持ちよかった。風があれば暑さもなんとかなる。
島の端は岩肌の海岸でスケールが大きくて感動した。映像でしか見たことないような景色だった。野良イグアナがたくさんいた。
それからカートで島の反対側へ向かった。カンクンでも有名なビーチらしくて、昨日行った時は夜だし全く人いなかったのに今日はパンパンだった。暑いし混んでるしで全然よくなかったけど海の家的なところでビールとナチョスを頼んだ。
そこにしばらくいてからホステルに帰って荷物を引き取りフェリーに乗った。
カンクン側に着いて車でカンクンで一番有名というビーチへ。ビルのようなスケールのオープンな建物に入ってるクラブたちからEDMが爆音で垂れ流される、まさにイメージ通りのカンクンって感じの悪夢みたいな場所だった。友達はめちゃくちゃテンション上がってて、相当俺のためにこういうとこ行くの我慢してくれたんだろうなと思った。
少しだけそこで写真撮ってからそそくさとビーチを離れた。
空港へ行きレンタカーを返却しターミナルへ。結構フライト時間近かったのでドキドキしたけどかなりすんなりゲートまで入れた。
少しウトウトしながら2時間ちょいで別の友達の街、グワナファトへ到着。空気が全然違くて、到着したのが23時とかだったけど湿度が低くて少し肌寒いくらいだった。
荷物を待ってからそこで友達たちと別れた。彼女たちも同じ街に住んではいるんだけど、別の友達と合わないように少しそこに少し残るみたいだった。
そして出口へ。別の友達がいた。5年ぶりくらい?あまり変わってなかった。
彼の車で街へ。不思議な気分だった。彼と会うのは久々だったけど割とすんなり会話できてて、こういうとこが相性良くて仲良くなったんだなと思い出した。
本当は彼の新居に泊まるはずだったのだけど、工事が遅れてて結局まだ完成してないとのことで彼の奥さんの実家に泊まることになった。新居の完成まで彼もここに住んでるらしい。
そこで彼の奥さんと彼女の母に会った。裕福そうな家庭だった。
そこで夜食に途中で買った日清のカップヌードルを食べたけど全然美味くなかった。日本と同じ商品でも味が違う海外あるある。
それからシャワーをようやく浴びて寝た。
グワナファト編へ続く。
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