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SWリプレイをクラシックD&Dでやってみた:スチャラカ冒険隊とバブリーズ
本コラムは1997年にサークル内同人誌「求ム冒険者!vol.10」に掲載された内容をリライトしたものです。
ソードワールドリプレイのキャラクター・システムをD&Dに変換してリプレイを再構築してみようというネタです。
D&Dリプレイ:スチャラカ冒険隊
ザボ :ファイター HP5 AC2
ユズ :ファイター HP3 AC3
ディーボ: ドワーフ HP2 AC3
ケイン: エルフ HP1 AC3
ケッチャ: メイジ HP3 AC8
アリシアン: シーフ HP2 AC6
舞台は古代寺院の遺跡。目的はここに住み着いている輩の排除である。寺院の前20mくらいまで近づいてみたところ、ゴブリンがいることがわかった。1階に4体、2階に2体で、2階のやつらはショートボウで武装している。どうしてくれよう?
TAKE-1
ケッチャ「隊列なんて決めんと、みんなでどどーっと行きましょうよ」
どうやら万歳突撃らしい。ではこちらも遠慮なく。
第1ラウンド
ゴブリンのショートボウ攻撃。ランダムで目標を決めると、ディーボとケッチャになった。
ディーボの方はd20で5を振ってはずれ。
ケッチャの方は20を振ってしまい問答無用で命中してしまった。ダメージはちょうど3点。いきなりメイジが伝家の宝刀を抜くまもなく死んでしまった。
ザボ「お嬢様ぁぁぁ!!」
第2ラウンド
DM「イニシアチブをふるぞ。ゴブリンは3だ。」
ザボ「お嬢様の仇だぁっ!おりゃぁっと 1」
ユズ「こらー!」
ディーボ「気合い入れて振らんかい!お嬢様が向こう岸から手招きしとるぞ」
笑いどころじゃないのがD&Dのいいところ。
ゴブリンAがザボを殴る。18の目を振って命中させ、5点のダメージ。主力ファイターがソードをふるまもなくほふられた。
ザボ「お嬢様と一緒♪」
ゴブリンBはユズに、17を振って当てて4点のダメージ。哀れ怪力を披露するまもなく次の世界へ旅だった。
ユズ「こんなのって・・・」
ケッチャ「こんなもんよ」
ゴブリンCはディーボを殴るが、10ではずれ。
ゴブリンDはアリシアンを狙う。17を振って4点のダメージ。
アリシアン「せめて鍵の一つでもあけたかったな」
行動をおこす前に6人中4人が殺られた。普通は士気が崩壊して逃げ去るものだ。
ケイン「逃げようよ。このままじゃ勝ち目がないよぉ」
ディーボ「うむ、そうじゃのう。この際仕方あるまい」
DM「全力疾走なら逃げきれるけど。」
ケイン、ディーボ「全力で走る」
DM「それなら2階の2匹がショートボウを撃たせてもらおう。全力疾走中ならデクスタリティとシールドの修正は無視。背中みせてるから命中にプラス2か。ふんふん」
ケイン、ディーボ「きたねぇぞ!」
汚いのはこの世の中なんだよ。あきらめな。ここでも高い目(16と17)が出て共に3点のダメージ。何にもできずにあえなく全滅やれやれ。
ここで毎度おなじみ全滅座談会。伝統ですからね。
アリシアン「ちょっと、あそこでゴブリンを出すなんてのは、ひどすぎるんじゃないの?」
DM「そんなわけあるかぁ!いったい何をだせっちゅうんじゃい!」
ディーボ「わしらに害を及ぼさん奴」
DM「そういうのは敵とは言わん」
ケッチャ「やっぱり万歳突撃がいけなかったのよ。あれで私、死んだんだからね」
ザボ「言い出したの、お嬢様」
ケッチャ「そうだったっけ?でも鎧着た人が守ってくれたっていいじゃない」
ケイン「そりゃ無理だって」
ケッチャ「どうして?」
ケイン「だって矢が当たったら死んじゃうもん」
ユズ「真実だね」
色々話しあった結果、30分後にもう一度プレイすることにした。
ザボ「今度はモンスターの強さを、ちゃんと計算してくれよ。出してみてあっとびっくり、じゃこまるからね」
DM「計算して出したわい!今回の俺の出目は計算外だったが」
ユズ「次はお手柔らかにね」
DM「へいへい」
TAKE-2
ケッチャ「距離足りてるからスリープかけよか」
ケイン「そうしようかな」
第1ラウンド
ケイン「森の中からスリープ。射線は通らないよね。2階の2匹にかけます」
ケッチャ「同じく1階の連中に。14匹まで」
DM「そりゃあ全員寝ますがな」
アリシアン「そっと近づいてザクッ」
ユズ「サクッ」
DM「はい、全滅」
一同「やったぁ!」
ディーボ「ほな、帰ろか」
DM「仕事はこれからじゃぁ!」
ちゃんとやればこんなもんだ。天と地とも差のつく結果だよな。
室内探索
DM「扉を開けると・・・少し広い部屋でね。隅にチェスト(宝箱)がある」
ケイン「おお、やった!」
アリシアン「いちおう床に罠がないか調べます」
DM「(ほいっと、25か)ないような気がする」
ディーボ「レベルが低いから信用できませんね」
アリシアン「じゃあ、予備のたいまつで床を叩きながら、箱に向かって歩きます」
DM「別に何も起こらない」
アリシアン「今度は箱に罠がないか調べます」
DM「(ほいしょ・・・77か成功しねぇな。発見率10%て無茶やなぁ。ごめんよ)別に罠らしきものはみつからないね」
アリシアン「どうしよう?」
ディーボ「おまえさんの場合、10個罠があっても『罠があるっ!』と断言できるのは1個だけじゃ。まず、箱ごと部屋から持ちだして何もないようじゃったら、街まで持って帰って専門家にまかせるべきじゃろう」
アリシアン「私、専門家」
ケッチャ「10%じゃねぇ?」
アリシアンを除く一同「ねぇ?」
DM「賢明な判断だ」
確かに彼等の決断は正しい。しかし、ここで銀のバスタードソードが手に入らんと次のワイトには絶対に勝てんのよ。まぁ、銀の武器持ってたからって1レベルで倒せるやつらじゃないけどね。
実際には部屋の扉にあった罠を見抜けず、毒ガス吸ってアリシアンが麻痺してしまった。グールが棺桶から出てくるのを見るや否や全員アリシアンの体かついで逃げ出したってとこだ。
冒険者の必需品「逃げ足」みんなもってるかな?
D&Dリプレイ:バブリーズ
アーチー: ファイター HP3 AC2
レジィナ: ファイター HP2 AC2
グイズノー: クレリック HP4 AC2
スイフリー: エルフ HP6 AC2
フィリス: メイジ HP3 AC8
パラサ: ハーフリング HP5 AC1
事件の犯人を追い詰めたPCたち。なんとか戦わずにすみそうだと思ったら、依頼人が激怒したためやむを得ず殴りにいくことになった。相手は一人といえど腕のたつメイジ。どうたちむかうのか?
フィリス「私、スリープしか持ってないわよ」
スイフリー「私もだ。1レベルなら妥当なところだな」
第1ラウンド
DM「イニシアチブこちらは2だ」
スイフリー「よし、いけるぞ。絶対とるんだ!」
アーチー「うむ、1だ」
スイフリー「おいっ!」
グイズノー「呪文の先制をあびますか。やばいですねぇ」
DM「では全員にマジックミサイルだ。1本ずつね」
フィリス「このひと16レベル以上?勝てるわけないじゃない」
レジィナ「えぇ?そうなの?」
スイフリー「いや、そんなはずはない。16レベルメイジが1本ずつのマジックミサイルなんか撃つものか。私がそのメイジだとしたら圧倒的な力の差を見せつけるような魔法を使うぞ。まぁ安全策でテレポートすることが多いけどな」
グイズノー「おそらく幻影でしょう。大丈夫ですよ。STに通れば」
DM「と、いうわけでSTよろしく」
しかし、STに通ったのはパラサのみ。他の連中は一律6点ダメージをくらって気絶。
パラサ「はとこたちのかたきだ!AC12まであたるにゅう」
DM「素直にはずれたと言え」
第2ラウンド
DM「こっちは3」
パラサ「こっちも3だにゅう」
DM「では正真正銘マジックミサイル。君に1本だけ3点」
パラサ「生きてるもんね。反撃だにゅう!AC3まであたり」
DM「ダメージをくれ」
パラサ「6点」
DM「うん、死んだ。」
こんなもんだ。3レベルでも所詮はメイジ。接近戦で勝てるはずもなし。護衛の戦士がいないメイジは基本的にいないからね。でもこの戦闘ではコボルド並みの護衛をつけただけでもバランスは砕け散ってしまう。目の前に壁があるだけで接近戦には持ち込みづらいし、スリープ一発では撃沈しないしね。PCまきこむとPCから寝ちゃうし。
しかし、本当はこの事件はD&Dでやると薮の中になってしまうのだ。なぜかって?一番最初にマルキ君のマジックミサイルがクナントン氏を撃ち殺してしまうからさ。やはり、メイジが戦闘に加わると終わるのが早い。