ガチ・ウィッチクエストプレイレポート
「本当のあなたを取り戻して!」と説得ロールプレイするのは良いのだが、それを生死が掛かる戦闘ラウンド中でやるとなると、説得の前に「戦闘行動を1個潰してでも説得するか?」という意思決定を迫られる。
当然、戦闘で手を抜くと殺されるというバランス。
そんな命のやり取りの中で問題解決を迫られるウィッチクエストのセッションがあった・・・
「ウィッチクエストなんだから、ハートフルでほのぼのロールプレイを楽しめば良いんだよね」などと思ってしまうかもしれないが、それは落とし穴だ(断言)
セッションに向けた準備
<キャラ構成>
魔女と猫とでは経験点の得る際に利害が反してしまう。これがシステムの特徴であるが、敢えてルールに厳密に従って考えれば「ミッションをクリアーする上で有利であるならば、キャラクターの個々の成長で対立するべきではない」という結論に達する。パーティ全体の利益のために動けってことだ。どうせユニットは解除しにくいものなので、割り切って「魔女+猫」を1人のキャラとして見るべきだろう。ひたすら敵を倒しまくるシナリオを組むのが好きなGM相手には、猫の戦闘力をひたすら強化しまくるのも当然の選択だ。
<パーティ編成>
スキルは作成時のダイス目が命なのだが、システム的にばらつきが大きすぎることには泣けてくる。
「ふつうのちから」
<力仕事><聞き耳>あたりはダンジョン探索に必須!
交渉系では<すてきな笑顔>でカバーできるのではなかろうか。
情報交換の上では<絵を描く>があれば便利だろう。
「魔女のちから」
これはなるべく高い値(4以上)が望ましいのだが、自然からの情報収集系の技能は3人でなるべく分担したい。
<占い>は成功率がどの程度かわからないのでちょっと頼りない。
ヒーラー担当の魔女には<薬の調合><ケガや病気をなおす>を取ってもらいたい。
「ほうきで空を飛ぶちから」
実セッション経験が無いのでよくわからんが・・・<空中での方向感覚>は、方位磁石でも買っておけば良いはずだ。
機会攻撃を受けない、などのメリットが無いならば<曲芸飛行>もいらんだろう。ダメージの出せない魔女に空中戦もいらないか。
「魔法力カレンダー」
個々の魔女のカレンダーをすり合わせておくのは必須であろう。魔法力も成長させたいところではあるんだが、中々効率が悪いな
「猫」
戦闘をやるならダメージが大きいオス猫がベターだろう。ポイントを攻撃力に全振りした上で、毎回しっぽを掛けて戦えば良いのかな。「あなたの爪は虎の爪」(確率上は78%)「猫よ、あなたは風になる」(確率上は72%)あたりでフォローしてもらうと尚良し。「しっぽの弓」も良いんだけど、1射で7点はちとキツイ。
「魔女の魔法」
GM裁量が強く、アイディア勝負な側面がある。魔女PLがうまくアイディアを実践に移す力が問われるだろう。「ファイアーボールが扱いに困る」と書いてあるが、夜盗の群れに対しては成功率があるはず。
「天地創造」「ビッグバン」で世界や宇宙を壊して回るのも、それはそれで珍しい体験だ。魔女の学園でクラス全員がこの呪文をキャストしたら、どっかで世界や宇宙が壊れてるんだろうな。
「猫魔法」
基本的にはガンガン使いまくって、MPが切れたら「食べてすぐ寝ると牛になる」で回復させるのが基本戦術か。デメリットでまずいのは4の「ほうきにのれない」くらいだ。しかし、この作者は牛に恨みでもあるんだろうか。よだれが出ても、しっぽで蠅をたたいても、柄が牛模様になってもMPが回復するなら問題ない。
「こたつ」で相手を眠らせてからトドメをさすとか、「猫が寝込んだ」を使ってから相手を取り押さえるとか「猫舌」を使ってから相手に熱した油をかけるとかそういった使い方で敵と戦う必要があるだろう。
「戦闘」
魔女も釘バットや燃えさかる松明、せめてハンマーやバールあたりを持てば攻撃力に+1~2のボーナスくらいあっても良さそうであるが。
ここまでで「困った人を助けるため、敵を倒しにダンジョンにいく場合」の想定は出来た。シナリオが普通のウィッチクエスト仕様だら無力だが、きっとあのGMなら敵を倒すウィッチクエストになるはずだ。
キャラクター
私のキャラクターは魔女のサポート猫で、コンセプトは「ハードボイルド」「ガチでなければ生きられない。優しくなければ生きていく意味が無い。」を地で行った。
名前はマーロウ。フィリップ・マーロウにルパン3世の次元大介をプラスしたイメージのハードボイルドキャラ。
<イントロのシーン>
シーンはマーロウ馴染みのバーから始まる。いつものカウンターに飛び乗り、マスターを呼ぶ。
猫「マスター、バーボンだ」
当然、魔女以外には「にゃぁー」としか聞えない。またいつもの猫が来たのか、とマスターはミルクを出す。
猫「ふっ、さすがだな。良いバーボンだ」
そして猫は手を差し出す。本人はイメージ的に煙草を要求しているわけだが、そこにすかさずニボシを挿してくれるマスター
猫「マルボロの煙か・・・悪くない」
煙草と称してニボシを口にくわえ、バーボンと称してミルクを飲むハードボイルド猫なわけである。
「それはマルボロじゃなくて丸干しだよ!」と魔女がすかさず突っ込んでくる。さすがだ。抜け目が無い。
魔女がバーに猫を探しに来た場合は「どうしたお嬢ちゃん?ここは子供の来るところじゃないぜ?家に帰ってミルクでも飲んでな」と、冷たくあしらう準備もしておいた。
<猫が人を説得シーン>
言葉が通じないのは問題なので、自分の魔女に変身して説得を行った。気弱になっている相手にマルボロ(煮干し)を1本差し出しつつ
猫「まぁ、1本やんな」
まずは相手に煮干しを相手に食わせる。モグモグと食っている相手。
猫「どうだ?苦いか?」
相手「ええ、苦いわ」
猫「そうだな。確かに苦い。だがな・・・」
相手「???」
猫「最初は苦い。だが、噛めば噛むほど味が出る。・・・人生と同じだな」
相手「???」
煮干しで人生を語るハードボイルドな猫なわけである。
<セッション>
魔女がラスボスを説得して正気に戻すシーンではあったが、ラウンド単位でガリガリとヒットポイントが削られまくり、自分の命の残りを見ながら交渉・話し合いを続けるというタフなもの。
ロールプレイだけで終わらず、マイラウンド死にそうになりながら解決策を求めて殴るか?説得するか?を真剣に考えながら進めるのは大変スリリングだった。