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a Paladin in Hellキャンペーン(D&D3.5版)プレイレポート

AD&D2版時代に発表されたMonte Cookの地獄探索シナリオ「a Paladin in Hell」

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本稿はこれを3.5版に焼きなおしてプレイした物好きキャンペーンのレポートである。なおネタバレ盛りだくさんの内容となっているので、今後プレイすることを考えているプレイヤーはご注意あれ。

DMの思惑・キャンペーンの主旨


AD&D2版時代に発表されたMonte Cookの最凶ダンジョンシナリオ「Labyrinth of Madness」をd20アリアリのアリでクリアーしたプレイヤーを相手に、今度はオフィシャルルールのみで「a Paladin in Hell」をプレイすることにした。さすがにd20アリアリではプレイが破綻しすぎて、全然読者の参考にならんという。読み物としては面白いかもしれないけれど。

本モジュールはMonteがAD&D1stのルールブックにある「単身、地獄で悪魔と戦う聖騎士の絵」からアイディアを得て生まれたものだそうな。

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日本パラディン普及委員の一員として、これを放置できるはずがない!

 

準備・レギュレーション

本キャンペーンの趣旨は「Monteの地獄を満喫する」である。「Labyrinth of Madness」と同様に、キャンペーンのイントロが「囚われのパラディンを助けに行く」ことだったりする。 

あと、オフィシャルルールの範疇でも「さすがに見飽きたよ」という技についてはプレイヤー・DMお互いの合意のもと封印することに。この辺はプレイヤーさんの嗜好によるところだが、「特定の技に頼ってしまうと、新規の開発思考が滞ってしまう」という問題がある。新しいルールブックの導入により「改善」はあったとしても、そこにブレイクスルーは無いと個人的に思っているからだ。人に感動を与えるプレイ、目から鱗のプレイを目指して欲しいなぁ、と。 

やはり色んな技を試して欲しいし、提案して欲しいと思うので、自主規制を前提として敢えて「定番の技」を封印させてもらった。その方が参考になる部分もあるのではないかな?

レギュレーション

使用システム:D&D 3.5版

使用ルール:「D&D」ロゴのついているルールブックであれば使用可とします。例外:Warcraft関連、OA関連

注意事項

1)冒険の出発はForgotten Realmsからです。他世界の人は頑張ってFRまでやってきて下さい。

2)同名のクラス・呪文は常に最新版で上書きされます。

3)コア3冊以外のルールを使用する際には、必ず原本ないしコピーを持参して下さい。誰も持ってきてなくて、ルールの詳細を確認できない場合は使用不可。電話で確認することも不可。

4)アイテムの作成・売買は自由にできます。

5)PsionicsはSpellと同じ扱いとなります。Player's Guide to Faerun、Expand Psionics Handbookを参照して下さい。

6)3版のルールブックはアップデートパッチが無い限り使用不可。同名のクラス・ルールは基本的に3.5版で上書きされます。

7)レベルアップは安全な町に戻って休んだときに処理します。旅の途中やダンジョン探索中には経験値があってもレベルアップはできません。今回のキャンペーンでは一度に上がるのは1レベルだけです!余剰経験値は常になくなります。そうでもしないとあっという間にエピックいっちゃう・・・

8)FAQ・エラッタは全て適用するとは限りません。判断に迷ったらご相談下さい。

PC

レベル:11から始まります

種族には特に制限をつけませんのでご自由に。

HPは1レベル目最大,2レベル目以降は2回振って良いほうを選択。3レベル目以降は、各レベル2回ダイスを振って良い方を選んでください。

キャラメイク方法:50pointで作成

所持金:70,000gp

経験値:60,000XP(レベルが下がるような経験値の使用はできません)

NPC:Animal Companion、Special Mount、Familiar及びそれに類するものは可。Cohortなどの「もう1人のPC」は不可とします。原則1人1キャラにしてください。Leadershipの取得自体は禁止しません。

ご注意下さい!

シナリオ本編に突入すると、安全に買い物が出来る場所(FR)に戻ることができません。シナリオ中の消耗品・マジックアイテムの購入には制限が掛かります。 

「Labyrinth of Madness」と同じように、Monteの「ボクが考えた呪文大変化~♪」があります。3.5版には無いルールですが、せっかくですので導入したいと思っています。ご了承下さい。

第1回レポート(Lapinさんバージョン)

並列世界で起きる出来事は、その全てが同じものとは限らず、その全てが異なるものとも限らない。

それはしばしば、多元宇宙に股がることさえある。私が体験したのもその1つである。

━━━カラス、シギルのThe Lady's Ward教会 文書管理官

◆Krysandral卿の死
フェイルーンの高名なエピック・パラディン、Krysandral卿が亡くなった。2nd時代にパラディン一本伸ばしでエピックまでいった英雄である。その英雄の葬儀ということで、各地から様々な参列者が訪れた。その中には、最近まである忌まわしき力によって幽閉されていたパラディンのSorril Venir卿もいた(この事件については、"Labyrinth of Madness"を参照のこと)。ところが、Krysandral卿の葬儀が行われるその日、参列者諸共、葬儀の行われる寺院が忽然と消え失せてしまった。

◆Sorril卿の行方
シギルのThe Lady's Ward教会で文書管理官をしているカラスは、エピック・パラディンのKrysandral卿の葬儀に参列する為、わざわざ、多元宇宙の辺境を訪れた。フェイルーンへ来たのには、他にSorril卿の関わった事件についても記録を取る目的もあった。しかし、彼がフェイルーンについた時には、既に寺院は失われたあとであった。

Sorril卿の従者、Adderleyに話を聞く為に、彼の元を訪れた。そこには、他に4人の先客がいた。Adderleyは彼らに語った。

「皆さんご存知の伝説のパラディン:Klysandral卿が先日お亡くなりになりました。Sorril 卿はその葬儀に参列するためNeheod寺院に出かけたのですが、葬儀が執り行われている最中に、寺院をまばゆいばかりの光が包んだかと思うと次の瞬間には寺院ごと消えてなくなっていたそうなのです!」

「寺院のあった場所は大きなクレーターになっていたそうです。Neheod寺院が消えた原因についてはBrother Maercalが調査してくれました。」

『なんということだ。邪悪極まりない呪文によって、寺院はKlysandral卿の魂と参列者全てを連れてNine Hellsへと運ばれてしまった!我々はどうすれば良いのだ・・・』

するとBrother Maercalの元へメフィットが手紙を持ってやってきたそうです。

『私には失われたものを取り戻す手段を提供する用意がある。ただし、私の元へ取りに来たものにしか渡すことはできない。Emirikol the Chaotic』

Emirikol the Chaoticとは昔(30年程前)Klysandral卿と共に冒険をしていた魔術師である。彼はパーティを解散した後、ある魔法使いに決闘を挑み、その後姿を消したと言われている。

「Emirikol the Chaoticの居場所は調べました。どうか彼の元へ行って寺院にたどり着く手法を調べ、Klysandral卿の魂を、そして寺院に参列していたSorril 卿たちを助けて頂けないでしょうか?」

参列者諸共、寺院毎連れ去ってしまうのは、極めて強力な力が働いていることは想像するに難くない。カラスの知識によると、Nine Hellsには善の道を突き進む者や堕落させたい者を連れ去る呪文が存在するというが、これほど強力な例は滅多になく、九層地獄の王その人が開発したとされるBonds of Asmodeousという太古の呪法くらいだという(Quest spell, 10th Lv spell, epicなどなど)。

また、Emirikolのメッセンジャーであるメフィットの話からも、消えた寺院の行く先がNine Hellsであるらしく、その事実を裏付けている。

極めて危険な任務であるが、彼らはAdderleyの依頼を引き受けた。

◆地獄への探索行
依頼を受けたのは彼ら5人。

アジーム:Male human, warlock 12:センビアから来た銀髪の人間。闇との契約により力を得たもの。個人的にも、Emirikol the Chaoticを探しているらしい。怪しい。

アリーナ:Female raptoran, Clr/spell dancer/combat medic(ECL 12):Raptoranでミストラ信者。Healing kickerからsanctuaryという驚愕コンボを疲労。トゥースをうさん臭い目で見ている(シェイドなりかけなので)。

シェイド・トゥース:Female shade(ちょっと), Rog/PsyW/Suel Arcanamach(ECL12):異なる物質界の出身だが、影の世界を彷徨いながら、多元宇宙を渡り歩く方向者。ちょっと、影の次元界に長く留まりすぎたため、常に影に包まれている。自称偵察兵。周りの認識はダメージディーラー。Hide, Move Silentlyは50オーバー、Searchは60オーバー。

ライガ&フーガ:male dvati, Opportunist(ECL 12):1つの魂と2つの体を持つdvatiの戦士。・・・と思いきやハーフミノだった(皆、意外だったらしく驚いた)。あれをしたら機会攻撃、これをしたら機会攻撃、挟撃していないけれど急所攻撃と戦線構築型。

“書を守る者”カラス:Male human, Archivist/Fiendbinder/Thaumaturgist(ECL 12):SigilのThe Lady's Ward教会で文書管理官をしている。特定の神格ではなく、Tome Archon系の教会である。しかし、ある理由から住居は教会の外にある。猫使いにして犬使い。決して汚されることのない、純粋な魂を持っている(Pure Soulを取っている)。

◆ポータル
Emirikol the Chaoticの使いのメフィットの話から、彼のいるプレーンへのポータルへ向かう。コインを放り込んだり、向こう側を確認したりと、安全確認を取ってから、ポータルの先「馬小屋ワールド」へ。ついた先は、鉱山街であった。

◆鉱山街ヴァリス
様々な種類のspecial materialが取引されている鉱山街である。既に夜も遅かったので、宿を取って軽く情報収集をする。

カラスがEmirikol the Chaoticについて聴くと、アジームが「ストレートに聴くのか」と驚愕する。この言葉で、彼が日頃どのような生活を送っているのかがよく判る。世の中には、搦め手の必要なときもあれば、ストレートに進んだ方が早いこともある。日の光の当たらないところしか進まないアジームには、想像出来ないのだろう。問いに対する街の住民の回答は「明日になれば判るよ」であった。そこで、カラスは明日になるのを待つため、早めに寝ることにした。一応、猫に警戒の命は出していた。

また、「これだけの特殊素材は何処で取れるのか」という問いに対しても、やはり「明日になれば判るよ」であった。これを聴いて、アジームもさっさと寝ることにした。 

残る者たちは、もう少し情報を収集しようとしたが、答えは「明日になれば判るよ」であった。

◆嵐
翌朝、一行が目を覚ますと、答えを観ることが出来た。ヴァリスから離れたところに、巨大な竜巻があった。どうやら、その竜巻はparaelemental plane of mineralと接続しているらしく、そこから様々な鉱物を巻き起こしては吹き飛ばしているらしい。これが、鉱山街ヴァリスの成立の元であった。

話に寄ると、Emirikol the Chaoticがあるメイジと決闘した後、このような嵐が発生することになったと言う。街の住人たちは、直接、Emirikolとは面識がないが、この嵐の為に、彼に感謝しているらしい。

一行は、鉱山街の拾い物ギルドに加入して(アダマンティン、ミスラル、スティールの各階級があり、アダマンティンに加入した)、支給品のアダマンティン製の傘にマジック・ウェポンを掛けて硬度を21にした後、竜巻が巻き上げて振りそそぐ鉱物の雨の中を進む。

やがて、竜巻の見えるところまでつくと、色々と調べた結果、直径5400フィートの大竜巻で、いわゆる竜巻型ではなく、球状に回転しているらしく、上空から侵入しようとしても竜巻に巻き込まれそうである。

地面をえぐっていることからも、完全に球形になっていると想像がつく。800フィートほど行くと鉱物が飛び交う風の壁を越えて、中へ入ることが判った。トゥースのclairvoyant senseのサード・アイから、竜巻の中には、物乞いのような変な人々(正体不明)と、観るもおぞましい、忌々しい外観の生物が空を飛んでいることが判った。

検討の結果、空を飛ぶものにlesser ironguardを掛けて、残りはポータブル・ホールの中に入って、竜巻を抜けることにした。無事、竜巻を抜けると、ポータブルホールから出てくる時に、直ぐ近くに怪しげなポータルが一瞬発生した。

よく見ると、周囲のあちこちに、様々な次元界へ通じるポータルが発生したり閉じたりしている。歩いているだけで、突如発生したポータルに巻き込まれる可能性があったので、アジーム、アリーナ、トゥースは飛行、カラスはエア・ウォークで宙を歩き、ライガ&フーガには危険を冒して、再度、ポータブル・ホールの中に入って貰うことにした。

物乞いのような怪しい人々に遠くから挨拶だけして、空を舞う不気味な生物(chaos steedであった)には構わず、Emirikol the Chaoticの住居と観られる塔へ向かう。

◆Emirikol the Chaotic
無事、Emirikol the Chaoticの住むと思しき塔に到着すると、アイアン・ゴーレムに来訪の旨を伝え、塔へと入る。そこで、Emirikol the Chaoticと会った。

彼はかつてKrysandral卿と共に冒険した仲間であった。お互いのことは認めあい、尊敬して入るが、根本的な部分では相容れない関係でもあった。というのも、Emirikolはかつて最強を誇ったwild mage(2版の時は実に強かった)であり、混沌の力を振るう者だからである。

彼の話に寄ると、消えた寺院はNine Hellsの第5層と第6層の狭間にあり、普通の手段では行くことの出来ない次元にあるという。しかし、Emirikolには、そこへ行く為の手段を提供することが出来るという。

その手段とは、1つの船であった。名をDemonwing! その武器な船は、かつてblood warの為に建造され、Styxと通って、下層次元界のあらゆる場所へ行くことが出来ると言う。その禍々しさ、そして、その建造に使われた力は、善なる者の魂を汚すことになるかもしれない。しかし、他に選択肢はないのだ。それにしても、用意周到である。

◆腕試し
しかし、彼らのうち何人かは、まだ出会ったばかりである。お互いの力も把握していないので、ここらで少しパーティとしての連携を図る必要がある。

そこで、Emirikol the Chaotic腕試しの場を提供してくれた。かつての実験の名残であり、放置して怪物やら、怪物のやって来るポータルやらがあるらしい。 そこには、それぞれ、レベル1-20までを選択出来る扉、ガーディアンと書かれた扉、混沌(CHAOS)と書かれた扉とがあった。

まずは、レベル11を押して最初の扉に入る。出て来たのはアボレスが4体。これは余力残しでほぼ1ラウンドで制圧した。アジームなどは、自分の手番が来ても何もしなかった。思えば、彼が最初に「皆の力を確認したい」と言い出したのに、自分は何もしない辺り、ひょっとすると何か企んでいるのかも知れない。

続いて、レベル13へ進む。今度の相手はファイア・ジャイアントが3体。こちらも、余力残しで、ほぼ1ラウンドで掃討した。 

次は、レベル15。出て来たのはデーモン・トループ。グラヴレズゥが1体、サキュバスが1体、ヴロックが5体。デーモンが相手ということで、カラスの猫もいつも以上にやる気である。流石にグラヴレズゥは手強かった。しかし、ヴロックを踊らせることもなく、4ラウンド後に決着がついた。デーモンでは決してカラスの猫のDRを抜けないのが良かったが、カラスの呼び寄せた犬はグラヴレズゥの前にあまりにも無力であった。

アジームのeldritch blastは、目標に当たった後、次の標的へ飛んでいたが、まるで当たらなかった。最後はサキュバスの元へ飛び込んでいた。怪しい。アリーナのhealing kickerでclose woundsからsanctuaryのコンボは素晴らしい。基本的には、ライガ&フーガが長いリーチと超常能力(Su)を使っても機会攻撃を発生する能力などで戦線を構築し、その傘の下で後衛が援護しつつ、トゥースが大ダメージを与える(22d6~30d6)というのが基本的な戦術になりそうである。 

最後に、ガーディアンの扉へ向かう。ここにはアイアン・ゴーレムが4体いた。実は、あまり記憶がないので、何となく勝ったとだけ記しておこう。決して、眠っていたわけではない。ちょっと、意識は飛びかけていたかも知れないけれど。ここには、なかなかの報酬があった。

次回は、いよいよdemonwingに乗り込むことになるだろう。

第1回レポート(Kiryuさんバージョン)

●消失~事の発端~
かつてFaerunにその名を馳せた高名なEpic Paladin、Klysandral卿が大往生した。2nd時代にPaladin一本伸ばしでEpicまでいった文字通りの英雄である。故人の思惑はどうであれ、そのような英雄の葬儀ともなればいやがおうにも壮大にならざるをえない。今回もご多聞にもれず、卿の知人や著名人等、各地から様々な参列者が訪れることとなった。その中には、最近までとある迷宮に幽閉されていたPaladinのSorril Venir卿も名を連ねていたのである。

迷宮とは"Labyrinth of Madness"のことです。

おごそかに行われるKlysandral卿の葬儀。が、葬儀場である寺院が突然まばゆいばかりの光に包まれたあと、参列者共々丸ごと消失してしまうという異常事態が発生した。

Sorril Venir卿の従者であるところのAdderleyは、卿の部下にして盟友であるところのPCたちに準備金5万gpで調査依頼を持ちかけることとなる。

「皆さんご存知の伝説のパラディン:Klysandral卿が先日お亡くなりになりました。Sorril 卿はその葬儀に参列するためNeheod寺院に出かけたのですが、葬儀が執り行われている最中に、寺院をまばゆいばかりの光が包んだかと思うと次の瞬間には寺院ごと消えてなくなっていたそうなのです!」

「寺院のあった場所は大きなクレーターになっていたそうです。Neheod寺院が消えた原因についてはBrother Maercal(Neheod寺院の代理人)が調査してくれました。

『なんということだ。邪悪極まりない呪文によって、寺院はKlysandral卿の魂と参列者全てを連れてNine Hellsへと運ばれてしまった!我々はどうすれば良いのだ・・・』

するとBrother Maercalの元へメフィットが手紙を持ってやってきたそうです。『私には失われたものを取り戻す手段を提供する用意がある。ただし、私の元へ取りに来たものにしか渡すことはできない。Emirikol the Chaotic』」

Emirikol the Chaoticとは昔(30年程前)Klysandral卿と共に冒険をしていた魔術師である。彼はパーティを解散した後、ある魔法使いに決闘を挑み、その後姿を消したと言われている。

「Emirikol the Chaoticの居場所は調べました。どうか彼の元へ行って寺院にたどり着く手法を調べ、Klysandral卿の魂を、そして寺院に参列していたSorril 卿たちを助けて頂けないでしょうか?」

この会話を聞きつけた、「SigilのThe Lady's Ward教会の文書管理官」を名乗る者も同行を申し出てきた。どうやら、Sorril Venir卿に用があるようだ。

まるで特異点のように毎回事件の中心にいながら、事件そのものには関われないSorril卿。はたしてPCたちは無事に彼と葬儀参列者たちを助け、Klysandral卿の魂に安らぎを与えることはできるのか。

以下PC紹介。

○アジーム:Male Human, Warlock, CN:センビアから来た銀髪の人間。闇との契約により力を得たもの。個人的にも、Emirikol the Chaoticを探しているらしい。12Lvになる前の口癖は「12Lvになってからな!」

○“書を守る者”カラス:Male Human?, Archivist/Fiendbinder/Thaumaturgist, TN:SigilのThe Lady's Ward教会で文書管理官をしているとのこと。特定の神格に仕えているわけではなく、Tome Archon系らしい。特にSorril Venir卿の部下でも盟友でもないわけであるが、別件でSorril卿に用事(Labyrinth of Madness事件の顛末の記録)があったため、事件解決までの間パーティへの同行を申し出た。

○シェイド・トゥース:Female Outsider(native?)/Shade, Rog/PsyW/Suel Arcanamach, CN:トゥースは通り名。本名は不明。Greyhawk出身のShadeなりかけの妙齢の女性である。最近お肌が黒くなってきているのが気になるらしい。

○ライガ&フウガ:Male Dvati/Half-Mino, Ftr/Rog(Variant)/Mnk(Martial)/PsyW/War Mind, LN:寡黙ではあるが、その魂には熱いものが宿る漢たち。出身地は不明。(Athas?)

○アリーナ:Female Raptoran, Clr of Mystra/Combat Medic/Spelldancer, NG:髪の毛は赤で、口癖は「あらあらまあまあ」と「あはー」。いつもにこにこ。Vestment of Many Stylesを着ており、踊ったりするときは「TPOにあわせた服装」になる。残念ながら(?)ツンでもデレでもなし。あしからず。パーティ唯一のGood。PL陣のほとんどはシナリオをメタ読みしてGood以外にしているのがなんとも。

Sorril卿のまわりに特殊な冒険者が集まりやすいのは、運命の悪戯かはたまた因果の必然か。

●陰謀~事件の背景~
参列者共々寺院ごと連れ去ってしまう、というのは極めて強力な力が働いたということは想像に難くない。そのあたりを知っているらしいカラスに確認したところ、Nine Hellには善の道を突き進む者や堕落させたい者を連れ去る呪文が存在するというが、これほど強力なものは過去に例がほとんどなく、九層地獄の王その人が開発したとされるBonds of Asmodeousという太古の呪法くらいだ、とのこと。

2nd時代のQuest spellや10th Lv spell、3.0E以降ならEpic spellに相当するとのこと。

また、EmirikolのMessangerであるMephitの話からも、消えた寺院の行く先がNine Hellであるらしく、その推測を裏付けるものとなった。どうやら、かなり大掛かりな陰謀が動いている模様。

まずは
・行動は基本的に夜間に行う
・準備金でHealやRevivifyのScrollを最低限の数購入しておく
・Emirikolの元へ向かい、彼から必要な情報を収集する
ということでパーティの方針を固め、Emirikolの元へ向かうことにする。

夜にしか起動できないItemを使用したかったのと、Shadeは日の光が苦手なためです。

●夜歩く~鉱山街ヴァリス~

Mephitの誘導に従い、EmirikolのいるPlane「馬小屋ワールド」へのPortalに向かう。

エンカウンタがえげつないので、FRにこんな物騒なもん(PCたち)を持ち込むくらいだったら馬小屋ワールドにしておこう、というDMの優しさが垣間見える設定である:DM記

Analyze Portalは用意していなかったので、コインを放り込んだりArcane Sightで何かSpellがかかっていないかどうか確認したりと、安全確認を行ってからPortalをくぐる。 

ついた先は、PLの視点で例えると西部開拓時代風といった街であった。最初から夜に行動していたので、まずはランドマークとなる宿を探すことにする。程なく見つけた宿で簡単にこの街のことについて聞くと、ここはどうやら様々な種類の鉱物を扱う鉱山街のようだ。名前はヴァリス。ゴールドラッシュでもきているのか、夜でも活気がある。だが、鉱山街と呼ばれているにも関わらず、不思議なことに付近に山らしきものはなにも見えない。

またEmirikolについては、どうやら街の有名人らしく皆知っているようではあったが、彼のことについて訊ねても、その回答は誰もが決まって「明日になればわかるよ」の一点張り。また、鉱山の詳細についても同様であった。これ以上は進展しそうにないため、寝て待つことにする。

●暴走~晴れ、ところにより嵐~
翌朝一行が目を覚ますと、宿の窓の向こうに答えを識ることが出来た。ヴァリスから遠く離れたところに、直径1mile程の巨大な竜巻が巻き起こっていた。カラスの知識によると、その竜巻は「Metal Storm」といい、Paraelemental Plane of Mineralと接続しているらしく、そこから様々な鉱物を巻きあげては吹き飛ばしているらしい。その吹き飛ばされた鉱物を拾ってくることで"鉱山街"としてヴァリスは繁栄したようだ。

住民の話によると、Emirikol the Chaoticがとある魔術師とMagical Duelを行った後、このような「Elementalの暴走」ともいえる竜巻が発生するようになったようである。住民たちは直接Emirikolと面識があるわけではないが、この竜巻が結果的に街に繁栄をもたらしてくれることから、彼に感謝しているらしい。竜巻の中ではランダムな鉱物が毎Roundぶつかってくるため、仮に無防備に突入すれば非常にユカイなことになるとのこと。

鉱物がぶつかった際のダメージは1Roundあたり1d100。

落ちている鉱物に対しての縄張りを管理するGuild(拾い物Guild)があり、
何らかの対策方法を求めると同時に無用のトラブルを避けることを兼ね、全員Guildに加入することにする。

●拾い物Guild~Introjection~
GuildではAdamantine, Mithral, Steelの順で会員のランク(Adamantineが無論最上級)があり、それぞれのランクと同じ金属製の傘を支給される。竜巻の外側で拾い物の最中にたまに落下物による事故があるため、この傘で防げ、とのことらしい。つまり、Adamantineが運悪く落ちてきた場合、Hardnessを無視して突き抜けてくるというわけである。ここでは用心してAdmantineに加入することにする。入会費一人2,000gp也。傘にMagic WeaponをかけてHardnessを21に引き上げた後、たまに振ってくる鉱物の雨の中を進み、竜巻の中心に近づいていく。

AdamantineがHardnessを無視できるのは、Hardness 20以下の場合です。

竜巻の間近まで近づくと、どうやらこの竜巻は一般的な竜巻の形状ではないことが判明した。通常竜巻というものは円筒形となるが、この竜巻は球状に回転しており、本来ならあるはずの「台風の目」のようなものも見当たらず、上空からの侵入もできない。

地面側を観察すると地面をえぐるようになっていることからも、竜巻の有効範囲は完全に球形ではないかと予想される。アースエレメンタルで地中を探索した。

竜巻はある程度地中にまで影響は及んでいたが、完全な球というわけではなく、もっと深い位置から行けば潜り込めたのだ・・・とは知る余地もない:DM記

トゥースのClairvoyant senseのThird Eyeで竜巻の内部を探ると、外周部から内側へ800ftほど進んだところで鉱物が飛び交う風の壁を越え、内部空間に侵入することがわかった。また、内部空間には物乞いのような変な人々(正体不明)がいたり、上空にはFar-Realmの影響でも受けたかのような奇怪な外見の馬が群れをなして空を飛んでいた。案としてExtend Ironguard,LesserのScrollを往復分2枚用意する。アリーナ以外全員がPortable Holeにはいった状態で、アリーナがそれを抱えてDiveによって一気に突き抜けることとする。

Extendなのは、アリーナのDiveによる飛行Speedと距離から必要な持続時間を逆算した結果です。

一旦ヴァリスまで戻り、Portalを潜ってScrollを調達し、再度竜巻のそばまで戻る。

●白昼の侵入者~Tornado Diver~
Freedom of MovementがかかったアリーナがScrollからSpellをCastし、Diveで竜巻を抜け、一行は内部空間に無事到着した。Portable Hole内から皆が出て地面に着地した時、直ぐ近くに怪しげなPortalが一瞬発生する。よく見ると、周囲のあちこちに様々なPlaneへ通じる野良Portalが頻繁に発生と消滅を繰り返しているのが判明した。

歩くだけでもRandom発生したPortalに巻き込まれる可能性(1/20)があるため、アジーム、アリーナ、トゥースは飛行、カラスはAir Walkで宙を歩くことにしたが、ライガ&フウガは飛ぶ手段がなかったため、危険ではあるが彼らには再度Portable Holeの中に入って貰うことにした。

Extradimensionalに入った状態でPortalを潜る危険性は説明するまでもありません。

物乞いのような怪しい人々には遠くから挨拶だけして(どうやら近づかない限り敵意はない模様)、空を舞う不気味な馬(Chaos Steedであった)には構わず、Emirikol the Chaoticの住居と思われる塔へ向かう。

近くにいるとPCの呪文スロットを掠め取っていく素敵クリーチャーたちだったのだが:DM記

●その男、混沌につき~邂逅~
無事、Emirikol the Chaoticの住むと思しき塔に到着すると、門前のIron Golemに来訪の旨を伝え、塔へと入る。そこで、Emirikol the Chaoticと出会った。

Emirikolはその昔Klysandral卿と共に冒険した仲間であった。お互いのことは認めあい、尊敬してはいるが、根本的な部分では相容れない関係でもあった。というのも、Emirikolは2nd時代最強を誇ったWild Mageであり、混沌の力を振るう者だからである。

彼の話に寄ると、消えた寺院はNine Hellの第5層と第6層の狭間にあり、
普通の手段では行くことすら出来ない次元にあるという。しかし、Emirikolには、そこへ行く為の手段を提供することが出来るという。 

その手段とは、Demonwingと呼ばれる1つの船であった。Blood Warの為に建造された其の船は、Styx河を通って下方次元界のあらゆる場所へ行くことが出来ると言う。他に選択肢はなさそうなので、PC一行はこの船に乗り込むことを承諾する。

●汝、己の強さを証明せよ~Weaving a battle~
しかし、一行のうち何人かはまだ出会ったばかりということもあり、お互いの力も把握していないため、少しパーティとしての連携を図っておく必要があった。その旨をEmirikolに伝えると、彼は腕試しの場を提供してくれた。

かつて魔道実験を行った後放置していた怪物やら、怪物のやって来るPortalやらがあるらしい。ようは体のいい掃除ではあるが、まあせっかく用意してもらえるものに贅沢は言っていられない。

そこには、それぞれLv1-20までを選択可能な扉、Guardianと書かれた扉、混沌(Chaos)と書かれた扉があった。一行は手頃と思われる扉を選択し、次々とクリアしてゆく。

○Lv11

敵:Aboleth x4

結果:余力を残して1roundで制圧。

見所:トゥースの打撃力がroundで58d6と判明

 

○Lv13

敵:Fire Giant x3

結果:同様に余力を残して1roundで制圧。

見所:ライガ&フウガの戦線構築能力は、Giant程度であればほぼimmovableにできることが判明

 

○Lv15

敵:Glabrezu x1、Succubus x1、Vrock x5

結果:4roundで制圧。

見所:アジームのEldritch Chainは何故かChainしない(2回目の命中でことごとく1を振った。理由は不明としておく)

Demonに対して犬(Hound Archon)はあまりにも無力(DRに意味がない)

Close Wounds->Healing Kicker->Sanctuaryのコンボが炸裂(相手のWillSTがさほど高くないのであれば、十分実用と判明)

 

○Guardian

敵:Iron Golem x4

結果:3round?で制圧。

特徴:Random TreasureがAmulet of Mighty Fists(+5)だったこと(市価150,000gp相当)

ここまでで、各PCとも大体の自分の立ち位置をつかむ。LvUpを果たし運用可能資金も増えたため、買い物と準備のために一旦Torilに戻ることにする。

ここまでで第一回終了。この回は普通のセッションでした。あくまでこの回は、ですが。次回、この認識の甘さを痛感することになります。

第2回レポート(Kiryuさんバージョン)

○アジーム:Male Human, Warlock, CN:中衛のDamage Dealer兼Intercepter、およびItem Crafter。Eldritch Blastからの派生技(Vitriolic Blast(SR無視、Acid化)、Eldritch Chain、Noxious Blast)と、UseMagicDeviceによるサポートが主。

○ウィンズ:Female Human(Azurin?), Psion(Egoist)/Anarchic Initiate, CN:今回より参加(前回はPLの事情で不参加)。いつの間にかパーティに溶け込んでいた。Toril出身とのことなので、さぞ苦労(刺客に追われる日々)が多かったであろうと推測。

○“書を守る者”カラス:Male Human?, Archivist/Fiendbinder/Thaumaturgist, TN:後衛からOutsiderをいろいろ使役する人。猫と犬を使役するTruenamer。いろいろ奥の手を持っている様子。

○シェイド・トゥース:Female Outsider(native?)/Shade, Rog/PsyW/Suel Arcanamach, CN:"自称"先行偵察兵。58d6 Damage/Roundをたたき出すその破壊力から、パーティの認識はDamage Dealer。

○ライガ&フウガ:Male Dvati/Half-Mino, Ftr/Rog(Variant)/Mnk(Martial)/PsyW/War Mind, LN:Large SizeのOpportunist。攻撃をしたらAoO、Suの能力を使用したらAoO、とにかくもう何かしたらAoOと、DR#340のFeatを駆使する。

○アリーナ:Female Raptoran, Clr of Mystra/Combat Medic/Spelldancer, NG:Buff兼回復兼Tank。Vestment of Many Stylesを着ていたが、今回から別のものを着ている。

●Always Lack(いつも足りない)
アジームはかつてMercantile Background持ちだったが、現在は持っていない。が、Amulet of Mighty Fists(+5)を入手したため、Psychic Reformationで取り戻すことになった。(売却する際に3万7500gp違うため)

その他、前回得た財宝を売却したりしてある程度の現金を得たため、Itemを作成したり購入したりで取り揃える。ここでは、前提SpellなしでItem Creationが可能なアジームが大活躍。アリーナも武器・防具作成を行い、事前に要望のあった大体のItemは作成するか購入する。

作成Itemの候補やFeat入れ替え、およびそれにかかるPsychic Reformation代等、事前に計算しておいたため、あまり時間を取られずにすみました。アジームはこれで口癖である「12Lvになってからな!」を証明したことになります。

が、トゥースから追加で重要な提案がでる。
「『Spellが通常どおりには機能しない』というEmirikolの話が本当なら、可能な限りこれを購入しておく必要があるかも。」といって示されたのが、Vestment of Steadfast Spellcasting。25,000gp也。

PlanarHandbook掲載のMagic Itemです。SpellcastにおいてPlane Traitを受けなくなるという、今回にぴったりな代物です。理由は後述します。ただ、作成の前提条件のSpellが「limited wish or miracle」であるため、Spellの用意をScrollで代用というわけにはいきません。(Scroll代のほうが高くつく)

実はTorilに一旦帰る前に(プレイとしては今回の冒頭)、EmirikolにDemonwingとNine Hellの狭間の階層のことについていろいろ質問している。その際、狭間の階層は特殊なPlane TraitによってSpell Castingに副作用があることが判明したのである。

・Conjuration(Summoning)は、100%で原住のCreatureを呼び出す(つまり、100%Fiendishになる)
・Conjuration(Healing)は、DC20のCLv Checkに成功しないと発動しない
・Divinationは働かない可能性がある?
等々。

●溜息~A Human Work~
急遽このItemを購入するための資金を捻出する必要がでてきた。純Caster(かそれに近い)カラスとアリーナのため、最低2着は必要である。

そこでアリーナから「資金を提供してくれそうな先」として、
1.Brother Maercal(Neheod寺院)
2.有力な資金を持っていそうな(ぶっちゃけていえば元冒険者の)葬儀参列者の関係者
と交渉する案が提案される。

今回のセッション前に、DMから「Item以外の資金を得るチャンスをことごとく見逃しているよ」の旨を示唆されています。

順番に交渉にいくが・・・結果はグダグダ。何とか38,000gpは手に入れるが、思わず溜息が漏れる。

強いていうと、「Brother Maercalが(PCに)否定的な態度をとったのが予想外」Neteod寺院にとっては「悪の介在によって葬儀をつぶされた」のであり、Klysandral卿の葬儀を取り仕切る立場にとっては面子丸つぶれの状態。この状況はなんとしても解決したいはず。と思っていたため、持ちかければ簡単に資金を出すと考えていました。「救い出す手がある」と切り出してきたPCたちが(本当に手段を持っているかどうかについて)はったりをかましているかを調べる程度はするでしょうし。

不足分はカラスが8000gp程使用してFiend Bindingし、「25,000gp相当のItem」に変換することでカバー。

PL全員「はぁ?」ですよ。


●退屈~世界の海は俺の海~

Item作成や準備等で18日が過ぎ、いよいよ出発である。ここから先Itemの補充はほぼない。下手をすると文字どおりの地獄への片道切符になる可能性もあるが、今更引き返す道も道理もない。Emirikolの元にいき、一行はDemonwingに搭乗する。

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が、即座に異変を感知する。See Invisibleな者にしか見えないが、透明なDemon(名前失念)が大量に乗っているのが判明する!が、敵意はない様子。

グラブレズのUngurth君と幽体化したトロール&スケルトンズだった:DM記

アジームが話かけたところ、どうやらこの連中は船を動かすためのクルーらしいことがわかる。

もしPCにPaladinがいたら間違いなく戦闘になりますが、倒してしまうとシナリオが先に進みませんし、かといって見逃すと堕ちるわけで・・・「このシナリオでPaladinをやるのは、素人には無理」とはDMの談です。

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船頭らしきDemonに目的地を告げ、到着までしばし待つ。待つ。ひたすら待つ。途中ランダムエンカウントもなく、平和に過ぎる。が、いささか手持ち無沙汰である。 

いい加減退屈してきたところで窓の外の景色をSpotでチェックすると、Gehenaの同じ場所らしい風景を何度も見ていることに気づいた。同じところをぐるぐると回っているのでは、という懸念が浮かぶ。 

船頭を問い詰めてみるも、「きちんと目的地に向かっています。」「文句があるなら船長にいってください。」「船長はここにはいません。いるとしたら船長室です。」で埒が明かないため、船長を直接問い詰める必要が出てきた。で、船長を探そうとすると、おもむろにMapが展開される。

船そのものがDungeonだとは思いませんでしたよ。


●動揺~静止した船の中で~

船内を探索すると、船の内部であるはずなのに水が張ってあったりした。いろいろ不可解ではあるが、ここはDungeonだ、と気持ちを切り替え、足を進める。

するとHugeのVrockが2体、通路の向こうに見えた。Initiativeを振って戦闘を開始しようとしたが、Teleportで逃げられる。 その大きさに言い知れない悪い予感を走らせるが、その後なにも起きない。まずは船のMapを埋めてゆこうということで、トゥースがClairvoyant senseで船内を探索する。

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その後、Vrockがいたあたりにきたときに、先ほどのVrockとともにGargantuanのNalfeshnee、HugeのHezrouがTeleportで登場する。

○Maximum Advanced Demon

敵:Nalfeshnee(42HD, CR30) x1、Hezrou(30HD, CR23) x1、Vrock(30HD, CR21) x2

結果:ボコボコにされながらもなんとかPC側は死者なしで制圧。

見所:NalheshneeがSmiteを使用するも、ウィンズがAnticipatory Strike->Wall of Ectoplasmで防ぐ。Vrockの1体を降伏勧告で降伏させた後、情報を引き出す。経験値があふれた。

Vrockが語るには、
1.この船にはあとBalor・Marilith・Two Headed Dragon・Githyankiが乗っている
2.Balorが自分たちのボスで、この船の船長だ
3.MarilithはBalorにとって客人で、Balorの部下というわけではない
4.DragonやGithyankiのことは知らない
5.この船を操作するには、「Demon Crown」と呼ばれるItemが必要
6.船長は最近Demon Crownを無くしてしまい、捜している
とのこと。まずはDemon Crownを捜して船のコントロールを奪うか、船長のBalorを倒すのが当座の目的となる。Nalfeshneeたちはまだ前座らしく、全員に動揺が走る。

●今有如是事(いまあるこれのことのごとく)
(※目の前のものを比喩に用いること)
Vrockの情報により、Demonwing内には以下の敵がいることが判明した。Balor・Marilith・Two Headed Dragon・Githyanki

NalfeshneeやHezrouの例から考えて、BalorやMarilithも最大HDまでAdvanceされていると考えて間違いはない。Two Headed Dragonも似たようなものであろう。GithyankiもほぼEpicに近いLvであろうと推測される。

事実から導き出される考察
・Outsiderの攻撃力(BAB)はHDとイコールであるため、48HD級や60HD級相手では、まともに殴りあうとまず負ける。パーティ全員のACを60以上にできるなら殴り合いも可能だが、それはリソース的に不可能。
・HDが高ければ、HPも高くなる。60HDのBalorであれば、HP1200以上になると予想される。
・OutsiderのSTはすべて良好。SRも非常に高い。Spellでの一発ツモはほぼ期待できない。Healing KickerのコンボもDC的にまず無意味となる。

つまり、少なくとも誰か一人が肉弾で互角に渡り合えるようにする必要がある。もしそれができないのであれば、Full Attackによって毎Round一人ずつ死んでいくことになりかねない。


●憂鬱~死に至る病~
上記を踏まえ、アリーナは用意するSpellを変更し、単純な打撃力と防御力を積み重ね、肉弾で削り負けないようにする。今回のように「傷ついたらそのPCをHeal」ということをのんびり行っていると、リソースがいくつあっても足りないため、アリーナが壁となることで間接的にパーティに打撃が行かないようにし、結果的に全体のリソース消費を抑える方向で行く。

アリーナが壁となっている間、トゥースやライガ&フウガが安全な位置から攻撃して倒す、という構図である。

ただし、(DragonやGithyankiはともかく)BalorとMarilithを一度に全部を相手をするのは(不可能とは言わないが)かなり無理があるため、各個撃破の方向で考えるが、問題が一つある。BalorやMarilithにはTeleport,Greaterがあるため、分断したところでTeleport不可の場所でなければあまり意味がない。Teleport不可の場所にのこのこと出てくるとも思われないため、結局はBalorとMarilithが同時にでないことを祈るだけであった。それでも、対Vorpal Sword等考えられる限りの対抗策を考えておくことにする。無論、言うまでもないが戦術の失敗イコール死である。

ここで第二回が終了。今回で、Demonwing内には最大HDまでAdvanceされたDemon「しか」いないと判明しました。今までの認識の甘さを改めさせられます。あと、アリーナは、こんな船に乗せ、かつ重要なことを黙っていたEmirikolに対して「後でシメる」と、心の閻魔帳に記録します。

第3回レポート(Kiryuさんバージョン)

○アジーム:Male Human, Warlock, CN:中衛のDamage Dealer兼Intercepter、およびItem Crafter。Eldritch Blastからの派生技(Vitriolic Blast(SR無視、Acid化)、Eldritch Chain、Noxious Blast)と、UseMagicDeviceによるサポートが主。・・・だった。今回終了間際の死亡がきっかけで、ぽっきりと心が折れてしまった模様。

○ウィンズ:Female Human(Azurin?), Psion(Egoist)/Anarchic Initiate, CN:後衛のAstral Constructor兼Intercepter。今回の特殊レギュでは余剰経験値が(ほぼ)無限なため、ほとんどのFeat、Skill、Powerを毎セッションごとに書き換え可能なことが判明した。今回の冒頭では、IncarnateのPowerで目一杯Permanencyを行っている。

○“書を守る者”カラス:Male Human?, Archivist/Fiendbinder/Thaumaturgist, TN:後衛からOutsiderを使役する人。奥の手は持っているが、毎回それに必要なルールブックを持ってくるのを忘れているため、いまだ出せずにいる。

○シェイド・トゥース:Female Outsider(native?)/Shade, Rog/PsyW/Suel Arcanamach, CN:"自称"先行偵察兵。今回小道具としてぴりりと味のある技を披露。

○ライガ&フウガ:Male Dvati/Half-Mino, Ftr/Rog(Variant)/Mnk(Martial)/PsyW/War Mind, LN:Large SizeのOpportunist。何にしろ強化するのに二人分が必要なため、防御にまで手が回っていないのが弱点ではあるが、それを補って余りある戦線構築能力の持ち主。

○アリーナ:Female Raptoran, Clr of Mystra/Combat Medic/Spelldancer, NG:Buff兼回復兼Tank。Combat Medicではあるが、HitPointのCure能力はさほど高くない。むしろ、他のキャラが殴られないように壁になったりすることで、実質的な戦線の保持を行っている。


●憤慨~レゾンデートル(存在理由)~
文字どおりあふれるほどの経験値を得たため、アリーナが
1.Pearl of Power,3LvからAnyspellを戻す。
2.戻したAnyspellをCastし、Rope Trickを用意する。
3.1日目は表に見張りを立て、Ropeの中で休む。これでSpell Slotが回復する。
4.2日目以降は、Anyspell,greaterからHidden Lodgeを用意。
することで、LvUpのための安全地帯を作る。

現在「もっとも潤沢に使用可能なリソースが経験値」という、あまり他に類を見ない状況でもあり、ウィンズは普段できないPermanencyかけまくり等を行う。

その他、アリーナは持続時間がHourのSpellをCLv引き上げ+Extendで丸1日以上持続するようにし、当日のSpell Slotを浮かせたりする戦術を取る。

引きこもってから3日後が出撃、となったが、その間にカラスがPlanar allyのSpellを使用し、「Trumpet Archonを使いっ走りにして、Itemを買ってこさせます」と発言。

全員で確認したが、DemonたちがTeleportしてきたこの場所であればForbbidanceもなく、その場合Conjuration(Calling)で招来や送還が自由に行える、ということが判明した。今までDemonwingに乗り込んだ後は補給なし、という認識だったのが、ここで崩れる。

外部からの補給路が絶たれた状態であるからこそ、「前提Spellを無視してScrollを書ける」ことを矜持としていたアジームは、己のIdentityが保てなくなりそうになり、心にヒビが入る。

Conjuration(Calling)のSchoolの特徴に、「特定の個体を呼び出せる」というものがあります。手順は、
1.Trumpet Archonにメモと現金を渡し、「とある特定の人物に渡せ」というメモには買い物リストと伝言が書いてある。「とある特定の人物」が誰かはこの際どうでもよい
2.とある特定の人物は、受け取った現金で買い物を済ませ、買った物と(必要なら伝言メモ)をTrumpet Archonに渡す。
3.Trumpet Archonは、Sendingでカラスに準備が整ったことを知らせる。Trumpet Archonは自前でSendingを持っている。
4.Sendingを受け取ったカラスは、Trumpet Archonを再度Planar allyで呼び出す
ということらしいです。キャラ作成の段階で言っていればまだしも・・・。さすがにアジームのPLさんは凹んでいました。

準備完了して外にでると、そこにはGithyankiが待ち構えていた。


●奇跡の価値は~たったひとつの冴えたやりかた~
Githyankiたちは目に見えるのが2人。内1人はDragonに乗っていた。ただし、Two headed Dragonではなし。リーダーらしきGithyankiが「我らのボスであるBalorが会話したいとのことだ。ついて来てくれ」と発言する。が、明らかに罠である。

リーダーとカラスが会見場所等について交渉する。その間にトゥースが影を伝ってHideし、リーダーのいる場所の向こうに伏兵がいないかどうかを確認する。発見できたのは、WizardらしきGithyankiと、Brestplateをつけた軽戦士風Githyanki、さらに奥の通路にDispeling Screenをはり、さらにその向こうに牛の顔のDemonがいるようだ。

明らかに挑発するような布陣で、交渉も埒があかない。また、伏兵のWizardは途中でTeleportして姿を消したため、援軍を呼びにいったものと推測。(連中の言ったことを信じるなら、呼んだのはBalorあたりと推測)程なくして交渉は決裂し、戦闘となる。

アリーナはこの段階でLarge SizeのFireborgにDragonic Polymorphしています。持っている得物はGreathammer, Goliathで、Mighty Wallop,Greaterがかけられていました。

○第一陣、Githyanki

敵:Githyanki Blackguard(CR18) x1、Githyanki Soulknife(CR18) x1、Githyanki Archer(CR18) x1

結果:Archerの攻撃でライガが死にかけるも、Delay Deathで死亡することなく殲滅。

見所:ウィンズがAstral Constructを用いた自爆技を披露。トゥースは影さえあれば、毎Round Move Actionで300ftも移動可能とのこと。Soulknifeはコンボが見事決まり、恍惚とした表情を浮かべていた。

正確には近接攻撃接触化・即行心霊斬(4d8)・突撃withマインドブレート(バスタードソード)+4、フレイミング・フロスト・ショック・サイコキネティックだったりする:DM記

Dispeling ScreenをウィンズのDispel Psionicsで破ったところで、第二陣が動き出す。

 

○第二陣、Goristro

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敵:Goristro(CR16) x1、Vampiric Ixitxachitl Clr12(CR15) x1、Ixitxachitl Clr3(CR4) x50

結果:Goristroの攻撃力に多少てこずるものの、殲滅。

見所:IxitxachitlのHold Person x50がライガに集中。それをウィンズがAnticipatory Strikeからの割り込みでWall of Ectoplasmを作成し、防ぐ。トゥースがItemとしてピラニアのSwarmを使用。Ixitxachitl x50を全滅させる。

Goristroを倒す前後ぐらいに、BalorとGithyanki Wizardがteleportで出現する。

○第三陣、Balor

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敵:Balor(60HD, CR42) x1、Githyanki Wizard(実際にはHalf-Fiendであった)(CR12) x1

結果:甚大な被害をこうむるものの、殲滅。

見所:BalorがHugeなことを誰もツッコまないところをみると、全員わかっていた模様。アリーナがメタを読み、BalorのWhipとVorpal Swordを破壊。(後述)一瞬の間にMassive Damageで3人も死亡。(後述)

アリーナの戦術は
・True StrikeをWandから使用し、Karmic Strikeでじっと待つ。
・相手の攻撃修正値がもっとも低くなる、複数回攻撃の最後にカウンターを合わせてSunderを行う。
・Balorは武器がない状態ではSlam攻撃しかできなくなるので、安心してボコる。
というもの。詳しい数値は省くが、(最善手であるとは言わないが)幾多の手を考えてもっとも勝率の高そうな手がこれだった。それでも、事前の成功率予測は五割程度。 

一つの賭けではあったが、なんとか成功し、BalorのWhipとVorpal Swordの破壊に成功する。その後順調にDamageを重ね、Balorのhpがあと200ぐらいというところで、トゥースの攻撃を受けたBalorがMassive DamageのSTで1を振って失敗し、即死。Death Throesが発生する。

トゥースのPLさんの名誉のためにも言っておきますが、全員に「倒していいかどうか」の事前確認はありました。

Death Throesを受けたのはアリーナ、ライガ&フウガ、トゥース、アジーム。全員、Damageでは死ななかったが・・・。

・アジームがRefSTに1で失敗。
・アジームはItem破壊チェックで1d4を振り、結果は4。一番重要なAmuletのSlotのItemが破壊される。
・アジームはさらにMassive DamageのSTで6以上で成功だったのが5。
・しかも、事前にアリーナのPermanencyでResistanceを1上げていたのに、はかったかのように1点足りない状態。
・トゥースもMassive Damageで1を振って死亡。しかも、トゥースはOutsiderなので、Revivifyが効かない。
と、甚大な被害が発生する。何がここまでグダグダにさせるのか。この世には不可解なこと多しである。

その後のRevivifyでアジームは生き返りはしましたが・・・。カラスの「もっと近くにいてくれれば助けられたのに」の一言で、ただでさえヒビの入っていた心が完全にぽっきりと折れるアジーム。翌日密かにLimited WishのScrollを書き、Forbbidanceの効いていない場所で使用してPlaneshiftをEmulate。「うわぁん」と逃げ出しましたとさ。まぁ、無理もありません。

次回以降、別PCで参戦とのことです。設定的には「このDemonwing内で捕虜として捕まっていた」とのことなのでItem関係は厳しそうですが、そこは百戦錬磨のPLさんですからなんとかするでしょう。

●Marilith Strikes!~襲来~
さらに間の悪いことに、Balorが倒れたと同時に今度はMarilithがTeleport outしてきた。(まあ、こちらの様子を伺っていた、というのが正確なところであろう)

Marilithは自分がDemon Crownを持っているといい、こちらに取引を持ちかける。曰く、Demon Crownは渡すから、Githyankiたちの死体と持ち物をよこせ、と。

万全の状態ならいざ知らず、二人を欠いて満身創痍の状態では48HD Marilithの相手は無茶を通り越して無理。ほぼ脅迫に等しいこの取引は飲まざるをえないのが現状であった。

何もできないのも癪なので、Marilithの去り際、いろいろ質問を投げてSense Motiveで顔色を伺うも、Bluff値が高いらしいMarilithの表情からは何も知ることはできなかった。MarilithはGithyankiたちを拾っていったのち、Demon Crownを地面においてTeleportで消える。

48HDなら、Skill Rankの上限は51になるわけで・・・。

Marilithとはいずれ対決せざるをえないが、まずはアジームとトゥースを生き返らせるのが先決である。ウィンズのPower Pointが尽きていて、Revivifyもできない状態だったので、まずはカラスがDweomer Of TransferenceでウィンズにPower Pointを渡す。次にウィンズがRevivifyでアジームを復活させている横で、カラスがRevive Outsiderでトゥースを生き返らせる。あとはDemon Crownを持って船頭のところへ行き、船の航行権を主張して正常な航路に戻させれば、当面の問題は片付く。

ここで第三回が終了。被害は甚大でしたが(主にMassive Damage関連)、なんとか勝てました。姿を消す(予定の)アジームの代わりを探す必要がありますが、「第一部がようやく終了」というところまできた状態です。Paladin in Hellは四部構成ですので、今後も激戦が予想されますけど。ちなみに経験値を計算したら、Balorだけで約9580万点のexpでした。6人で割った場合一人頭1590万ちょっと、LvUpしていたら、178になっていたところです。なんというか、なにかとても大切なものがだだ漏れている気がします。

P.S
以下はネタ。

1.PCたちのパーティ名は、「SOS団("世"界を"大"いに盛り上げるための"S"orril Venirの団)」

2.Sorril Venir卿は以下のように言ってPCたちを集めたらしい。「ただの冒険者には興味ありません。この中にAstral出身のExtraplanar、Time Portalを潜って未来からやってきたTime Traveler、Toril以外のMaterial Plane出身のPlane Hopper、Athas出身のPsionicistがいたら、私のところに来なさい。以上。」無論、左から順に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者である(謎)

3.ライガ&フウガは残念ながら(?)ブラック&ホワイトとかふしぎの星の姫ではなかった。いつの日か二神風雷拳を見せてくれるものと期待されている。

4.DemonのAdvanceの最大は、通常HDの3倍。つまり、DemonwingのDemonたちは赤かったり角があったりするのだろうか。 

5.Balorの武器を破壊する際のプロセスはまさに「陸奥圓明流 牙斬」だったりする。(相手の攻撃を冷静に受けきり、クロスカウンターを合わせ、その牙(武器)を斬る)Unarmed Strikeで行うのが再現性としてBestであるが、両手持ち武器と比較してSunder Attemptに-8の修正がくるので、やむ無くGreathammerを使用。

6.Vesment of Many Stylesの能力は、TPOにあわせた服装になれるというもの。つまり、「アダルトタッチで(以下略)」と変身する魔法少(以下略)。

7.NalfeshneeがSmiteを行った際のウィンズのセリフ(未確認)「あれを光らせてはいけない!あれは憎しみの光だーっ!」

8.トゥースは、「自分は先行偵察兵であってDamage Dealerではない」と主張するので、その主張を。意味を変えずに以下のように言い換えてみる。「ち、違うんだから!あ、あたしは先行偵察兵であって、決してDamage Dealerじゃないんだからね!」

9.対Balor戦は結果的に「HDの差が戦力の決定的な差ではない」ことを証明。

10.タイトルに深い意味はなし(謎)。

第4回レポート(Kiryuさんバージョン)

○ウィンズ:Female Human(Azurin?), Psion(Egoist)/Anarchic Initiate, CN(ECL13):後衛のAstral Constructor兼Intercepter。今回よりSoul Crystalを作成可能となったため、予備のPower起動用Crystalを大量に作成。電池切れがほぼなくなった。

○“書を守る者”カラス:Male Human?, Archivist/Fiendbinder/Thaumaturgist, TN(ECL14):後衛からOutsiderを使役する人。別件で早々に退出したが、今回ちょっとだけ奥の手を披露。

○“北斗の男”クロシャチ:Male Human?(dragonblood), Chaos Mnk/Sor/Enlighten Fist, CN(ECL13):Buff系前衛で特殊Attacker。事前にSpellでいろいろ強化する。新キャラ。とある事情でDevilに捕まっていたところをパーティに助けられ、同行を申し出る。

○シェイド・トゥース:Female Outsider(native?)/Shade, Rog/PsyW/Suel Arcanamach, CN(ECL13):"自称"先行偵察兵。今回はDamage Dealer兼Elementalistであった。

○ライガ&フウガ:Male Dvati/Half-Mino, Ftr/Rog(Variant)/Mnk(Martial)/PsyW/War Mind, LN(ECL14):Large SizeのOpportunist。今回はお休み。

○アリーナ:Female Raptoran, Clr of Mystra/Combat Medic/Spelldancer, NG(ECL14):Buff兼回復兼Tank。今回はライガ&フウガがお休みのため、Opportunistの役割も担う。


●一目出会ったその日から~○○に落ちることもある~
Demon Glass(Crownは間違い)を入手したPC一行は、それを持って船頭のGlabrezuに会いに行く。GlabrezuはDemon Glassを見るなり、「あなたたちが正式に船の制御権を得たものとして言うことをきく」と宣言する。現金なものである。

GlabrezuにNine Hells第五階層Stygia到着までの時間を確認すると、約3時間後と意外に早く着くことが判明する。到着後、一日が終わるにはまだ時間があったため、一旦第五階層Stygiaの都市、City of Iceと呼ばれる「Tantlin」に立ち寄ってみることにした。

Demonwingを降りる際にふと気がつくが、いつの間にかアジームが「捜さないでください」との書置きを残して姿を消していた。が、皆さほど気にした様子もなく受け入れる。

PC交代は前回セッション終了時点で既に決定事項でしたし、このあたりは詳細に描写しても詮無いことです。

PC一行は何か掘り出し物はないかと捜していると、Huge sizeのIce Devil(Gelugon)が人間(らしき)奴隷を売り出しているのに気がつき、カラスが仏心を出して身受けを申し出る。

よく見るとその奴隷の体は鱗が生えていたため、本当に人間かどうかは調べないとわからない状態ではあったが、皆あまり気にしていないようであった。カラスが交渉の結果、13,000gpだったところを6,000gpにまけさせる。Gelugonに金を支払った後、身柄を引き受け鎖を解き放ったが、助けだされた元奴隷(Gelugonは「混沌野郎」と呼んでいた)の様子が「なんとなくおかしい」と気がつく。具体的には目が虚ろ。が、パーティ面子はことごとくSense Motiveに失敗し、その原因まではわからない。

その後混沌野郎は突然SpellをCastして戦闘体制に入ったため、GelugonはFear Aura(DC 36)を放つ。Heroes' Feastを食していたPC一行と違い、Will STに失敗してPanic状態になる混沌野郎。Gelugonから逃げる方向にはアリーナがいたため、アリーナのAoOを引き起こすこととなった。アリーナはとりあえず取り押さえるためにGrappleを試みる。

ところが、混沌野郎はGrapple状態ながらもConcentration DC20+SpellLvを通し、Freedom of MovementをCast。するりとアリーナのGrappleから抜け出し、さらに遠くへ逃げようとする。アリーナのThreatenを横切ったため、AoOをさらに引き起こす。アリーナは今度はTripで転ばして足止めする。

いい加減グダグダし始めたところで、ウィンズあたりから「面倒だから殺してから生き返らそう」等の発言も飛び出す。アリーナは混沌野郎の体に鱗が見えたため、Revivifyで生き返るかどうか(Outsiderでないかどうか)不明だったため、その方法は取らない。

Nonlethalで気絶させるかどうか迷った後、Break EnchantmentをCast。が、このSpellのCasting Timeは1分であることがCastし始めてから判明。そうこうしているうちに、カラスがHealをかけて何とか正気に戻す。

正気に戻った混沌野郎は名前を「クロシャチ」と名乗り、パーティへの同行を申し出てきた。聞くところによると、Limboを旅していたときにGelugonにDominateされて連れてこられたらしい。「敵として登場し、一度戦った後パーティの仲間になる」という少年漫画のお約束が実現される。

無論、PL陣はクロシャチがDominate かThrallされているとわかっててやっている出来レースですが、クロシャチのPLさんとDMとの間で事前打ち合わせをしていなかったようで、かなりグダグダでした。

Sense Motiveに誰か一人ぐらい成功するだろうなどと期待してはいけない、ということでしょう。ちなみにアリーナはGoodなので、万が一(Revivifyが効かない)を考えると、殺して生き返らせるなどという割り切りはできなかったのです。ホントですよ?
あと、アリーナはBalor戦の際にFirborgにPolymorphしていましたが、日が変わっていないため、まだPolymorphが解けていませんでした。また、Improved GrappleやImproved Tripは持っていませんでしたが、AC的にAoOが当たる可能性はほぼないものとして戦闘オプションを使用しています。AoOは当たらなければどうということはないのです。

結局、Tantlinにある宿に宿泊するのは危険、ということでDemonwingまで戻ってくる。翌日は前日かけのSpellに費やし、翌々日に出発することにした。アリーナは空いた時間でいくばくかの買い物をすることに決め、カラス経由でカラスのメッセンジャーであるTrumpet Archonに買い物を依頼する。

依頼したのは、Archemical Silver Meteor Hammer +1(DR#319)(2,484gp)とHeal(5Lv)(1,125gp)のScrollを2枚。DevilはDRが抜けないとRegenerationしてしまう奴がいるのと(つまり、Pit Fiend)、今回ライガ&フウガがいないため、今回のアリーナは戦線構築型の役割を担えるようにする方向で調整しているためです。
あと、Meteor Hammerをペナなく振り回すにはExotic Weapon Proficiency(Meteor Hammer)が別途必要ですが、アリーナにはMaster's TouchのSpellがあるので何も問題はありません。アリーナにとってはぶっちゃけ、武器は何でもいいのです。
Master's Touch(Brd1, Wiz1):Spell Compendium掲載のSpell。Cast時に手に持っていた武器に対するProficiencyを得る。一度手から武器を離しても、Spellの効果時間内に再び手にすれば、効果は復帰する。

●河底400ft~Secret of River Styx's Blue Water~

氷の世界である第五階層Stygia。Styx河の河岸に氷山が浮かぶような場所である。その氷山の間を縫うようにDemonwingはStyx河の青い水の上を進んでいく。その船の上で、この第五階層StygiaとStyx河の対策についてPC一行は話し合う。
カラスの知識によると、
・Nine Hells 第五階層StygiaのPlane Trait
a.DivのSpellは正確な情報を返さない
b.Conj(Summon)は地元民(つまり、LE)優先で召還される
c.[Cold]のDescriptorを持つSpellはCLv+1
d.飛んでいると落雷に会う(電撃無効なら問題なし)

・Styx河のTrait
a.feeblemindのSpellを喰らったかのようにIntとChaが1となる
b.水に触れたCreatureは、直近8時間以内の記憶を喪失する
c.準備したSpell自体は失われないが、準備したSpellの名前を忘れてしまう(つまり、Cast時はランダムに選択する)
とのこと。

上記のNine Hells第五階層StygiaのPlane Traitは、本シナリオ独自のものも含まれています。セッション参加者の間では「Monte's Plane Trait」と呼んでいたりします。「Styx河は、2ndや1stに比べればぬるくなったなぁ」というのがベテランPL陣の総合意見でした。

これを踏まえて、ウィンズからAdapt BodyのSoul Crystalが全員に配られる。
その他、VigorのSoul Crystalも一緒に。

Soul Crystal(Psion/Wilder7):作成時に自分が知っているPowerを1種類指定し、同じく作成時のMLvの2倍までのPower Pointを追加で込めておくことで、他者にPowerをManifestする能力を与えるPowerです。効果時間はhour/level。
Adapt Body(Psion/Wilder5):「使用者の体を現在の環境に適合させる」ものです。実はStyx河のTraitは「環境」と定義されているため、Adapt Bodyを用いておけば、Styx河の水に触れても何も問題が発生しなくなるわけです。効果時間はhour/level。次元界の書には、「Styx河に住む生物がStyx河の影響を受けないのは、Styx河の環境に慣れているから」とあります。

そのうち、船頭のGlabrezuから、「着きましたぜ」との一言。が、周りを見渡しても氷山が見えるだけで、Nine Hells第五階層Stygiaから移動したようには見えない。Emirikolの話が正しいのであれば、Demonwingは「Nine Hellsの第五階層Stygiaと第六階層Malbolgeの狭間の階層に行ける代物」なはずなのである。 

そこで船頭のGlabrezuにきちんと確認したところ、Demonwingは「Nine Hellsの第五階層Stygiaと第六階層Malbolgeの狭間の階層"の入り口まで案内できる"代物」であるとのこと。このあたりきちんと説明しなかったEmirikolに対する、皆の信用度がまた一つ下がる。

Demonwingは対物理、対Planeともほぼ完璧な処理が施されているのであるが、結局船を下りて調査しないと先に進めない模様である。

Demonwingは周りをWall of Forceで囲われ、桟橋を出しているとき以外は外部からの攻撃を一切受け付けません。また、甲板はForbbidanceが張られているため、Teleportで乗り込むことも不可です。

念を押してGlabrezuに確認すると、現在Demonwingが停止しているX-Yの座標は間違いなく入り口の座標であるとのこと。つまり、Z座標がずれているわけである。空には何もないため、残る未到達地点はStyx河の中のみ。

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どうしようかと考えているところへ、Glabrezuが「このDemonwingには潜水艇がありますよ」と続ける。球体をしていて、側面には窓が、てっぺんには鎖がついている。大きさはMediumが4人乗れるぐらい(直径10ft程)で、魔法は一切使用されておらず、機械仕掛けで動作するらしい。球体の速度は横移動、潜行共に1roundで20ft。全力で移動すると1roundで40ft。操作は球体内部の機械で行うことが可能。浮上はDemonwing側で鎖を巻き上げて引き上げてもらう必要があり、その速度は横移動や潜行の半分。緊急時は緊急ボタンを押すとDemonwing内にそれが伝わる。逆に、Demonwing側に何かあった場合もその信号が伝わってくる。外部は小さな窓があり、(闇を見通せるなら)視線は通る。

幸か不幸か、今回はライガ&フウガは船室でずっと休息中で反応がない。また、トゥースは影の中に潜めるため、実質空間は占拠しない。残ったウィンズ、カラス、クロシャチ、アリーナは現在全員Medium sizeなので、問題は特に発生せず、全員乗り込める模様。カラスがBindしているHellcatはPortable Holeの中に入れておくことになった。

この球体は絵で見たほうが早いと思います。決して形状の描写が面倒とかではありません。PL陣はむしろその球体と一緒に映っているものにゲンナリしていましたが。言うまでもないですが、単にライガ&フウガのPLさんが都合でこれなかっただけです。ゲーム的にどうこうなっていたわけではありません。アリーナは実はこの日の朝からPolymorphしていましたが、Polymorph先がMedium Sizeだったのも幸いでした。

Styx河に潜ると、一度Spotを行った。Take10でSpot79を出したトゥースが、潜行位置より下に400ft、横に200ft程離れた位置に不審な個所を発見する。

X-Yの座標あってないやん!と皆突っ込みをいれつつ、目標の地点まで最短距離で進むことにする。が、潜って2round後、Demonwing船頭のGlabrezuから緊急信号があり、浮上を余儀なくされる。浮上すると、Colossal Sizeの巨大な烏賊がDemonwingに組み付いているのが判明した!

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○Maximum Advanced Kraken

敵:Colossal Half-Fiendish Kraken(60HD, CR29) x1

結果:多少のダメージを受けるも、PC側にあまり被害もなく殲滅。

見所:

DMから一言「前座だから」。

カラスのSpell(Truename?)で、Krakenが次元移動->元の位置に戻るをさせられ、結果的にKrakenは自分が向いている向きを見失う。この状態は「Disoriented」といい、状態異常ではないが(つまり回復できないしImmuneにもできないが)1Roundの間Actionが取れない、という状態である。

前座でColossalのKrakenでCR29ですかそうですか。ちなみにここでカラスのPLさんが所用で退場しています。

船頭のGlabrezu曰く、倒したKrakenはここら一帯のヌシ的存在であり、あとはFiendish Sharkがいるかもしれないがさほど脅威ではない、とのこと。PC一行は今度こそ、不審な個所へ潜水艇をすすめていく。


●君の名は~七年目の再会~
不審な個所へ到達すると、そこは氷山に空いた横穴であった。大きさは10ft四方で、潜水艇でも侵入可能なようである。その先に進むと、金属製の扉に出くわした。どうやら当たりのようである。トゥースがThird eye, Senseで捜索すると、まず扉の向こうは20ft四方の空間、底面に小さな穴があることから、排水施設の模様。突き当たりに扉があり、その先にはHuge sizeのDevilらしきものがいた。Know(plane)の判定で名前が判明したが、Horned Devil(Cornugon)であった。言うまでもないが、通常のCornugonはLarge Sizeである。ここは、Silenceを用いて排水の音を消去して近づくことで、Cornugonに不意打ちを行うことになった。 

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○第一陣、Horned Devil(Cornugon)

敵:Maximum Advanced Cornugon(Huge, 45HD, CR33) x1

結果:1round半で殲滅するも、相手に手番を渡してしまい、Telepathyで仲間を呼ばれる。

見所:ウィンズがTemporal Accelerationから、Sonic Energy Wall x4。

相手が動いた瞬間に170overのダメージを叩き込む。このCornugonに名前があったことを七年越しに知ってPL2名が驚く。

Gurdanskという名前。驚いた2名は第一回のAMCでこのあたりまでのエンカウンタを経験済み。ただし2版時代であり、またDMのカスタマイズが入念に入っているので原作とはまた異なると思うが:DM記

入った部屋には、入ってきた扉をのぞくと左向かい奥と右向かい奥にそれぞれ一つ、右側中央にもう一つ、10ft sizeの扉が配置されていた。天井については、部屋の床面から数えて20ftの高さの位置にDeeper Darknessの空間があり、天井までの高さは見通せなかった。ここから先、扉の向こうから、あるいはTeleportで次々とDevilが登場する。

 

○第二陣、Ice Devil(Gelugon)

敵:Maximum Advanced Gelugon(Huge, 42HD, CR29) x1

結果:1round半かからずに殲滅。被害は特になし。

見所:ウィンズがUse Magic DeviceからWall of Forceを出現させ、戦線の構築を安全地帯の確保を行う。Touch Attackでゴリゴリと削るクロシャチ。Natural ACは彼には無いも同然である。 

○第三陣、Bone Devil(Osyluth)

敵:Maximum Advanced Osyluth(Huge, 30HD, CR20) x1、

Maximum Advanced Kyton(Medium, 16HD, CR11) x20

結果:Osyluthは1round半かからずに殲滅。KytonはElementalが相手して時間稼ぎ。

被害はPCの精神的ダメージ以外は特になし。

見所:トゥースの奥の手の一つであるElemental.Greater召喚で、4つのElementalを次々と呼び出す。KytonはSTで1を出し、唯一の持ち物である鎖が破壊され、裸状態となる。Kytonは裸状態では狼狽させるGaze Attackしかできないので、裸でGazeを行う。

裸の男10人に一斉に睨まれたら、そら狼狽します。

この当たりから乱戦の様相を呈してくる。かなり広い部屋のはずが、Creatureで埋め尽くされてゆく。また、右の扉が開いていないことにウィンズが気が付き、Astral Constructに開けさせる。

 

○第四陣、Bone Devil(Osyluth) Wizard

敵:Osyluth/Wizard 14(Huge, 36HD, CR30) x1

結果:1round半かからずに殲滅するも、ボスをTelepathyで呼ばれてしまう。

被害は特になし。

見所:Prismatic Sprayを行うも、ウィンズのAnticipatory StrikeからのWall of Ectoplasmで防がれる。しかも、Sprayの色はGreenで毒。壁に毒ダメージを与えることとなった。

このOsyluthがTelepathyで味方に連絡していたのであろう。倒すのが遅く、結果的にこのフロアにいるほとんどのDevilを呼び寄せてしまったようだ。ボスの登場に備え、各人に緊張が走ると、程なくして部屋の上部のDeeper Darknessの個所からLarge SizeのPit Fiend、およびお供らしいWolfが登場する。

Pit FiendがHugeでないため、逆にPL陣は訝しんでいました。

○第五陣、Archduke of Pit Fiend(Amon) Monk

敵:Pit Fiend/Monk 30(Large, 48HD, CR50) x1、Fiendish Wolf(?)

結果:PC側は多少ダメージを受け、時間がかかったものの、殲滅。

見所:AmonのACは54。Atkは+57。Divが効かないことを逆利用し、クロシャチはTrue seeing持ちに対してMirror Imageで攻撃をかわす。Abundant step -> Sun School -> Quivering palmで即死攻撃や、Flurry of blows5発が飛ぶも、アリーナはそれらをすべてかわす。

Amon自体は3.5版のデータがないため、カスタムで作成したとのこと。にしても、Epic Monkですかそうですか。アリーナのACは74でした(Dodgeで75)。第二回以降、油断はしないと心に決めていましたので、準備は怠っていません。戦闘中、アリーナはAmonに向かって「なかなかやりますねー。」等、かなりいい度胸をしたセリフを吐いていました。決してナメていたわけではなく、知らなかった(Know(plane)の判定に失敗した)というプレイです。大きさもLargeでしたし。

超高Atkと超高ACのぶつかり合い。ターニングポイントはAmonがFlurry of Blowsをアリーナに打ち込んだときであった。Flurry of Blowsをすべてかわしたアリーナから、Robilar's GambitによるAoOが引き起こされる。内2発が命中し、Expert Tacticianによって1roundの間AtkとDmgに+4 Circumstance Bonusが味方全員にいくことになった。これを千載一隅のチャンスとして、トゥースとクロシャチが削り、Nonlethalダメージの蓄積で見事Amonを気絶させる!

AmonのACが高くて、味方PCの攻撃がなかなか当たっていない状態でした。AC54というのは、クロシャチは別として、トゥースがFlankしてd20で18以上、アリーナが同じくFlankしてd20で16以上でようやく命中です。負けるとは思いませんでしたが、もしアリーナがRobilar's GambitからのAoOを当てられなかったとすると、同round内のトゥースの攻撃も外れていたことになり(130ダメージほどだしていた)、実際の3倍以上の時間が掛かったかもと思っています。しかも、全弾かわされれば当たり前ですが、アリーナには二度と打ち込んでこないであろうことは想像に難くありません。そうなるとRobilar's Gambitは二度と発動できないため、ますます味方PCはAmonに対して攻撃を当てられないのです。「千載一隅」と表現したのはそのためです。

アリーナは相手のRegenerationを貫通可能なMeteor Hammerを持っていたため、Coup de GraceでAmonの止めを刺す。このフロアの敵ほとんどを倒したようなので、探索を続けることにする。

ここで第四回が終了。実際にはライガ&フウガやカラスを呼んでくる必要があるため、一旦Demonwingまで戻ることになります。
DM曰く「MMに掲載されているのは子供です。この世界では、MaximumまでAdvanceしないと成人できません。」とのこと。
もう何があっても驚きませんよ。にしても、この段階でArch Devilが出てくるのなら、最終回はどうなるやら・・・。

P.S

以下はネタ。

1.「Disoriented」になったKrakenが話せたとしたら。
な・・・なんなんですか?
ここ、どこですか?
なんであたし・・・
みなまでは言わない。 

2.潜水艇を見せられたときのPLの会話。
「これって第三艦橋?」
「それだと戻ってこれないから!」

3.AmonのFlurry of blows5発をすべてかわした様を例えるなら、修羅の門第三部、アリオス・キルレインが陸奥九十九にコンビネーションブロー5発を放つが、九十九はそれをすべて紙一重でかわしたシーンがイメージとして近いかも。

第5回レポート(Kiryuさんバージョン)

○ウィンズ:Female Human(Azurin?), Psion(Egoist)/Anarchic Initiate, CN(ECL14):後衛のAstral Constructor兼Intercepter。今回はPRがなく、かつSTされても効果があるPowerを連打していた。付け加えるなら、本日のダメージディーラーその1。

○“書を守る者”カラス:Male Human?, Archivist/Fiendbinder/Thaumaturgist, TN(ECL15):後衛からOutsiderを使役する人。本日はお休み。

○“北斗の男”クロシャチ:Male Human(dragonblood), Chaos Mnk/Sor/Enlighten Fist, CN(ECL14):Buff系前衛で特殊Attacker。事前にSpellでいろいろ強化する。本日はお休み。

○シェイド・トゥース:Female Outsider(native?)/Shade, Rog/PsyW/Suel Arcanamach, CN(ECL14):"自称"先行偵察兵。今回は本来のRog役の役割を担っていた。付け加えるなら、本日のダメージディーラーその2。

○ライガ&フウガ:Male Dvati/Half-Mino, Ftr/Rog(Variant)/Mnk(Martial)/PsyW/War Mind, LN(ECL14):Large SizeのOpportunist。噂のTome of Battleで大幅にパワーアップ。付け加えるなら、本日のダメージディーラーその3。

○アリーナ:Female Raptoran, Clr of Mystra/Combat Medic/Spelldancer, NG(ECL15):Buff兼回復兼Tank。そろそろ大人のDevilが打ち止めとの噂を聞き、Caster寄りに強化の方向を調整。が・・・付け加えるなら、本日の(後半は)ダメージディーラーその4。

とどのつまり、全員がダメージディールをする必要があった、ということ。

●そして誰もいなくなった~Who killed Cleric?(誰がClericを殺したの?)~
Amonを倒したことで、現在のフロア内の敵は一掃できたようだ。しばらく待ってみるも、新たな襲撃者が現れる気配がないことがその証左であろう。今後後戻りができなくなる可能性を考慮し、ライガ&フウガと合流した状態で先に進もうとする。そのためには一旦Demonwingまで帰還する必要があるが、まだリソースは十分残っていたため、帰還前にこの階の調査を行っておくことにした。

まずはトゥースのThird Eye, SenseからのClarvoyant senseで、この階の地図を作成する。

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いろいろと判明した点は以下。
・入ってきた最初の部屋(戦闘のあった部屋)の天井近くには梁がある。どうやらAmonはその梁を「歩いて」渡ってきた模様。(つまり、Flyで飛んだりTeleportしたりしてきたわけではない)
・さらに下の階層へ通じる階段あり。こちらは何があるか不明なため、その先への調査は一旦保留とすることにした。
・儀式を行うような礼拝場、そこには偶像が祀られていた。偶像に対してKnowledge(plane)の判定を行った結果、「Geryon」の像と判明。この像にObject Readingをかけることで、この像を作成したのが、「我々が倒したAmon」と犬顔のDevilの二人であることが判明する。そして、「本物のAmon」が犬顔であることも。どうやら我々が倒したAmonは影武者のようで、本物はまだ存命のようである。影武者Amonの強さを思い出し、全員に戦慄が走る。

Geryonとは、かつてNine Hellsの第五階層を統治していたが、現在は力を失って放浪しているArch Devilの1人です。その姿は、上半身が逞しい裸の人間の男性、下半身が蛇というもの。AmonはそのGeryonの副官なわけです。

・人間の死体があった。聖印を持っていたこと、およびその形から、Neheod寺院のクレリックではないかと判明する。また、Sensitivity to Psychic Impressionで調査した結果、死因はDevilたちの拷問であることが判明した。どうやらDevilたちの戯れで拷問にかけられ、いびり殺されたのであろう。

ちなみに、この拷問行為はDevilたちの趣味嗜好以外の何者でもありません。D&DではSpellを用いればそのような情報は簡単に取得可能なためであり、拷問などという不確実で時間のかかる手段を取る必要はまったくないのです。単にSpellで必要な情報を得た後、用済みとなったので暇潰しの末、始末されたのであろうと推測されます。

・宝箱を発見。中には、gpやppとともに、手紙が入っていた。Infernalで、内容は以下。

「Geryon、再び第五階層の主となる者よ。Crystal Valisを回収せよ。----Asmodeus」もしこれが事実なら、最後にはAsmodeusとの対決もありうる。

Crystal Valisの知識を辿ると、Nehoed寺院のHoly of Holysに安置されたMajor Artifactであると判明した。

ここまでで、半ば確信に近いある仮説が浮かぶ。

----今回の黒幕(≒Asmodeus)が用があるのはKrysandral卿(の魂)ではなくて、寺院にある、(正確には寺院の中のHoly of Holiesの中にある)、Crystal Valisなのではないか?---- 

寺院ごとTeleportさせたこと、および寺院関係者から情報を引き出したことなどはそれを裏付けるに足るものであろう。(無論、推測が外れている可能性はあるが)

ここまでの情報を整理し、アリーナがLimited WishからのEmulateでCommuneを試みる。

1.このダンジョンは2階より下があるか?
->Yes
2.現在このダンジョン内に生きたHumanoidがいるか?
->Yes
3.その中にGoodがいるか?
->Yes
4.その中にEvilがいるか?
->No
5.その中にNeheod寺院関係者がいるか?
->Yes
6.このダンジョンから、第五階層と第六階層の狭間の階層に行くことは可能か?
->Yes
7.現在我々がいる階層内に、狭間の階層に行くための重要なItemは存在するか?
->n/a
8.現在我々がいるのとは異なる階層内に、同様のItemは存在するか?
->Yes
9.問8.のItemを守るCreatureはいるか?
->Yes
10.それは犬顔のDevilか?(真Amonは犬顔)
->No
11.それ(=犬顔のDevil)はClass持ちか?
->No
12.このダンジョンにGeryonはいるか?
->Yes
13.このダンジョン内に我々に害をなす罠は設置されているか?
->Yes
14.狭間の階層からこのダンジョン、またはTantlinにPlaneshiftで戻ることは可能か?
->n/a
15.TantlinからTorilにPlaneshiftし、またTantlinにPlaneshiftで戻ってくることは可能か?
->Yes

実は、「経験値は足切りをされているわけではなく、単にLvUpが1つずつに制限されているだけ」とDMから説明されています。
とすると、
・第三回時点ではCR42のBalorをECL13の6人
・第四回時点ではCR50の(影武者)AmonをECL14の4人
で倒しているので、計算上3億点近くの経験値が入っていることになります。(両方に参加していた場合。ちなみに、仮にLvUpしたとするとECL770以上(!)に相当。)もう、経験値は空気のように消費される状態です。

そして、Communeの結果を受けて、ウィンズがPsionic Divinationで、
「このダンジョンを抜けるためにパーティがなすべきことは何か?」を問い合わせると、「力一杯全力で、敵に立ち向かえ」となんともわかりやすい言葉が返ってきた。一旦引き返し、再びSpellの前日掛け等の準備をしてから訪れることとなる。

このとき、うっかりミスでClericの死体を回収するのを忘れてしまっており、次にいったときにはもうありませんでした・・・。


●エレベーターアクション~Driven to the Wall(絶対絶命)~

2階へ降りる階段の奥に、Medium SizeのBearded Devilが2体。子供のようである。さらに10ft幅の通路を進むと、さらに奥にMedium SizeのBarbed Devilが3体。こちらも子供のようである。(特に語るような戦いではないので省略)

が、子供の戦いを聞きつけた大人のHorned Devil、およびBone Devilが登場する。

○Horned Devil(Cornugon)、Bone Devil(Osyluth)

敵:Maximum Advanced Cornugon(Huge, 45HD, CR33) x1

Maximum Advanced Osyluth(Huge, 30HD, CR21) x1

結果:かなりのリソースを消費するものの、殲滅。

見所:CornugonがAC75にd20で12の目(つまり、Atk+63)で当ててくる。影武者Amonより命中が高くてPL陣が驚く。アリーナがLimited WishからのMoonweb。これ以上はないという壁を作成。

CornugonがImproved Combat ExpertiseでAC50といったり、通路が10ft幅と狭く思うように戦線が構築できないこともあって、戦闘は一進一退となる。実はアリーナは今回Caster寄りに調整していたため、第四回よりACが落ちていたため、Tankにはなれない状態であった。代わりに壁作成や味方Buff、回復に走ることで戦闘に貢献する。

Moonwebが邪魔で戦闘継続を諦めたCornugonが何か操作レバーを操作し、Teleportで逃げる。トゥースがTrace Teleportで行き先を確認すると、エレベータであった。アリーナがその操作レバーを戻すと、「戻すな!」といってTeleportで戻ってきたので、戻ってきたところを殲滅。

エレベータの操作レバーは3本あり、
・左:行き先
上->2階、中->3階、下->4階
・中:タイミング
上->静止、中->即座、下->1R後
・右:戻り先
上->2階、中->3階、下->4階
の組み合わせで動作するようになっていました。
各階にはForbiddanceが張られているため、階を越えてはTeleportできないため、このような仕掛けがあるようです。ちなみに、このときアリーナにはAnticipate Teleportationを掛けてあったので、本来ならCornugonの到着が1round遅れるところだったのですが、PLが存在を忘れてました。

Spell等のリソースを消耗したので、激戦の予感を感じつつ、一旦戻ってから4階に進むことにする。

DMより、「18:15より開戦だから」との通知がでましたよ(笑)

●真(チェンジ!!)Amon~Geryon 最期の日~

4階では降りた途端戦闘開始なので、隊列を考える。そこで、アリーナとトゥースが召還したElemental3体がエレベータ経由、トゥース本人は影を伝ってDimension Door、Fissionで分身したウィンズがそれぞれライガ&フウガをDimension Doorで運ぶこととなった。アリーナたちがエレベータで降りてくる途中、Forbiddanceで多少のダメージを受ける。それ以外は妨害はなく、エレベータが降りきったと同時に戦闘開始。

アリーナがエレベータを降りると、目の前には人間が3人(Paladin、Cleric、Fighterの模様)、「Neheod寺院のために!」とか言っているので、彼らを守りつつ戦うこととなる。この段階でアリーナはPlanetarにPolymorphしていたので、「天使さまだ!」とか言われることに。

○Arch Devil's

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敵:Geryon, Arch Devil(Huge, 77HD, CR50) x1

True Amon, Arch Devil(Large, 22HD, CR24) x1

Half-Fiend Minotour, Blackguard(Large, 16HD, CR17) x4

Mind Flayer, Sorcerer(Medium, 17HD, CR17) x1

Erinyes, Cleric(Medium, 21HD, CR20) x1

Medusa, Wiz/Clr/Mystic Theurge(Medium, 20HD, CR21) x1

Beholder, Advanced(Large, 16HD, CR15) x1

結果:3round目頭で殲滅。

見所:Neheod寺院のNPCたちの行動は、「『私達も頑張るぞ!』と言いながらCure Moderate WoundsのPotionをがぶ飲みする」だった。

Minotourの攻撃に対してライガ&フウガやアリーナのAoOが入り、Minotourの手番中にMinotourが全滅。ErinyesとMedusaが、お約束どおりDeath ThroeのSpellで自爆。アリーナがGeryonにChargeしてDmg199点、お約束どおりGeryonはMassiveで1を振って死亡。

戦術的には、
1.Beholderをトゥースが最初の1roundで屠ったこと。
2.ウィンズがライガ&フウガを一気に奥まで移動させ、そのThreaten内に敵Casterを収めたこと。
が大きかったです。
特に1.でAntimagicの心配がなくなったことで、Buffなし状態でGeryonやAmonの攻撃に晒されることはなくなったのは特筆物でしょう。また、トゥースのBreathでGeryonがSTで1を振ってStunしたのも大きいといえます。絶対的なACを誇るアリーナ以外では、GeryonのFull Attackを受けきるのは厳しいと思われますし。あと、真Amonが影武者Amonより弱かったこともちょっとおどろきでした。

NPCに話を聞くと、彼らはやはりNeheod寺院の者で、Palがジャーノック、Clrがブラザーフルーレン、Ftrがボーレンと名乗った。Neheod寺院ハイプリーステスであるシスターサーラから脱出方法に関するクエストを命じられて探索中、Devilたちと交戦していたとのことである。彼らに道案内を頼み、いよいよNeheod寺院に向かうこととなる。

ここで第五回が終了。Geryonの武器を徴収したりしましたが、Unholyなので売れません。Goodなアリーナとしてはそのようなものは世に広めさせるわけには行かないのです。(ちなみに+5 Vorpal Unholy Battleaxe。市場価格288万gpのEpic Itemですが、買い取ってくれるところ自体はSigilとかいろいろあります。)他にもMirror of Life Trappingとか、扱いに困るものがいろいろでました。

P.S
以下はネタがないので、最終戦闘時のアリーナのとある数字を書いておきます。(98は間違いでした>参加者)
10+7+15+9+9+19+5+5+6+10+8-1=102
何の数字かは秘密。

第6回レポート(Lapinさんバージョン)

◆これまでのあらすじ
伝説的なパラディン、クリサンドラル卿の葬儀が行われていたNeheod寺院。葬儀の行われていたまさにその時に、寺院は何らかの強大な力でナインヘルへ転送されてしまった。 

葬儀に参列する予定だったパラディンのソーリル卿もまた、寺院とともに行方不明となった。ソーリル卿の友人であるPCたちは、かつてKrysandrel卿と共に冒険したと言うエピック・ワイルド・メイジのエミリコルの元を訪れ、Neheod寺院がナインヘルの第5層と第6層の中間に存在することを知る。PCたちは下方次元界を行き来する船にしてプレーンでもあるデーモンウィング号に乗って、Neheod寺院とともに消えた人々を救出へと向かう。

そして、ついにNeheod寺院を発見した彼らは、Neheod寺院を攻撃していたデヴィルの軍勢を率いていたかつてのLords of Nineの1人、ゲリュオンとその腹心アモンを打ち倒した。

しかし、ゲリュオンを倒したとは言え、寺院の中には既にデヴィルたちが入り込んでおり、寺院の中の人達が危険に晒されている。デヴィルの軍勢と戦っていたパラディンの話によると、ナインヘルに飛ばされ、デヴィルの軍勢に襲撃されたNeheod寺院は、まさに陥落しようかと言う時に、無くなったはずのクリサンドラル卿の霊(spirit)が現れ、デヴィルの軍勢を追い返したと言う。第5層からの軍勢を食い止めたクリサンドラル卿は、そのまま、第6層からの軍勢を迎え撃ちに行ったと言う。

しかし、クリサンドラル卿の霊がいなくなった隙に、寺院の中にデヴィルたちが侵略し、中にいる人達が危険に晒されている。PCたちは、彼らを救い、物質界へと連れ帰らなければならない。

◆PC紹介
アリーナ/ミストラの神官。以前はメディック、今は戦略魔術兵器。

ウィンズ/インカーナムなサイオン。自壊するコンストラクトを使うパーティの生命線。

カラス/天使と悪魔を使う召喚師。猫使い。

トゥース/ステルス強襲爆撃機。もとい、偵察機。

ライガ&フーガ/60フィートリーチで戦線をコントロールする前衛。でも、《強打(Power Attack)》はない。

クロシャチ/ナインヘルで虐められていたところをパーティに買われた亀。もとい、手数で勝負の魔闘家。

◆今回のお話
トゥースがNeheod寺院を偵察したところ、確認された要救助者は以下の通り。
1)拷問部屋と思しきところに大勢が繋がれ、インプに虐められている。人の数は17だが、息があるかは不明。
2)コルヌゴン(子供)とオーガ・メイジ3体に連れられているのが3人。
3)溶岩の中にそびえる柱の上に囚われ、ピット・フィーンド(子供)に虐められているのが3人
というわけで、パーティも3カ所に分けて強襲する。

ちなみに馬小屋ワールドでは、MMに載っているデータは全て子供のもので、上限まで強大化して初めて大人になる。

1)インプとウィンズ
インプのいる部屋にはウィンズが向かう。ところが、ここにはステンドグラス・ゴーレムが3体いた。ウィンズ危うし。なんてことはなく、インプとゴーレムを片づけて、人質を救出し、ウィンズが事前に作っておいた安全地帯に送り込む。残念ながら、囚われていたうちの数人は既に事切れていた。

2)ブラッドメイガス
アリーナ、トゥース、クロシャチはコルヌゴンとオーガメイジのいる部屋へ。実は、このオーガメイジはウォーメイジ1/ブラッドメイガス10という素敵な子だった。部屋中を血が飛び交うが、3ラウンドで終了。人質を救出する。

3)メテオスウォーム
ピットフィーンド(子供)の部屋には、カラス、ライガ&フーガ、それにNPCパラディンが向かう。ピットフィーンドはメテオスウォームを撃つが、まともに当たってもカラスに10点、パラディンに12点しか入らない。その事実に皆で涙する。
とはいえ、人質が巻き込まれても困るので、割り込みで疑似呪文能力を使えなくして、パラディンが始末する。パラディン、強ーい。その後、懇々と湧き出る聖水をなんとか枯れさせようと、

ハマチュラ(子供)が必死になってスコーチングレイを打ち込んでいるのを観て和んだり、クロシャチがゴーレムと指しで挑んだり、ライガ&フーガがスティクス川で釣れたルモアハズ(大人)を調理したり、ご無体な拷問道具に閉じ込められた人を助けたり、エリュニアスに騙されていたドワーフを助けたりしたのち、Holy of Holiesと呼ばれる寺院の聖域で生残りの人々を救出する。

そこには、高レベルクレリックのシスター・サーラとブラザー・オリアドもいた。そのブラザー・オリアドの様子がおかしいことから問いただしたところ、今回の事件の顛末が明らかになった。 

ブラザー・オリアドはエルフのロヴィアスという恋人がいた。彼女はこの寺院には、聖なる場所には相応しくないものがあるといい、それを取り除くのに協力して欲しいと彼に頼んだ。ブラザー・オリアドはロヴィアスに頼まれた通りに手配し、クリサンドラル卿の葬儀にまぎれて寺院にやってきたロヴィアスがある儀式をしたところ、Neheod寺院がナインヘルに転送したのだと言う。

その後、ブラザー・オリアドはロヴィアスがアスモデウスに使えるものだと言うことを知るが、恋に生きることを選んだ彼は、クレリック堕ちし、ロヴィアスが目的を遂げて迎えにくるのを待っていたと言う。 

彼の処遇はこの窮地を脱してから決めることにして、ロヴィアスがいると思しき場所へ向かうことにする。ちなみに、ソーリル卿はもう一人の高レベルクレリック、ブラザー・リーカルとともに、大人ピット・フィーンドを退治しに向かって戻って来ていないとのこと。

そして、決戦。

敵は・・・
大人ピットフィーンド
大人コルヌゴン
大人ヘルキャット*4
ロヴィアス(Wiz5/Clr5/Mystic Theurge10)
20レベル・ファイター
アスモデウス(神格ランク無しのアヴァター)
と、大盤振る舞い。この戦闘は短かったので、ダイジェスト。

1ラウンド目

・アリーナが色々とタイムストップから色々と技を使う。詳しくはKiryuさんが解説してくれるでしょう。とにかく、これにより、半径40フィートのenergy transformation fieldが張られ、7レベル分のエネルギーがたまると術者レベル49のホーリー・ワードが飛ぶようになる。ちなみに、パーティはenergy transformation fieldにグレーター・スペル・イミュニティが掛かっているので影響を受けない。

・トゥースは前に出て来た大人ピットフィーンドにチャージして、44d6+αのダメージを与える。 

・アスモ君はライガ&フーガを攻撃しようとして、危うくenergy transformation fieldを発動させようとしてドキドキする。

・カラスはupdraftでジェット噴射で宙に飛び、シェアしていた猫も一緒に空へ飛ぶ。猫はそのまま大人コルヌゴンにダイブアタック。続けて、カラスの呼んだ大人ヴロックがロヴィアスを攻撃。ロヴィアスが死にかけると同時にコンティンジェンシーが発動してしまい、トリガーされた呪文がenergy transformation fieldに吸収されてホーリーワードが炸裂。20レベルファイターとヘルキャットが全滅する。

・大人ピットフィーンドはアタックロール130を出して、PLを吃驚させる。

・同じく、大人ピットフィーンドは攻防一体強化でACを94まであげるが、クロシャチに20で当てられる。 

・大人ピットフィーンドはライガ&フーガ、トゥース、クロシャチらがダメージを与え、残りHP10まで削る。・・・削ったところで、カラスの呼んだblack rock triskelionが止めを刺しちゃった。 

・アリーナが大人コルヌゴンをダガーで殴る。クリティカルしてダイス目の合計は26。ダメージは336。トゥースとは全く逆のスタイル。コルヌゴンはマッシヴのセーヴで1を出して死亡。 

・ちなみに、アスモ君の死に様は、セーヴで1以外で成功のところを1を出して失敗して死亡。

振り返ってみると、1で死ぬことの多いキャンペーンでした。特にマッシヴ(大規模ダメージ)で1を振ることの多いこと。


◆エピローグ
晴れて、ボスを倒し、Neheod寺院が物質界へ戻ろうと言う時のこと。クリサンドラル卿の霊を迎えに行くと・・・数千ものデヴィルをクリサンドラル卿が打ち倒していた。卿は答えた。「私は既に死んだものだ。私のことは構うな。それよりも、生きているものたちの為に、寺院をもとあるところへ戻してやってくれ」格好いい! 初めて、真のパラディンを観ました。パラディンと言えば、普通は敵の手に囚われて、お姫様よろしく助けられるのを待つのが仕事だとばかり思っていましたよ。

ちなみに、クロシャチは「まだこんな修羅がいようとは」と言って、その場に残って戦い続ける道を選ぶ。彼は思想とかそう言うのではなく、単に修羅なため。

物質界へ戻ると、エミリコルの使いがやってくる。で、エミリコルに、彼の本当の狙いは何だったのか尋ねてみたところ・・・Neheod寺院にはエミリコルとクリサンドラルが若い頃にアスモデウスのところからぱちくってきたあるアーティファクト(Valis Crystal)が隠されているらしい。実は、エミリコルは他のデヴィルにそれを売ろうと考えていたらしい。しかし、Valis Crystalを狙うアスモデウスに先手を取られてしまったらしい。

クリサンドラル卿亡き今、Valis Crystalはエミリコルに渡すにしても、下手なデヴィルに売られても困るので、“とりあえずは直ぐに実害のなさそうな”アスタロスにしてねと言っておく。また、デーモンウィングについては、目出たくエミリコルから譲り受けることになった。

こうして事件は解決した。その後、クロシャチがどうなったかは知らない。今も、何処かの戦場で戦っているのかもしれない。アリーナは馬小屋ワールドのどこかで降り、安住の地を定めたらしい。もし、彼女に会いたければ、馬小屋ワールドにいくといい。運が良ければ会えるかもしれない。

そして、ウィンズ、カラス、トゥース、ライガ&フーガはデーモンウィングに乗って、今も下方次元界を巡っている。もし、君が下方次元界を旅する時、運が良ければ、あるいは運が悪ければ、スティクス川を渡る不気味な船(の形をしている)を観ることが出来るかも知れない。

第6回レポート(Kiryuさんバージョン)

○ウィンズ:Female Human(Azurin?), Psion(Egoist)/Anarchic Initiate, CN(ECL16->17):後衛のAstral Constructor兼Intercepter。無限に近い経験値とBend Realityで、6Lv以下のあらゆるPowerを使用可能になった。最終決戦直前ではさらにすごいことに。

○“書を守る者”カラス:Male Human?, Archivist/Fiendbinder/Thaumaturgist, TN(ECL16->17):後衛からOutsiderを使役する人。いまだその底は見えず。最後は初心に帰って猫使い。

○“北斗の男”クロシャチ:Male Human(dragonblood), Chaos Mnk/Sor/Enlighten Fist, CN(ECL15->16):Buff系前衛で特殊Attacker。事前にSpellでいろいろ強化する。LvUpで大幅パワーアップ。"男子三日会わざれば克目して見よ"を体現する。

○シェイド・トゥース:Female Outsider(native?)/Shade, Rog/PsyW/Suel Arcanamach, CN(ECL16->17):"自称"先行偵察兵。とうとうSpotはTake10で80を超えるようになった。彼女にとってIllusionは無いも同然である。

○ライガ&フウガ:Male Dvati/Half-Mino, Ftr/Rog(Variant)/Mnk(Martial)/PsyW/War Mind, LN(ECL16->17):Large SizeのOpportunist。引き続きTome of Battleでさらにパワーアップ。今回はManeuverも駆使して活躍する。

○アリーナ:Female Raptoran, Clr of Mystra/Combat Medic/Spelldancer, NG(ECL17->18):Buff兼回復兼Tank。今回はパーティのBuffをさらに強化。パーティの防御力の要となる。

泣いても笑っても遂に最終回。結末は果たして?

Paladinのジャーノックからこれまでの経緯を聞いて状況を整理する。ジャーノックはPaladin5/Pious Templar10で、Shock TrooperとDivine Might等を持っており、ItemはBelt of Magnifience +6を持つなど、堅実でそれなりの強さを誇っているが、とある事情からArmorとShieldは借り物だという。

DMからキャラシーを渡されました。AC以外はなかなかのものがあり、Damage Dealとしては十分な働きをしてくれそうでした。実際は予想以上だったわけですが。

そして、これまでの顛末を語ってくれたのである。

●回想~Neheod寺院 電撃作戦~
Neheod寺院は半球形の本殿、および両側に立つ円柱型の塔から成り立つ。Neheod寺院がNine Hellsに飛ばされてきたのは、その本殿の中央にある大ホールで葬儀が行われている最中であった。そして、葬儀のタイミングを待っていたかのように第五階層のGeryonが率いるDevilたちの軍勢が攻めてきた。

そのとき、ジャーノックを含む冒険者(つまり、戦闘ができる)の葬儀参列者はArmorおよびShieldを外し、Neheod寺院のしきたりであるGreenの服を着ていたため、武器とMagic Itemだけを装備した状態であった。ArmorとShieldが無い状態ではろくに反撃できなかったことと、Devilの侵攻があまりにも素早かったこともあって、電撃的な速さで両側の塔が陥落したことは止むを得ないところであろう。

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そしてGeryonたちが大ホールを超え、その先のHoly of Holiesと呼ばれる場所に侵攻しようとすると、そこに安置されていたKlysandral卿の遺体から卿の霊(Spirit)が現れ、なんとGeryonたちの軍勢をあらかた殲滅し、Geryonを追い返したのである。 

しかしGeryonを撃退したのもつかの間、今度は第六階層からもDevilが侵攻してきた。その数、数千以上。それを見たKlysandral卿の霊は第六階層の軍勢を討ちに出向いていったらしい。

だが、すべてのDevilが殲滅されたわけではない。残存勢力がいまだNeheod寺院を攻め立てている。寺院にはシスター・サーラ、ブラザー・オリアド、ブラザー・リーカルという3人の高LvのClericがおり、必死の抵抗を試みているが、強大な敵を前にいつまでも持つものではない。陥落するのも時間の問題であろう。ジャーノックはシスター・サーラに命じられ、出口を探すクエストの途中でGeryonたちと交戦し、そこをパーティが通りかかった、というのがいままでのところである。こうしている間もNeheod寺院はDevilの侵攻を受けているのである。一刻も早くNeheod寺院に向かわなければならない。

これでDevilたちの目的が、Klysandral卿ではなくNeheod寺院のHoly of Holiesに(おそらく)あるCrystal Valisであることが裏付けされました。Klysandral卿はとばっちりを受けたわけです。また、これよりタイムリミットがスタートしました。いままでのように前日にSpellをかけて、などと悠長なことはできない状態です。

●逆襲~事件は現場で起きていた~

Geryonを倒した日から2日後が出発の日となった。前日1日を買い物等の準備に費やし、整えられる限りの装備を整えてから出発する。無策に突っ込んで返り討ちにあうことだけは避けねばならない。

今回、アリーナからパーティ全員にDivine Wardが飛ぶ。これによってMagic Circle against EvilやFortunate Fate、Spell Immunity,Greater等が全員に付与されることとなった。

Divine Ward(Feat)
PHB2掲載のDivine Feat。自分以外の誰かを指定して儀式を行うと、以後24時間、その対象へのTouch SpellはClose RangeのSpellとして扱えます。Turn Undeadの使用回数を追加で使用することで、対象の数を増やせます。Close Rangeにすることで、Touch SpellにもChain Spellが適用可能となりますので、Spell1つで全員に付与可能なわけです。

その他、Energy Immunityを全員に配る際にジャーノックに「どのEnergyが一番遭遇頻度が高かったか?」と聞くと、「Fire」との回答だったので全員Fire Immuneにしておく。 

Neheod寺院の近くまで寄った後、トゥースがThird Eye, Senseで寺院を偵察する。すると、大ホールとそのまわりの各部屋の状況が確認された。

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詳細は以下のとおり。

1.Tiny Impが3体。拷問部屋のようで、17人が壁に鎖で繋がれている。生死は不明。

2.Medium Barbed Devil(Hamatula)が3体。

3.Large Horned Devil(Cornugon)が1体、Ogre Mageが4体。物置のようで、3人が物探しをさせられている。

4.赤いピラミッドが中に浮かんでいる。敵影は見えず。

5.Mature Adult Blue Dragonが1体。

6.武器庫。敵影は見えず。

7.Gargantuan Remorhazが1体。

8.Huge Blood Golemが1体。

そして大ホールでは

9.Large Pit Fiendが2体。まわりが溶岩となっており、中央に柱のようなものがたっている。その柱の上に檻があり、中に4人閉じ込められている。

左右の塔にそれぞれ

10.Erinyesが1体、Dwarfが1体。

11.Huge Pit Fiendが1体。

 

人質救出を最優先する必要があり、またその場所には、大人ではなさそうではあるが何体かの敵がいる。複数の箇所に分かれているため、パーティを

1.Tiny Imp
ウィンズ。

3.Large Horned DevilとOgre Mage
アリーナ、クロシャチ、トゥース。

9.Large Pit Fiend
カラス、ライガ&フウガ、ジャーノック。

と分割して同時強襲することとなった。

ウィンズからMindlinkが飛び、全員が無音で意思疎通しながら各地点に接近する。

なかなか絶妙な分割となりました。壁作成が可能なキャラ(ウィンズ、アリーナ、カラス)と、Damage Dealが可能なキャラ(クロシャチとトゥース、ライガ&フウガとジャーノック)がそれぞれに配置されています。(ImpはDamage Dealがいなくても問題ないでしょうし)この分割がすっとできるのが、このパーティの強みだなぁと思います。

○Imp
部屋の大きさは、縦30ft x 横80ftほど。一方に扉があり、人質はそれ以外の壁側に磔にされている。Impは、その壁に磔にされた人質にNonlethal Damageを与え、拷問をしているようであった。

作戦は、
1.Temporal Accelerationで時間停止
2.時間停止中にImpと人質の間にSonic Energy Wallを(Imp側に向けて)作成
3.Impがダメージを受けている間に人質をPsychopotive Shelterに逃がす
という手はずであったが、Impが自分の手番で扉のそばの何かのスイッチを入れると、天窓のStained Glassが変形し、Stained Glass Golemが3体登場してしまう。が、それでも特に問題はなく、Energy Wallのダメージを両側から食らってImpとStained Glass Golemは倒れていった。

Energy Wall(Psion/Wilder3)
Expanded Psionics HandbookのPower。Fire, Cold, Electoricity, SonicからTypeを選択します。この壁には内側と外側があり(Manifest時に選択可能)、外側は壁から10ft以内は2d6、20ft以内は1d6のダメージを受けます。(内側は触れない限り問題なし)今回ウィンズは20ftの間隔で平行に壁を作成し、どちらもImpやStained Glass Golemのいる側を外側にしたため、どちらの壁の方向に移動しても結局同じダメージを受けることになったわけです。

人質は残念ながら17人中5人がすでに事切れていたが、ウィンズは残りの人質を誘導した後、大ホールに向かう。作戦所要時間:(実質)3round

○Cornugon、Ogre Mage
部屋の大きさ、つくりはImpの場所とほぼ同じ。扉の近いほうにCornugon、奥側にOgre Mageがおり、部屋の最奥で3人が何かを探している。Initiativeでは3人全員が敵より早かったため、アリーナが人質3人をForcecageで守ったのち、殲滅することとなった。

アリーナがForcecageをCastしようとした際、そこはOrge MageのThreaten内だったのですが、
アリーナ 「Defensive Castなんてしませんよー(といいながら、本当にDefensive Castしない)」
Orge Mage 「お前は危険な女と聞いているから、手を出して(AoOして)やらない」
アリーナ 「いけずですねー」
というやり取りが行われたことを記しておきます。

ところが、敵のOrge Mageは実はWarmage1/Blood Magus10であり、Quicken True StrikeからのAwaken Blood(Melee Touchで10d10)、またはBloodwalkによってパーティ(主にクロシャチ)にダメージを与えてくる。(Awaken Bloodに関しては、アリーナは当たらないだけのACがあり、トゥースはそもそも当たる位置にいない)

この攻撃は予想外だったので、びっくりでした。

クロシャチに1回Healがとんだこと以外は、3round目の頭には特に問題なく殲滅する。ただし、Ogre MageはRegeneration持ちなので実際には死んでいない。クロシャチはFireで攻撃可能なので、1roundで1体ずつOgre MageをCoup de Graceで屠っていってもらうようにする。その間にアリーナはForcecageを解除し、人質の誘導をクロシャチに任せながらトゥースとともに大ホールへ向かう。作戦所要時間:3round

○Pit Fiend
部屋は100ft四方以上ある、非常に広い部屋である。正面には20ftほどの入り口があるが、これはWall of Forceで仕切られている。部屋の奥の方はホールよろしく上に向かってせりあがっており、地面は途中から溶岩の海と化している。内部にはForbiddanceが張られているであろうが、Spell Immunity,Greaterがあるので仮に張られていたとしても特に問題とはならない。 

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カラスがWall of Forceを消したあと(Concordant Opposition?)、ライガ&フウガとジャーノックが突入するが、結果は予想を遥かに超えるものであった。なんと、Pit Fiendの片方にジャーノックがCharge、SwiftでRhino's RushをCast、Power Attack全開でSmite Evil、Divine Mightつきで行うと、それがCriticalして230overのダメージ。Pit Fiendを一撃で屠ったのである!

カラスがStorm of Towerで人質がPit Fiendからの攻撃にさらされないようにした後、もう片方のPit FiendはMeteor Swarmをうってきた。しかし、全員Fire ImmuneになっているためにBlugeoning Damageの2d6しか入らない。そのもう一体も、カラスのScramble True PositionでAction不能にされた後、ジャーノックにとどめを指されることとなる。

いやー、いまさらですがPaladinって強いですねぇ。あと、Meteor Swarmの弱体化ぶりにはDM、PL共に涙を禁じえません。

作戦所要時間:6round(うち3roundは敵がAnticipate Teleportationで時の狭間にいた)

Pit Fiendを倒した段階でまわりの空気に変化が発生し、通常のMaterial Planeのものになった。どうやらNeheod寺院を転送した力が失われつつあるようだ。敵を減らせば寺院は元の世界に戻るようなので、残りの部屋も掃討しておくことにする。

○Hamatula
トゥースが近づいて観察すると、部屋の奥では滾々と聖水が湧き出る泉があり、HamatulaはそこにSchorching Rayを撃ち込んで一所懸命蒸発させようとしているらしい。そのいじらしさにホロリとさせられる。

今回の萌えポイント(笑)

適当に全滅させて終了。ついでに隣のCornugonの部屋をトゥースが調査すると、何かの欠片1/3を入手する。Knowledge(religion)で調べると、どうやらNeheod寺院製のCrystalでできた聖印のようだ。なんらかの重要Itemやも知れないため、確保しておくことにした。念のため、今まで入った部屋にないかどうか確認すると、大ホールの溶岩の中からさらに発見された。

○Blood Golem
このGolemには、クロシャチが一人で向かうこととなった。何故なら、出発前の買い物で唯一Golem BaneのScarabを買っていたからである。しかも、この一人というのが功を奏した。このGolemはStandard ActionでWhirlwind Attackをしてくるのだが、相手が一人では通常のAttackと差はないからだ。

DMはしょんぼりしていました(笑)

突入後1roundで殲滅。そして、Golemから聖印の最後の欠片が発見される。これで何かが起こるのか、と思ったら何もなかった。どうやらこれは本当に唯の聖印のようである。

この聖印を完成させることで、寺院を清める効果がある。ただ、PCたちはこの時点でかなりのデビルを屠り、生存者を助け出していたので聖印の効果がポイントに反映されなかったのだ。

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↑悪魔の妨害にも関わらず、聖印を完成させるPCたちの図

○Remorhaz
クロシャチがGolemを一人で1roundで倒したので、「(大人とはいえ)Remorhazも1roundだよね」とクロシャチからライガ&フウガに話が振られる。その話にライガ&フウガはのることになり、退治に向かうが、実際にはクロシャチとアリーナが付いていくことになった。

クロシャチは1roundで倒せなかったらからかうため。アリーナは何かあったらまずいから。両者はその目的は違ったことを記しておきます。

問題なく、突入後1roundで殲滅。なお、後にRemorhazに飲み込まれた人がいるらしいことを聞きつけ解体してみたら、胃袋から遺体がでてきた。先に気づいていれば死なせずに済んだのに、と悔やまれる。

結局はウィンズのRevivifyで生き返りました。そのまま消化されるよりはずっとまし、とは言えるでしょう。

○赤いピラミッド

部屋の中央に台座があり、その中央に直径3ftほどの赤いピラミッド型の物体が2ft程浮いていた。ここで皆がListenすると、どこからかうめき声が聞こえてくる。トゥースが音源を聞き分けると、どうやらピラミッドからのようであった。

Arcane Sight,Greaterがかかったアリーナがピラミッドを見ても、ピラミッドを浮かせるSpell以外には何もかかっていないと判明する。とりあえずでカラスがDispel Magic,GreaterでピラミッドにかかったSpellを解除してみると、ピラミッドは単純に重力に従って床に落ちた。

このときまた悲鳴が聞こえたため、ピンときたトゥースがピラミッドを破壊すると、中から折りたたまれた、拷問器具をつけた人間がでてきた。出てきたときには瀕死の状態であったため、Healをかけて回復させる。

器具を外して話を聞くと、どうやらずっとピラミッドに閉じ込められ、拷問されていたようだ。この悲鳴はHoly of Holiesの方まで響くほどで、生存者に同胞の悲鳴を聞かせて士気を挫くことが目的のようであった。どうもここのDevilは拷問という手段が好きなようである。

この段階でNeheod寺院の空気がまた変化する。具体的には、大ホールの溶岩が消滅して通常のホールになったり、Plane Traitが通常のMaterial Planeのものになった。Neheod寺院は今Material Planeと同じ状態となっていることになる。

このギミックはAD&D2ndだとClericのCast可能なSpellLvに大きくかかわるため大変重要なものですが、3.0E以降だとそのようなルールが無いため、それほどではありません。(無論、Conj(Summon)やDivのSpellは影響されるので、無影響というわけでもありませんが)

残るは陥落した塔二箇所のみ。大人Pit Fiendは危険なため、もう片方を進む。すると途中でGhost(Wraith?)がいきなり襲い掛かってきたが、トゥースが殲滅する。Greenの服を着ていたことから、元は寺院関係者なのであろう。

DMからネタばれがありましたが、もし寺院をMaterial Plane状態にしていない場合、そこで死んだUndeadは魂の行き場所がない状態なので、永久に輪廻の輪から外れて消滅してしまうそうです。

今は少しでも時間が惜しいため、先に進むことにする。

○Erinyes、Dwarf
扉の向こうをトゥースが探ると、ErinyesとDwarf、さらになぜかBebilithが1体ずつ。ジャーノックに確認するとDwarfのことは知っていたようで、MoradinのClericのはずとのこと。

聖印を確認すると確かにMoradinであり、十中八、九、CharmかDominateかThrallの類であるが、万が一としてEvilに転んだEx-Clericの可能性もある。あまりうまくまとまらないまま、戦闘に突入する。 

・アリーナからDivine Metamagic(Chain) Purify Maximized Reciprocal Gyreが飛ぶ。ErinyesはCasterだったらしく、それなりの数のSpellをかけていたために33d6のMaximizeで198点ダメージをうけ(FortST失敗)、さらにWillSTも落としてdaze状態となる。DwarfはGoodだったらしくNo Damage。DevilにはSpellがかかっていなかったようでこちらも無傷。

DwarfのAlignmentが不明でしたが、いずれにしろGoodはNo DamageとなるからCastを決行した次第です。また相手がEvil Outsiderの場合、Purifyだと武器のDamage Diceのシフトと同じことが発生します。元が1d12なので、3d6に上がるわけです。ちなみにこの時、Reciprocal Gyreの効果は「Spell数の合計/1d12」のところを「SpellLvの合計/1d12」と勘違いしてしまっていました。すみません。まあ、体勢に影響を及ぼすほどではないですけど。

・カラスが使役するArchonが、Protective Auraを発動させ、Magic Circle Against Evilの効果でDwarfを正気に戻す。

・クロシャチがErinyesを殴って倒すと、Death Throeで自爆。あおりを食ってDwarfが死亡するも、ウィンズのRevivifyで生き返る。 

・残ったBebilithは適当に処理。

 

残るは大ホールの奥、Holy of Holiesと呼ばれる、この寺院で最も聖なる場所だけである。残りの生存者はそこで抗戦を続けているはずであり、今回の事件の核心の情報もそこで得られるだろう。なお、Blue Dragonと武器庫は時間がないのでスルーしたことを付け加えておく。

●Nine Hellsの狭間でアイを叫んだケモノ~Nine Hellの長い一日~
Klysandral卿の遺体が安置されている、Holy of Holiesの場所へ向かう。階段を上がってHoly of Holiesに近づくと、ものすごい聖なる力が感じられる。名に恥じない効力があるのであろう。

Evil相手にはいろいろ効果があるそうで、通常は入ってこられないとのことです。

果たして、そこには大勢の人がいた。やはりここが最終防衛線なのであろう。総勢20名以上おり、その中にはシスター・サーラとブラザー・オリアドもいた。

が、そのブラザー・オリアドはそれとわかる残念そうな表情を浮かべたのでいろいろ問い詰めたところ「大事な人が傷つくので言えない」の一点張り。仕方がないので、Probe Thoughtsで思考を読むこととなったところ、今回の事件の原因部分が明らかになった。

ブラザー・オリアドはElfのロヴィアスという女性とごく自然に恋に落ちた。
(SpellやMagic Itemで言うことを聞かせたわけではない、ということです。)暫くして、ロヴィアスはブラザー・オリアドに「Holy of Holiesには、その名に相応しくないものが安置されている」といい、それを取り除くのに協力して欲しいと依頼してきた。ブラザー・オリアドはロヴィアスに頼まれた通りに手配し、Klysandral卿の葬儀の際、紛れて寺院に侵入した。そしてロヴィアスがある儀式をしたところ、Neheod寺院がNine Hellsの現在の場所に転送されてきたのは周知の事実。その後ブラザー・オリアドは、ロヴィアスがAsmodeusに使えるものであり、その目的が善なるArtifact「Crystal Valis」の奪取であることまで知るが、結局Cleric堕ちまでして恋に生きることを選び、ロヴィアスが目的を遂げて迎えにくるのを待っていた。

――――――

つまり、ブラザー・オリアドは自主的に悪の行為に加担していたのである。「恋は盲目」とはよく言ったもの。げに恐ろしきはロヴィアスか。

彼を断罪するのは容易いが、それでは問題は解決しない。彼の処遇はこの窮地を脱してから決めることとして、ロヴィアスがいると思しき場所(おそらくは大人のPit Fiendがいる場所)へ向かうことにする。

なお、シスター・サーラにブラザー・リーカルとSorril卿のことを聞くと、2人は大人のPit Fiend討伐に向かい、そのまま戻ってきていないとのことである。この状況では救助隊も出せなかったのはわかるが、その安否が気遣われる。

決戦に備え、Holy of Holiesの中で一晩分の休息を得て各自LvUpをする。このLvUpによってウィンズはReality RevisionがManifest可能となり、Reality Revision連打によるInherent Bonus付与が全員に行われ、全員全能力値が+5された。

●地獄の王への挑戦状~To Make the End of Battle~

あと残すは大人のPit Fiendがいる、もう片方の塔だけである。

おそらく(Divine RankなしのAvatarの)Asmodeusもいると思われる。

激戦となることは必至であろう。

そして、最後の闘いの幕が開く―――

○Last Battle Devil's

敵:Asmodeus, Lord of The Ninth(Avatar)(Huge, 55HD, CR54) x1

Maximux Advanced Pit Fiend(Huge, 54HD, CR40) x1

Maximux Advanced Horned Devil(Cornugon)(Huge, 45HD, CR33) x1

Maximux Advanced Hellcat(Bezekira)(Huge, 24HD, CR17) x4

Wiz5/Clr5/Mystic Theurge10(ロヴィアス) x1

Ftr20 x1

結果:後述。

見所:後述。

95ft x 200ft近くの巨大な戦場に、かつてないほどの豪華キャストが勢ぞろいする。

――――――イメージシーン開始――――――

これより先の戦いはない。

お互い持てる最大最強の戦力を投入し、敵を撃つ。

だが、現実は残酷だ。敵は、常に予想の一歩先をいっている。

地獄の王の姿を確認し、容姿についての情報を思い出す。

―――あれは、確かLarge Sizeだったはずだが―――

しかしその記憶は、目の前の男の声によって霧散する。

「よくぞGeryonとAmonを倒したものだ。まずは見事であったと言っておこう。」

甘いヴァリトンの声が響く。

心の弱いものは聞くだけで魅了されそうだ。

 

「「あれは運のなさが大きな原因だと思いますが。」」

ウィンズがハモりながら冷静にツッコミを入れてみる。

いくらかでも侮ってくれるなら、それに越したことはない。

 

「確かにあ奴も運のない奴ではあったが、運も実力のうち。

ここは素直にお前達の実力が上であったからと思うことにしよう。」

しかし、地獄の王はそのような挑発には乗らず、冷静に受け応えをしてきた。

やはり一筋縄ではいかない。

 

「となれば、我が野望の成就のためには、お前達が障害となるのは明白だ。」

「そう。私達がいるかぎり、あなたの野望が成就することなんてないわ。いい加減、あきらめたらどう?」

トゥースが一応、停戦を匂わせてみる。一度戦うと決めたDevilはしつこい。

永遠に続く戦争をする愚は避けねばならない。

 

「ふっ、笑止。私自身はまだ敗れてはいないのだぞ。」

しかし無常にも、返ってきた言葉からは戦う気がありありと伺えた。

「そして同じ結末を望んでいない以上、お互いの立ち位置は明確だ。」

―――主義主張相容れぬ者が『力』を行使すると決めたのである。

既にそこには『話し合いの場』などない。

『力』に対するは、同じ『力の行使』か『力を後ろ盾とした交渉』があるのみ。―――

 

「なるほど。『やるからには徹底的に』ということか。おもしれぇ。」

クロシャチがくいっと鼻の下をこすり、嬉しそうに言う。彼にとって見れば本懐だろう。

「「―――わかった。我等も全力をもってそれに答えよう。」」

ライガ&フウガも、すでに闘気は全開だ。

「Mystra様のお力の素晴らしさ、その体に教えて差し上げますよー。」

アリーナも気を引き締め、決意も新たに全力を尽くして戦うようだ。

「『想いを通すは、いつも力ある者のみ』です。敗者の言葉に、意味はありません。」

カラスも、Hellcatを呼び出してやる気十分である。

ここから先、やり取りをするのは言葉ではなくお互いの命。

自らの勝利にすべてのチップを賭けた、後戻りの出来ぬギャンブル。

「いきますよ、九層地獄の王。―――Spellの準備は十分ですかー?」

アリーナの声を合図に、戦闘は開始される。

挑むは数多の悪魔を屠った歴戦の勇者達。

立ちはだかるは悪魔を統べる地獄の王。

―――今、ここで、全ての決着を付けよう。

――――――イメージシーン終了――――――

というやり取りがあったかどうかは定かではないが、アリーナはそれなりの自信があるようであった。しかし、Initiativeは敵が最初となる。

なお、

・ウィンズはFissionによって分身済み。

・カラスはHellcatを使役する。大きさはHuge。

・クロシャチはMirror Image等、自己Buffをかける。

・トゥースがElemental,Elderを4種、1体ずつ召喚済み。自身も、ExpansionでLargeになっている。

・ライガ&フウガはExpansionによって、Gargantuanまで巨大化済み。

・アリーナは大量のBuffがかかっている他、Incense of Meditaionを使用することで

 すべてのSpellをMaximizeしている。

という状態。

1round目:
・敵が動くよりも先に、アリーナがCelerity,GreaterをImmediateでCastする。この時点でアリーナにはForesightが掛かっていたため、アリーナはFlat-footedにはなっていない。ゆえに、Immediate Actionをいつでも使用可能な状態である。そして得られたFull Round Actionのうち、Standard ActionでMaximized Time StopをCast。


時間停止状態で、
1Round:Sonorous Hum
2Round:Harmonic Chorus:この2つは少しでもCasterLvを上昇させるため。3Round:Spell EnhancerやDivine Spell Powerを用い、CasterLv49でDivine Metamagic(Widen)からのReplicate CastingをCastする。Emulateしたのは、Purify Energy Transformation Field(以下Fieldと略)。Fieldに結びつけるSpellはHoly Wordを選択する。
4,5Round:なにもしない

通常の時間軸に戻り、Celerity,Greaterが終了するとdaze状態となるが、Spell PhyracteryをかけたPanaceaのScrollが発動し、daze状態にはならずにRound End。

ポイントは以下です。
a.このFieldは、Casting Timeが4roundであり、5000gpのMaterial Componentと250点のXP Componentが必要である。これは、Replicate CastingでEmulateすることで解決します。Replicate Castingでは、「Casting Timeは1round、高価なMaterial Componentが必要な場合は5gpあたり1xpの経験値を追加で支払えばよい」とあります。つまり、経験値の余剰が無限に近い現状ではCostがないも同然なのです。 
b.FieldのCasterLvは49である。ここまで上昇させれば、大人のDevilのSRといえども貫通できますし、39HD以下は即死させることが可能です。(そういえば、AsmodeusのSR貫通チェックをしていなかった気が・・・まあ、Assay Spell Resistanceもあったので、いずれにしろ自動貫通はできたでしょう) 
c.結びつけたSpellは、Spellに必要なだけのEnergyがChargeされた後、Field自身がCastする。結びつけたSpellのCasterLvは、FieldをCastしたときのCasterLvを用いるため、Field自体をGood SpellにしてCasterLvを上昇させています。(アリーナはGood SpellだとCasterLvが上昇します)また、結びつけたSpellのCastはField自身が自動的に行うため、アリーナの手番は消費しません。
d.このFieldは、SR:YesのSpellである。パーティには、事前にSpell Immunity,GreaterでFieldそのもの、およびHoly WordをImmuneにしていたので、パーティにはなんら影響を与えません。加えていうと、このようなEmulate系で、Emulate「先」ではなくEmulate「元」のSpellのLvが関係するのは、あくまでSTのDC値を求めるときだけです。例えば、Limited WishでFireballをEmulateした場合、Glove of Invulnerability,Lesserを貫通できないことを意味します。(振り返ると、以前は間違えて憶えていました。恥ずかしい。)
e.このFieldは、SpellだけでなくSpやSuも吸収する。
f.このFieldを破壊するには、DisjunctionやWishの類が必要である。これは取りもなおさず、
・Field内部からPlane経由、その他特殊で脱出することはできない
・Field内部からField自体を破壊することはできない
ことを意味します。つまり、Widenで半径80ftまで広がったFieldの外まで出ない限り、敵Casterは事実上無力化されるわけです。しかもFieldの外へ出るには、Reachが40ftまで広がったライガ&フウガのAoOを潜り抜けた上で、歩いて横断する必要があります。

・トゥースは前に出て来たPit FiendにChargeして、46d6のDamageを与える。

・ライガ&フウガ、クロシャチも移動してPit Fiendに攻撃する。トゥースと合わせ、全員で合計250点以上のDamageを与える。

・Asmodeusは前進してライガ&フウガを攻撃しようとするが、Asmodeusが手にしていたのはRuby Rod。攻撃すると相手にInflict Critical Wounds(4LvSpell)を与えるもので、意図しないところでFieldにEnergyを注入してしまう。(無論、Inflict Critical Woundsは発動しない)これを受けて、Asmodeusは味方にSpellのCast、およびSp、Suの使用禁止を言い渡す。 

・カラスはUpdraftでジェット噴射で宙に飛び、Share SpellをしていたHellcatも一緒に空へ飛ぶ。Hellcatは空中からCornugonにDive Attackを敢行し、大Damageを与える。

・続けて、カラスの呼んだ大人Vrockがロヴィアスを攻撃する。この攻撃によってロヴィアスが死にかけたため、Contingencyが発動してしまい、Triggerされた呪文がFieldに吸収され、Energyが溜まってHoly Wordが炸裂する。これによって、Ftr20と敵Hellcatが全滅する。

・Pit FiendがAttack Rollで130を出し、パーティを驚愕させる。

アリーナはArcane Sight,Greaterがかかっていたのだから見ればすぐにわかったことですが、Masochismがかかっていたとのことです。
Masochism(Assasin3,Blackguard3,Clr3,Sor/Wis3)
Book of Vile DarknessのSpell。受けたDamage10点ごとに、AttackやSTにボーナスが付きます。上限はなし。

・ウィンズは何かあったときのために待機する。この段階で残っているのは、Asmodeus、Pit Fiend、Cornugonの3体だけである。

1ラウンド目終了時でこの有様。

ちなみに何もしなかったファイター20は「カイファー」という名の戦士。アンホーリィアベンジャーの使い手だったが、クリサンドラルによって倒されていた。それを前編で登場したエリニュスが蘇生させて下僕にしていた、という設定アリ。アスモデウスのためにロヴィアスのボディガードに来ていたのだ。

――――――イメージシーン開始――――――

天秤は大きく傾いた。

―――Casterには、喋らせるな。―――

この基本はわかっていた。Initiativeもとった。勝てる戦いだったはずだ。

―――勝っていたはずのInitiativeに負け、逆に魔法的力を悉く封じられた。―――

Spellの使えないCasterは、戦力足り得ない。

いまや攻守は逆転し、Asmodeusの表情からはすっかり余裕が抜けている。

「・・・お、お前は一体、だ、誰なんだ・・・?」

Asmodeusはアリーナが仕掛けた戦術が理解できず、現実をうまく受け入れられない。

そのため、無意識にどもっていることもわからずに、相手を問い詰めるという普段なら無駄な行為をあえて行う。

「あらあら? 私は見た目どおりですよー。」

アリーナはからかうかのように返す。

その言葉が障ったのか、Asmodeusは怒鳴り散らす。

「信用できる筋からの報告でも、お前はMystraの神官とあった! しかし、神官ではあんなSpellをCastできない。できるはずがないんだ!」

Asmodeus自身の常識が現実を否定しようとするも、アリーナは畳み掛けるようにAsmodeusを追い込んでいく。

「あはー。そう思っているうちは、そうでしょうねー。」

「ど、どういう意味だ!?」

心が告げている。

アレは理解できない、否、理解してはならないモノだ、と。

本来なら撤退を選択するような状態。

Asmodeusは心が警告を発っしているのを無理やり抑え付けた。

脂汗を流しながら、アリーナをねめつける。

そのアリーナは、涼しい顔をしながら、言葉を紡いでいく。

「教えてあげますね。たった一つのシンプルな答えです。それは―――『Mystraの神官に、限界はない』―――ですよー。これ以上の理由は必要ですかー?」

「くっ。」

この上ない屈辱だった。

地獄を統べる王が、一介の神官の力に怯えるなどと、かつてないことだった。

「ではでは、冥土のお土産を差し上げますよー。人呼んで、『約束された勝利の剣』!」

そして、アリーナの次の一手が下る。―――

――――――イメージシーン終了――――――

というやり取りがあったかどうかは定かではないが、間違いなくいえるのは、戦場の支配権はパーティに大きく傾きつつあったということである。

2round目:
・アリーナが、Spell Matrix,LesserからSwiftでSpellを発動。CasterLv44でPurify Chain Twin Fortify(x40) Maximized Hammer of RighteousnessがAsmodeusをメインに敵全部に飛ぶ。SR貫通チェックは+124(!)。さしものAsmodeusもSRを自動貫通され、しかもお約束どおりSTで1を振って死亡。ちなみに、メインで食らうと528x2のダメージ(FortST成功でその半分)、Chain側だと264x2のダメージ(同様)である。残りのFull Round Actionは敢えて何もせず。

・トゥースは引き続きPit Fiendを削る。

・ライガ&フウガは片方がPit Fiendを削り、もう片方がManeuverを使用してアリーナに「追加のAction」を与える。

・追加のActionを得たアリーナは、まずFree ActionでLarge Sizeになる。次にFree ActionでMeteor Hammerを地面に落とし、Cornugonに向かってLarge Daggerを抜きながらPower Attack 10点でChargeする。この攻撃はCriticalし、Damage336点。Cornugonはお約束どおりMassiveのSTで1を出して死亡。

・Pit FiendはImproved Combat ExportiseでACを+54し、AC94まであげるが、クロシャチに20で当てられてしまう。これで、HPが残り10。

・カラスはBlack Rock Triskelionを呼び、自身はLimited WishをCast。効果は「Black Rock Triskelionの次の攻撃は絶対命中する」。Pit Fiendはこれで死亡。

止せばいいのに、カラスのPLさんは「ものは試し」とAttack Rollを振ると、お約束どおり見事に"1"。相変わらず(ある意味)外しません。Limited Wishが無かったら、どうなっていたことか。

戦闘終了までの所要時間:2round

今回も含め、今まで出会ったほとんどのボス級がMassiveで1を出して死亡していった気がする。部下が部下なら、上司も上司といったところであろうが、運も実力のうちである。

この後塔を捜索すると、氷付けのSorril卿が発見され、となりにはClericとおぼしき死体もあった。おそらく、シスター・サーラの話にあったブラザー・リーカルであろう。この氷付けのSorril卿を見たアリーナはあわてて氷を溶かし、HealをかけてSorril卿を蘇生させる。Sorril卿はそれで目を覚ますが、アリーナは軍医らしく(あるいは単に心配性なのか)、「無理していないですかー?」と問診する。ブラザー・リーカルも死後さほど経っていなかったため、こちらはウィンズのRevivifyで蘇生することとなった。

「お前達、それにしてもよくあの大人のDevil達に勝てたもんだ。」

「あはー。もっと胸をはってもよろしいのですよ、Sorril卿。」

「? どういう意味だ?」

「私達は、あなたが集めたのです。その私達が、最強でないはずがありません。」

これで本事件の黒幕以下、寺院を襲っていたDevilは完全に駆逐され、救助可能な者はすべて救助されたことになる。そして、寺院は急速に元ある場所へ戻り始めた・・・

●それぞれの道~混沌の告白~
クロシャチを除くパーティ全員、および寺院関係者は、Neheod寺院と一緒にMaterial Planeに戻った。すると、Emirikolの使いであるTieflingの女性がパーティのそばに現れる。いい機会であるため、Emirikolに「本当の狙いは何だったのか」を尋ねてみた。

曰く、

・Neheod寺院には、EmirikolとKlysandral卿が若い頃にAsmodeusのところから盗んできた、あるArtifact(Crystal Valis)が隠されている(ここまでは予想どおりだが、ブラザー・オリアドの話をパーティと一緒に聞くまで、寺院関係者はCrystal Valisの存在を知らずにいたわけである)。

・実は、Emirikolは他のDevilにそれを売ろうと考えていた(!)のだが、Crystal Valisを狙うAsmodeusに先手を取られてしまった。

・そのため、Nine Hellsにいって、Asmodeusより先にCrystal Valisを奪ってこれそうな実力者パーティを送りこむことにした。

つまり、パーティは体よく使われたわけであるが、もう済んだことなので今更あれこれ言っても詮無いこと。むしろ問題なのは、Crystal Valisが寺院内にあるとわかってしまったことだ。Klysandral卿亡き今、Crystal Valisは(一応の所有者である)Emirikolに渡すにしたとしても、下手なArch Devilに売られても困る。そこで提案として「売却相手は、"とりあえずは直ぐに実害のなさそうな"アスタロスあたりで」と告げておく。アスタロスはAsmodeusと敵対しているし、Material Planeにはさほど興味がないからである。

また、Emirikolから、

・手に入った売れそうにないItem(Geryonの持ち物だったUnholyなEpic Weapon等)の適正価格での買い取り。代金は最初に出会ったTowerにおいておくから勝手に取りにいけ、とのこと。

・Demonwingの所有権の譲渡。を提示され、ウィンズ、カラス、トゥース、ライガ&フウガは喜んで受けることとなった。

しかし、クロシャチは何故この場にいないのか、そしてこの提示に対してアリーナは・・・

a Paladin in Hell - Fin. - 

To be continued to the epilogue... 

P.S
以下はネタ

・Sonic Energy WallにはさまれたImpとStained Glass Golem。
ImpA   「右ですか~?」
ウィンズ 「No」
ImpB   「左ですか~?」
ウィンズ 「No」
ImpC   「両方ですか~?」
ウィンズ 「Yes」
Golem全員 「もしかしてHardness無視ですか~?」
クロシャチ「Yes, Yes, Yes!(Oh! My God!)」
ウィンズは時間停止ができるのもポイント高し。

・空中から回転しつつCornugonにDive AttackするカラスのHellcat。まさに「キャット空中三回転」である。


・味方にSpellとSp、Suの禁止を言い渡すAsmodeus。
水先案内人「魔法の類禁止!」
女魔術師 「ダメー! 魔法の類は禁止―――!」
未来人  「魔法の類は禁則事項です」
お好きなのを選んでください。

エピローグ(Kiryuさんバージョン)

エピローグはすべてイメージシーンです。基本的に事実に沿っていますが、思いっきり脚色されていたり作っていたりします。

●エピローグ1~Paladinは二度死ぬ~

―――時間軸は、Neheod寺院がMaterial Planeに戻ろうとしている頃―――

Asmodeusが倒された後、Neheod寺院は空間ごと急速にMaterial Planeへ戻ろうとし始めた。そのため、パーティはKlysandral卿の霊にそのことを伝えて棺まで戻ってもらうように言うと・・・

「私は既に死んだ身だ。私のことは構う必要はない。寺院が元のMaterial Planeに戻るのなら、早く戻りなさい。」などと返されてしまい、全員言葉もない。確かにKlysandral卿のいうことにも一理ある。

死後、どうするかは死者が決めること。生者がどうこういうことはできない。

戦闘の音だけがしばし響く中。何か思うところがあったのか、クロシャチが口を開いた。

「アンタ、不器用なんだな。」

この言葉は意表を突いたらしい。Klysandral卿は一瞬動きを止め、数秒の沈黙の後にようやく

「―――ああ、そうだ。」

とだけ返した。

Klysandral卿は哀しみを背負った目でパーティを見る。

どれほどの過去を越えてきたのか、その目から推し量ることはできそうになかった。

「騎士道という名の修羅の道をただひたすら駆け抜けた。―――戦いの中でしか生きられなかった、一人の男の成れの果てがこれだ。その結果に、お主達までが付き合う必要はない。さあ、早く戻りなさい。」

再度パーティにNeheod寺院へ戻ることを促す。

これ以上自分に関わるなと言うように。

しかし、クロシャチはその場を離れようとはせず、再び口を開く。

「もうひとつ聞いていいか? 自分の行動を後悔したことはあるかい?」

クロシャチの言葉に、Klysandral卿はまたピクリと反応する。

そして自嘲気味な笑みを浮かべ、ひとりごちる。

「過去、正義のためとはいえ、無関係な犠牲者を出してしまったこともある。―――後悔したことはない、といえば嘘になってしまうな。」

そういいながら、目の前の一体のDevilを屠っていく。

「正直だな、アンタ。まあ、Paladinは嘘は付けねえけど。」

クックッと笑いながらクロシャチは愉快そうにする。

Klysandral卿は、新たなDevilを一体屠った後、言葉を続けた。

「だが、一度としてやり直したいと思ったことはない。」

「ほう?」

クロシャチは続きがあることが意外だったらしく、次の言葉を興味津々で待つ。

そして、Klysandral卿の独白が続く。

「自分の正義が、間違っていたなどとは思っていない。

そうだ、私は、自分が出した犠牲者のためにも、

自分の正義が間違いではなかったと証明し続けなければならないのだ。

不器用な自分にできるのは、戦うことだけなのに!

そんな自分が、天寿を全うして大往生だと! 冗談ではない!

―――自分の正義は、決して間違いなどではなかった―――

それを証明し続けるために、私は再び剣をとったのだ!

もう一度だけいうぞ! Neheod寺院に早く戻るんだ!」

―――それは、悲痛なまでの吐露だった。

今回のNeheod寺院の件で、死してなお正義であろうとする心が戦いに駆り立てたのか。

伝説とまでいわれたPaladinは、死してなおPaladinであろうとしたのだった。―――

今度はSmite Evilで大物Devilを殲滅し、進路を確保する。

まるで、何かを振り払うかのように。

「その心意気やよし、気に入ったぜ!」

クロシャチはそういいながらChargeでKlysandral卿のそばのDevil一体を屠ったのち、

Klysandral卿と背中合わせになる。

「オレは闘えりゃ何でもいいんだが、偶には『正義の闘い』も悪くないと思っている。」

今度はUnarmed Strikeからの連打で計7回攻撃。2体が新たに沈む。

「と、格好付けたはいいが、何のことはねぇ、

オレはアンタの不器用な『修羅としての生き方』が

すっかり気に入っちまっただけなんだがな。」

そう言ったクロシャチはニヤリと不敵に笑う。

その目は、純粋に闘いを楽しんでいた。

だが、Klysandral卿にとっては「寺院関係者を生かして返す」ことが重要な命題。

受け入れられるものではない。

「莫迦者! 生者が死者に関わってどうする!? 引き返すんだ!」

「オレはもともと、アイツらに解放してもらっただけの流れ者でね。

さらに言うと寺院関係者でもねぇのよ。

それに、お互い主義主張は違えど、正義の名の元に敵は共通のはずだ。

文句は言わせねえぜ!」

しかし、クロシャチの決意は意外なほど深く、固かった。

Klysandral卿はその気迫から説得をあきらめ、ため息をつく。

「―――ふう。Asmodeusを屠ったお主らが、

こんな老いぼれとわざわざ一緒に戦おうというのかね?」

「ああ、自信を持っていいぜ。オレが過去『背中を預けてもいい』と感じた奴は、

両手で足りるぐらいしかいないんだ。その中に、アンタは間違いなく入っている。」

会話の合間にもDevil達は次々と屠られていく。

そして、その殲滅のスピードは目に見えて加速されていった。

「酔狂な奴だな。―――だが。だがしかし、悪くはない。

主義主張は違えど、お主の言い分には共感を覚えるぞ。」

「ああ、オレもわくわくしてきているぜ! 

なんたって、伝説とまで言われたPaladinと2人だけで、

Devilの軍隊数千を相手にドンパチおっぱじめようってんだからな!」

1分後には、2人はまるで十年来の友人であったかのように

息のあったコンビネーションで次々とDevilを打ち倒していく。

「私の心は常に戦場に在る。―――死ぬのなら、戦いの中で!」

「同感だ!」

そういい放ち、2人は笑いながらDevilの真っ只中に進軍していった。

もう、何人たりとも2人を止めることは出来そうになかった。

「カラスさんよぉ!」

Devilの影に隠れて姿も見えないぐらい離れてしまった後。クロシャチの声が響きわたる。

「悪りいな。オレの見受け金6,000gp、あとで返すからツケといてくれよ!」

それが、パーティが聞いたクロシャチの最後の言葉。

これを聞いて、パーティはNeheon寺院に戻ることを決意する。

きっとクロシャチは生きてかえってくると信じて・・・


●エピローグ2~Sorril Venir~
ここはTorilのNeheod寺院の近く。寺院消失事件解決から一週間がたったところである。

ウィンズ達はDemonwingで下方次元界へ旅立つため、旅支度をしていたが、今しがた完了してあとは旅立つだけの状態となった。そしてその壮行のために、Sorril卿とアリーナが見送るところである。

「ありがとう。達者でな。」

「みなさん、お元気で。」

アリーナは皆に声をかけるものの、言葉とは裏腹になんとなく元気が無い。

そうこうしているうちに、出発の時間がきた。

皆は二人に挨拶しながら、PlaneshiftでDemonwingが逗留するStygiaに消えていく。

アリーナの表情が気になったSorril卿は声をかける。

「アリーナは、一緒に行かなくてよかったのか?」

「―――ええ。」

微妙な沈黙の後、アリーナはうつむいて答える。

「あのDemonwingに長く乗っていたら、自分を保ち続ける自信がありません。かといって自分を保ち続けたら、いつか彼らと仲違いし、戦い合わなければならなくなります。」

ミッションを成功させるために一時的に合意していたとはいえ、Goodのアリーナにとって、Demonが大量に乗る船に黙って乗りつづけるなど相容れるものではない。

その属性と、彼らとの友情の板ばさみという不安定な状態は、決して長続きはしない。

「そうか。」

「彼らとは、戦いたくありません。彼らと傷つけ合う、それは想定可能な最悪の状況です。―――」

アリーナはうつむいたままである。

そのアリーナの肩をSorril卿がぽんとたたくと、アリーナは顔を上げ、

「―――なーんて、しんみりするとか、私には似合いませんねー、あはー。」

そういって明るく振舞った後に、手を後ろで組んで皆が消えた場所とは逆方向にゆっくりと歩き出す。

「―――Sorril卿。」

そして五歩すすんだところでくるりと振り返り、一瞬頭の後ろに手をやるも、そのまま何もせずに手を後ろに下ろす。

「ん、なんだ?」

「いままで、お世話になりました。」

アリーナはそういって笑顔でぺこりとお辞儀をし、

「こちらこそ、ありがとうな。」

Sorril卿はそれに笑顔で答える。

二人とも、口にせずとも自覚していた。

こうして言葉を交し合うのは、これが最後、これで最後であると。

何も残せないけれど、せめてお互い笑顔でいよう、と。

「では、お元気で。」

そしてアリーナは、微笑みながらフッと姿を消したのである。

「ああ、また、な。」

Sorril卿は、おそらくもう二度と会えないな、と予感しつつも、再会を期待する言葉をつぶやく。

しばらく立ち尽くした後、Sorril卿は従者のAdderleyが待つ方向へ歩き出していった・・・


●エピローグ3~Adderley~

Sorril卿はAdderleyのそばまで歩いていくと、そのまま無言で通り過ぎ、歩みを続けた。

主人の心情を慮り、Adderleyはそっと声をかける。

「挨拶はお済みですか?」

「うむ。―――いや、別れというものは何度やっても慣れないな。」

慣れる人なんていませんよ、と言いかけて、その意味の無さに口にするのを取りやめる。

「それに、育てていた後輩がまた自分を追い抜いていったのだ。

ちょっぴり悲しかったりするぞ。

できるなら、もう少し感傷に浸っていたいところだ。」

Adderleyは思わず苦笑した。

軽口をたたくことで、この人なりに寂しさを紛らわそうとしているのが判ったから。

それが、言葉ではなく心で理解できたから。

「まあまあ。ゆっくり気持ちを切り替えていきましょう。

別れがあるからこそ、次の出会いが素晴らしいものとなるのですよ。」

Adderleyはひとつひとつ言葉を選びながら自分の主人を宥める。

何より、落ち込んだ主人はあまり見たくないものだ。

が、どうやらその心配は杞憂だったようで、

「―――そうだな。いつまでも落ち込んでいても仕方が無い。

よし、帰ったら早速次のスカウトの用意だ。

リストの作成を頼むぞ。3日で仕上げるのだ。」

といつもの調子で語りかける。

立ち直ってくれたのは嬉しいが、Adderleyは自分の仕事が増えてゲンナリする。

「ぇー。もう少し休暇を楽しめると思ったのにー。」

「何かいったか?」

「いえいえ、別に。」

それでも主人が落ち込んでいるよりいいかと思い、

軽口をたたきながらAdderleyは主人の後ろを付いて歩いていく。

―――いつの間にか、二人の足取りはずいぶんと軽くなっていた・・・


●エピローグ4~アリーナ~
「―――こうして事件は解決をみた。今回の事件の特殊性も相まり、

私はこうして筆をとって記録を後世に伝えようとした次第である。

―――願わくば、二度とこのような悲劇が起きぬことを祈って。

――――――アリーナ・レーナイル」

ここは"馬小屋ワールド"のどこか。

現在自分は公園のベンチに座って、「Neheod寺院消失事件」というタイトルで今回の事件の顛末を記録していた。

最後に全体を推敲し、問題ないことを確認してからペンを脇に置く。

それからふーっ、と一息ついてみた。

ゆっくりと背伸びをし、居住まいを直すと、一週間前の"世界"の言葉が思い出される。

―――"世界"と契約し、Deityとなって"世界"を支える守護者となるか?

―――守護者となれば、"世界"が存続するかぎり不滅の存在となる。

―――しかし、「お前自身」は二度と"世界"の外には出られない。

―――もし"世界"を出るのなら、それはAvatar(化身)を遣わせるだけに過ぎない。

そして回答は出した。"Yes"と。

それにしても今後のことを考えると、人生設計の修正量は軽く眩暈を覚えさせるには十分である。

思わず見上げた空はどこまでも高く、大気は澄んでいた。

「人生のラストスパートで思いっきり駆け足で走ったら、

想定以上のスピードがでて大気圏脱出、といったところですかねー。」

自分の人生の急激な変化を例えてみたが、言いえて妙だった。

自分の突飛な発想に自分で突っ込みを入れたくなる。

しばし、物思いに耽ってみた。

 

―――今まで生きてきた自分の人生は、退屈といってよかった。

最初は、「彼」の特異点の噂を確かめたいだけで、さほど興味もなかった。

自分の上司であり盟友となった後は、その噂を確信した。

そして特異点としての現象を観察することは、自分から退屈というものを無縁にするのに十分だった。

彼のそばで、特異点としての現象を観察しつづけていたいと思った。

そのために、あらゆる戦場を駆け抜けた。その矜持にかけて、ただの一度の敗走もなかった。

彼の寿命と自分の寿命、おそらくはどちらもあと数十年。

このまま天寿をまっとうするまで観察しつづけるのもいい、と考えていた。

 

そして、あのLabyrinth of Madness事件が起きた。

このとき自分は別のミッション中であり、戻ってきたときにはすでに事件は解決していた。

歯痒かった。

事件を観察できなかったことより、事件の当事者になれなかったことが。

そして今回の事件。事件の当事者になれるチャンスがきた。

しかし、Labyrinth of Madness事件を解決したパーティがその後どうしたか、考えなかったわけではない。

―――今回の事件に首を突っ込めば、いままでどおりではいられない。

―――少なくとも、彼のそばにい続けることはできなくなる。

そう予感しつつ、自分はあえて首を突っ込んだ。

彼が死ぬようなことはないという妙な自信と、もしかしたらという心配を、ないまぜにした気分のままで。

そして事件は解決した。彼のまわりは彼にとっての日常に戻るだろう。ほんのひと時かも知れないが。

しかし、自分はもう戻ることはできない。解決した事件は、あまりにも大きすぎた。

それでも、事件の当事者であったことが、彼を自分達で救出できたことが、何より代えがたいものだった。

―――だから、別れたことについては、後悔はなかった。

彼にとっては、たくさんの後輩のうちの一人が旅立っただけ。何の問題もない。そう、なにも―――。

 

顔を下げ、正面を見据えてみる。

「そうそう、ミッションの成功とSorril卿の無事を祈って願掛けをしていたこの白いリボン、

効果はあったと言えますでしょうかねぇ?

特異点たるSorril卿本人は、平均をとれば一般人と大差ないですが、

幸運値と不運値の絶対値はとんでもなく高いですからねー。」

頭の後ろ、赤い髪を留めていた白いリボンを外してじっと見つめてみる。

―――矜持にかけて、負けるつもりはなかった。

―――Mystra様のご加護も十分にあった。

それはMagic Itemでも何でもない、ただのリボン。

―――それでも、大人のDemonやDevilたちを前にして、祈らずにはいられなかった。

もう一度白いリボンをじっと見つめる。

―――大人のPit Fiendを討ちにいって戻ってこないSorril卿の無事を、祈らずにはいられなかった。

それは大切な気持ちを込めた、大切なリボン。

「Sorril卿が氷漬けになっているのを見たときはちょっとあせりましたが、

五体満足でご無事だったのは、願掛けの成果と思っておきましょう。」

得心した後、ふとSorril卿との別れ際の自分の行動を思い出す。

「お別れの記念でなんとなく渡そうかと思いましたけど、

よく考えたらそれってあまりにも意味深すぎですねー。」

自分の行動があまりにも迂闊で滑稽だったのか、苦笑しながらひとりごちる。

「そんなことしたら『実は前から好きでした』とか、『私のこと、忘れないでくださいね』とか、

場合によっては『後で取りに行きますから』というメッセージを込めてみました、

って思われてしまうではありませんか。」

なんとなくむずがゆさを感じ、振り払うかのようにかぶりを振る。

「あはー。そんなこと、いつもならすぐに思い至るはずですのに、

今の私は、寝ぼけているのでしょうかー?」

言葉とは裏腹に、その感情は心地よいものだった。

たまには、こんなこともいいものである、と。

"世界"の言葉が頭の中で繰り返される。

―――しかし、「お前自身」は二度と"世界"の外には出られない。

―――もし"世界"を出るのなら、それはAvatar(化身)を遣わせるだけに過ぎない。

Avatarを遣わせても彼が目にするのは自分のAvatarで、「自分自身」ではない。

「自分自身」が彼にもう会えないことには、変わりはない。

もうどうしようもない以上、考えても仕方のないことだ、と思考を打ち切る。

―――後悔したら、あの別れの意味がない。

外した白いリボンを大切にしまい、代わりにいつもの青いリボンを付ける。

 

さぁーっと風が流れた。

「そういえば、ずいぶんと長い旅をしてきた印象ですが、

実際はそうでもないのですよねー。」

―――おそらくは一月にすら満たなかった旅路。

パーティとはほんの一瞬ともいえる時間を共有しただけ。

されど。

この旅の記憶すべては―――

―――たとえ千年の月日が経とうとも、鮮明に思い返す事ができる。

そういえばと、カラスからメッセージを受け取っていたのを思い出し、開いてみた。

皆は現在もDemonwingにのって下方次元界を旅しているらしい。

「心配だろうから、皆の様子を伝えておく。

 

ウィンズは酒に溺れて退廃的な生活を送っている。

Reality Revisionが使いたい放題なので、無意識に現実を変更するのを防ぐためだとか。

体には気を付けた方がいい、とは言っておいた。

 

トゥースは完全にShade化が完了したようだ。

最近は小物Itemに凝っていて、いろいろ買い物をしているようだ。

 

ライガ&フウガは新しい武術を開発しようとしている。

何でも、二神風雷拳とかなんとか。私にはさっぱりだが。

 

そして私は、Sorril卿からLabyrinth of Madness事件の顛末を聞き、

出発直前にようやく書き終えたことは知っていると思っている。

現在は今回の事件を執筆中だ。全部書き上げるまでにはまだ時間が掛かるだろう。

気が向いたら返事を送って欲しい。

Sendingを飛ばしてくれれば、メッセンジャーに取りに行かせよう。

 

――――――カラス」

読み終えたメッセージを、大切にしまう。

と、どうやら大分日が傾いてきたようだ。

「さてさて、次はどこにいきましょうかー?

 "世界"に組み込まれるまで、まだ少々猶予がありますので、

それまでは当ての無い旅もいいですね。」

そういって何かの本を取り出し、ぱらぱらとめくってみた。

「それとも、Emirikolをシメにいくとか、久しぶりに同窓会を開くのもありですねー。」

表紙を見ると、「馬小屋ワールドの世界料理ガイドブック『究極vs至高』」とある。

ヘイヤとガラーム、レイヴン、ナギとステラ、あっちのウィンズを探してみるにしても、

拠点は決めておきたい。

パラパラッとめくって、とあるページで止めてみる。

「んー、とりあえず、このあたりにでもしておきましょう。」

止まった位置は、「中国:四川編」であった。

ご丁寧に世界地図はもとより、より拡大された地図も詳細に記述されている。

「ふむふむ。ここは辛い料理が多いのですか。

なるほどー。まずはお腹いっぱいおいしい物を食べたいですね。

その後は、レシピを覚えつつ、料理店でも開いてみましょうか。」

ぱたんと本を閉じ、ベンチからすっと立ち上がる。

「ま、なにはともあれ、れっつごーですよー。」

そして、公園の出口へ向かって、てくてくと歩いていった。

 

 

もし馬小屋ワールドを訪れる機会があれば、

中国は四川の料理店「泰山」で食事をすることをおすすめする。

そこでは、赤い髪を青いリボンで留めたチャイナ服の女性がおいしい料理を出してくれるはずだ。

ただし普通の味付けと比べると、とっても辛いので要注意。


●おまけエピローグ~ジャーノック~
ジャーノック、ブラザーフルーレン、ボーレンの三人(この三人については、第五回を参照)は、

現在馬小屋ワールドに呼ばれていた。

正確には、馬小屋ワールドの日本にある、マンチキンの神(≒アリーナが言うところの"世界")が取り仕切るShrineで、Deity就任式に参加させられていたのである。

何故なら、三人はパーティとGeryonが対戦した際、一緒に戦闘に参加して生き残ってしまった。

そのため億単位の経験値を得ており、その後のマンチキンの神の「Deityになるかどうか」の質問に対し、よくわからずにうっかり「Yes」と言ってしまったのだった。

「隊長、私は聞いていませんよ、こんなこと!」

「オレだって、国に恋人がいるのに!」

「私だって知らんわい!」

上から、ブラザーフルーレン、ボーレン、ジャーノックである。

「あー、お前らいいから横に並べ。」

司祭らしき人物が就任の儀式を行う。

どうやら休日に呼ばれたため、かなり機嫌が悪いようだ。

「これより、ジャーノック、ブラザーフルーレン、ボーレンを新たなDeityとする。領地は三人で相談して適当に選ぶこと。あとは規約を読んでおくように。以上。」

 

かなり投げやりな感じで、わずか1分で就任の儀式が済まされた。

 

「「「納得できるかーっ!」」」
三人の声がこだまする、そんな日常。

これもまた、ひとつの真実、馬小屋ワールドクオリティ(?)

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