彬子女王をうかがう国民のシンパシーとエンパシー
緊急帰国の報
彬子女王殿下緊急帰国の報が日曜昼集計のアクセスランキングで1位になっているのには少々驚いた。購読者のアクセスばかりでなく、他紙に先がけて報じてアクセスが集まったということもあるのかもしれない。
なおANNのニュース映像の再生数は、さほど回っているわけでもなさそう。
彬子女王への共感
2015年刊行の留学回想録『赤と青のガウン -オックスフォード留学記-』が、今年文庫化もされてベストセラーとなったことで、彬子女王の存在と人がらは広く認知されるようになった。4日にNHKで特集も放映されていたらしい。
昭和天皇の末弟、オリエントの宮さまこと三笠宮崇仁親王には5人の男系孫(いずれも女性)がいて、1981年生まれの彬子女王はその中で最年長。両親に確執があったことから2012年の父・寬仁親王の薨去に際しては若くして喪主を務めた。
日本国民の強制的夫婦同姓は夫の姓か妻の姓を一応選べるわけだが、皇室に生まれた女性には婿取りの選択肢もなく、婚姻が生家および家業からの離脱を意味する。独身で成年皇族としての公務を続けている彬子女王の姿は、非婚化の進む今日において国民の共感を集めるところ。同じ境遇から近衛や千といった旧家に嫁いだ叔母達とは異なる道を進んでいるからこそ、イギリス非公式訪問からの緊急帰国がニュースとなっている。
彼女のことをいき後れや金食い虫と罵る人は、エンパシーが足りていない。誰しも生まれる家は選べない。自身の留学記への注目に笑顔で応える姿の反面、その境遇が気楽なものであるはずもない。
三笠宮妃百合子さまのご安寧を祈念しております。