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質問をせずにフジテレビの記者会見会場を後にしたジャーナリスト
フジテレビの記者会見について、朝日新聞デジタルがタイムラインで報じているなとは思っていたが、翌日の勤め先で事務員さんの話題にあがっていてそんなにも世間の注目を集めていたのかと驚いた。おなじみの西田先生の見解をうかがう記事へのコメントプラスで、ずっとジャニーズ問題を追ってきたジャーナリスト松谷創一郎さんが長めのコメントを寄せている。
長時間会見は意図した演出だったという見立て
松谷さんは取材記者の一人として記者会見の場にいたという。
私も昨日の会見に参加しましたが、フジテレビはプライバシー保護や第三者委員会の調査があるため、回答できる内容が限られることは事前に十分に想定されました。
そしてフジテレビは最初から「吊し上げ会見」を意図していたようにも感じられます。記者たちの鬱憤晴らしの標的になることで世間の溜飲を下げ、同時に同情も引く戦術です。これは2019年の吉本興業による闇営業問題関連の5時間半の会見や、一昨年のジャニーズ事務所の4時間強の会見から学んだものと考えられます。
同様にサンドバッグ状態演出を意図したものではないかという指摘を、下記記事へのコメントでマライ・メントラインさんもしている。
オールドメディアの意義
松谷さんによると取材する記者参加者側にも問題が多かったとのこと。新聞などレガシーメディアの重要性に言及して、このコメントは結ばれている。
会見では、思考が十分に働いていなかったり、明らかに勉強不足だったり、質問ではなく説教や弁論のために発言したりする記者があまりにも多く見受けられました。ジャーナリストとしての実績のないユーチューバーも多くいましたが、とくに注目されたのは大手マスコミのOBでした。
(中略)
このような状況であったため、私は意図的に質問することをやめ、3時間半ほど経過してから会場を後にしました。なお、私が質問を予定していたのは、フジテレビのジャニーズ問題検証の不徹底についてでした。チャンスは第三者委員会の調査報告のときにまた訪れますが、それもどうなることやら。
正直、会見における新聞やNHKなどのレガシーメディアの事実確認が大切であることをより感じさせる内容でした。
継続的に取材している記者は、掲載媒体を問わずプロフェッショナルである。新聞もテレビもプレゼンスを弱める中で、社会はいかにしてジャーナリストを抱え、尊重することができるのだろうか。
西田先生の解説に言及できなかったので、なんともなしにこの記事と同じイラストを使った私のnote初投稿のリンクをはっておこう。