袴田さんの無罪判決に際し裁判長が詫びたわけ
袴田事件の再審判決に際して、静岡地裁の国井恒志裁判長が閉廷前、袴田さんの姉の秀子さんに対し、無罪判決まで時間がかかったことを謝罪したことを伝える記事。
無罪判決の注目ポイント
再審というのは、再審開始を決定した時点で無罪となることがほぼ決まっている。今回の再審で注視されているのは、証拠の捏造や黙秘権侵害の事実認定と、警察と検察と裁判所の反省である。
1968年の一審での最初の死刑判決から1980年の確定まで、捜査機関による3つの証拠の捏造が認定されたという。裁判官という中の人が入れ替わっていることはもとより、裁判所という連綿とした組織にとっても「半世紀前は我々も捜査機関に欺かれた」という見解ならば、被告側に詫びる必然性はないのかもしれない。しかし、裁判長は無罪判決までに長い時間がかかったことを詫びたのは何故か。
幾度もの再審請求から2023年の東京高裁の再審開始決定まで時間を要したことを謝罪した
捜査機関を含む刑事司法というシステムの関係者を代表して謝罪した
高齢の袴田さんに対してこれまでに幾年月かかったことを詫びることで、検察に控訴しないよう促した
裁判長が詫びたことには道理があると思う。
日経新聞の記事は次のように伝える。
死刑制度の残る日本
こちらの記事にコメントしているBossB先生は、死刑廃止を訴えている。
私は、飯塚事件で刑死した久間三千年さんは冤罪だった疑いがあり、疑わしきは被告人の利益とすべき原則に照らすと無罪判決を得るべきだったと考えている。無罪を得ることなく刑死させた司法制度と死刑制度には、見直すべきところがあろう。
袴田さんとお姉さんの健康を祈る。