【デンプシィ】と呼ばないで
うちのパコ(ニャンコ)の鳴き声は低い。
かつての自分は、某磯野家アニメの〇マのごとく、高い声でなくものだと思っていたのですが・・・
「みやぁーーーーんン・・・」
と低いうなり声をあげるその様はニャンコ界のドンそのもの。いつも「可愛く鳴いてごらん」と囁いてお願いしているのですが、帰ってくるのは、低い鳴き声ばかり。ニャンコの方で調整できないのかな?
もちろん僕にとっては、我が家のアイドル、天上から降りたった僕の猫天使のパコなのですが、ラスボスような風格のある鳴き声に、ついつい【デンプシィ】を思い出してしまいます。
【デンプシィ】というのは、この小説に登場するラスボス的存在猫です。
『ジェニィ』 新潮文庫 ポール・ギャリコ ・著 古沢 安二郎・訳
『スノーグース』や『雪のひとひら』で有名なギャリコの作品。
突然真っ白な猫になってしまったピーター少年は、大好きなばあやに、
冷たい雨のそぼ降るロンドンの町へ放り出された。無情な人間たちに追われ、意地悪なボス猫デンプシィにいじめられ――でも、やさしいヒロイン猫ジェニィとめぐり会って、二匹の猫は恋と冒険の旅に出発した。
猫好きな著者ギャリコが、一匹の雌猫に永遠の女性の姿を託して、猫好きな読者たちに贈る、すてきな大人の童話。
猫好き人間のある種の夢である猫視点でお話。
猫の世界にはルールがいっぱい。身づくろいの仕方、ネズミの取り方、
街の歩き方、ゴミの歩き方・・・相棒であるジェニィは様々な事柄をピーターに教えてくれるのでした。
また元家猫で人間をひどく恨んでいるジェニィはピーターの優しさ、自分達を心から慕ってくれた
貧しいお爺さんなど、様々な人と接する事で、少しずつその気持ちをほぐしてゆくのでした。
現代の、異世界転生ならぬ、猫転生物語ですね!
物語のクライマックスで、ジェニィをかけて、ピーターとデンプシィは決闘するんですが・・・街を取り仕切るボス猫として、ジェニィを自分の嫁によこせと力と権力で脅すさまは、まさしく悪のボス猫。
決して、決してっ、他意はないのですが、我が家にニャンコを迎え入れたとき、名前をつけようと思ったときに【デンプシィ】が候補に挙がったのはうちのニャンコには秘密なのです。
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