わたくしごと
ぱきら
夫と二人暮らしの40代、主婦
夫のお弁当は作り置き派
特にコレと言った趣味がないのがちょっと寂しい。
その昔はお菓子づくりや編み物に精を出したが、さほど上手ではないため最終的に「もしや買うのが一番良いのでは…?」と「ソレを言っちゃあおしまいよ」なことに気がついてしまった。
猛烈に推す人もいない。
ただ最近は「King Gnu」の音楽が好きで、井口さんの幸せを願っている。しかし彼らの言うトーキョー・ニュー・ミクスチャー・スタイルがどんなものか、いまいちわかっていない。
先天性心疾患である。
単心室、単心房、無脾症候群、内臓逆位(心臓のみ左)、その他合併症
在宅酸素あり(負荷時のみ)
spo2は安静時85目標、負荷時70台前半。
家の中での歩行は可能。外出の際は車いす(自走式簡易型の電動車いすを)使用、またゆっくり歩ける場合は酸素ボンベをコロコロ引き連れて。
ケセラセラ。
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さて。
今あなたは、あなたの手のひらを左胸に置くことができますか?
もしできそうなら、左胸に手のひらを押し当ててみてください。
ドク、ドク、あるいはとん、とん。
手のひらにあなたの鼓動が感じられると思います。
私は、その鼓動を打つ臓器(心臓)に、おぎゃあと生まれたときから疾患があります。
そういう人たちのことを
先天性心疾患(Congenital Heart Disease:CHD)と総称します。
先天性心疾患は、治療の必要もないものも含めて100人に1人の割合で生まれます。結構多いでしょ?
案外メジャーな病気かもしれません。…知らんけど。
一般的にいわれる心疾患は、これまで特に身体状態に不安なく生活していた人が突然心臓病と診断されるもので、生活習慣病の一つとして受け止められます。
これに対してCHDは、心臓の形や仕組みが正常な形と違ってできて、この世に誕生するのです。
人間の臓器に無くて良いものなどなく、どの臓器が病気になっても生活に支障を来すでしょう。だからどれが最も大変な疾患かなんてわかりません。
ただ心臓は、車で言えばエンジン部分に当たります。
最初から故障しているエンジンだと、車はうまく走れません。
当然、いろんな部品(臓器)もうまく機能しません。
そうした意味では心臓は体の要であり、だから心疾患は命に関わる病気といえます。
車ならばリコールができます。
けれでも私は人間なので、リコールは無理。
ですから、手術であったり、投薬治療であったりを行って対処していきます。他のCHD患者も同じです。
もう少しだけ踏み込みます。
1980年代頃まではCHDといえば子どもの病気とされてきました。
また、心臓血管外科治療が行われる以前のCHD患者が成人を迎える割合は50%以下でした。「二十歳まで生きられない」と言われる子もたくさんいました。
医療技術の進歩、生活水準の向上などによりそうしたCHD患者は成人を迎えることができるようになり、生存可能になってきています(もちろん死亡する人も少なくありません)。
そして、2000年には成人患者数と小児患者数がほど同数になりました。
こうした成人を迎えたCHD患者のことを
ACHD(Adult Congenital Heart Disease:ACHD)患者と呼びます。
ちなみに、私が先述した「単心室、単心房…」といったものは病名です。
先天性心疾患、成人先天性心疾患というのは厳密には病名ではなく、「あの子生まれたときから心臓病やねんて」というような、ザックリとしたラベリングみたいなものだと私は考えています。
病名はとてもたくさんあります。
ファロー四徴症、肺動脈弁狭窄、三尖弁閉鎖不全、単心室、単心房…もっともっと多くの病名があります。また、いろいろな病名が重なる(合併する)人もいます。
たとえ同じ病名であっても、その合併症の具合や体格、これまでの治療の方法や生活環境などによって人それぞれに重症度や症状は全く異なります。
こうしたACHD患者がいることは、世間にはあまり認知されていません。
なぜなら、(私のように車いすを使う人もいるけれど)ACHD患者の多くが見た目はいわゆる健康な人と変わりのない「内部障害者」だからです。
私も、車いすから降りれば「元気そうに見えるよ」と言われます。
そしてACHD患者の多くは、見た目は元気だとしても、よく観察していると息が切れやすかったり、走ることができていない場合があります。
重たいものを持って移動、とかも辛いかもしれません。
そんなACHD患者がいることを、これを機会になんとなくでも知っていただけると嬉しいです。
40代に突入できたこと、今生きていることに私は喜びを感じています。
なんとかこのまま、もう少し生きていたいです。
いや、正直そこそこ長生きするつもりでいます。
子どもの頃から想像していたことがあるのです。
「先天性心疾患で長生きできてる人」という枠(なんだその枠)で『徹子の部屋』に出たい。
もしくは『笑っていいとも!』のテレフォンショッキングに出たい(果たしてどんなツテで紹介されるつもりだったのかは謎)、と。
『笑っていいとも!』は番組自体がなくなってしまいましたが、『徹子の部屋』はまだまだ現役。
結構真面目に、狙っています笑
自己紹介と言うには長過ぎますが、私はこんな感じです。
興味を持ってくださると良いな。
参考文献
丹羽公一郎、中澤誠編集
「新目で見る循環器病シリーズ14 成人先天性心疾患」
メジカルビュー社、2005年