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びいどろ 

それは、私がまだ子供の頃の事

ある日我が家にびいどろがきた


透明な筒と、丸いドームがくっついたみたいな形をして繊細でとてもきれいなガラス細工


そして筒の方からふくと、ぽんと音がするという


どれ私がやる!いや私が!

みんなで交互にポン、ポン、ポン!


すると、強く吹きすぎたのか


パリン!


小さく何かの音がして


気づけばびいどろ割れていた


あっという間に


まだ、数えるほども吹いていないのに


はかないものだ


何てもろいものだったのだろう


でも、割れたものは帰らない


そのびいどろが残してくれたのは、切ないような、悲しいような、小さな後悔の気持ち


こんなにもろいものだと、もっと早くわかっていたなら


でも、例えどれほど大切に扱ってもいつかは割れてしまうんだ


まるで、はかない人生のようなガラス細工


でも、だからこそ惹かれる


そのはかなさも繊細で、透き通った姿、なにもかもが美しくて・・・


またいつかひいどろを手に入れることがあれば、今度はもっと優しく吹いてみよう


そう思って目をつむり、まだ見ぬびいどろの涼しげな音を、想像していた・・・


・・・小さい頃のびいどろの思い出を少し脚色して物語風に綴って見ました

ガラス細工、儚いけれど大好きです

どうしてこんなに惹かれるんだろう

いくら見ても見飽きないくらいです

我が家のガラス細工、置物たち

読んでくれてありがとうございます^ - ^

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