鼻のプロテーゼを抜いて入れ直した話。第1話
うわ。何か鼻先ぽこってなってる。
しかも何かちょっと赤いし。
うわうわうわ。
えー。今何年経った?前にプロちゃん入れてから何年だ?
えー、どうしよどうしよ。待って、あの医者やぶ?
朝、出勤前の更衣室の鏡を見て、鼻先の異変に気付いた私。
何とか朝の申し送りには参加できたけど、プロテが飛び出して来たらどうしよ、鼻の異変誰かに指摘されたらどうしよ…
と、得意のネガティブ思考全開で冷や汗が止まらなかった。
その思考はどんどん加速していき、頭がふわっと真っ白になって、
やべー倒れそうと思ったので、申し送り終了と同時にトイレに駆け込んだ。
トイレットペーパーで顔中(首も)の汗を拭き、
いやいやいや、まだ大丈夫でしょ!
まだこいつ入れて4年しか経ってないじゃん。
L型だけど、限りなくI型に近いって先生言ってたし。
一晩寝たら何かが変わることだってあるっしょ!ウン。
と、自分を励まし、少し落ち着いたので現実世界への扉を開けトイレを後にする。
「ねぇりぃさん、顔に白いの付いてるよ。それ何?」
医師に話しかけられた。
気難しくて普段自分から話しかけることなんかないのに。
「え?何ですかね?ちょっと見てきます!」
鏡に向かうと、トイレットペーパーぽろぽろになったのが顔中に張り付いてた。(苦笑
恥ずかし><
と、まぁこんな感じで最初に私が鼻先の異変を察知した日は軽いパニック状態になりました。
それからしばらく私は毎日鼻先の観察を続けましたが、状態が良くなることはなく、むしろ悪化していった。
鼻のプロテーゼ。
それは私にとってなくてはならない相棒のような存在。
それは大嫌いだった過去の私を姫へと昇格させてくれた魔法のアイテム。
(※姫というのは、メタファーです。すいません。)
こいつはもう私の体の一部だ。
と、思っていたので抜去という選択肢は私の中にありませんでした。
つづく・・・。