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おにぎりは、温めない。

コンビニのおにぎりは、温めない。
温めた方が美味しいのだろうけど、温めない。
なぜかと言うと、それは「冷めてしまう」から。
温かいうちに食べないと!と追い立てられながら、おにぎりを食べたくないわけです。
おにぎりは、いつ、どこでも、気軽に食べられるのが良いのであって、「瞬間の美味しさ」と引き換えに心を急かされて食べるものではないと思うのです。
これは、例えば、全然急いでるわけではないのに、目の前の青信号が点滅し始めると、つい速足になってしまう感じと似ています。

日本人は「焼きたてパン」が好きです。でも、「焼きたて」を売りにすると、「冷めたパンはよくない」となってしまいます。
むしろ焼きたてより2〜3日経った方が味が落ち着いて美味しいパンだってあるのです。
この「味の落ち着き」を噛み締め味わうのが、ヨーロッパ的な「粋」なのだと思います。
もちろん、江戸っ子が蕎麦つゆをちょっとしか付けないことを粋としたのは、蕎麦つゆが希少なものだったことの裏返しであったように、パンにおいても、昔は一週間とか1ヶ月分をまとめてドカンと焼いて、それを少しずつ切って食べるのが当たり前だったから、イーストが生まれて発酵の手間と時間が減り、毎日焼きたてのパンが食べられるようになった今だからこそ生まれた懐古的な理論なのかも知れません。

でも、でも、やっぱりちゃんと乳酸菌と酵母菌で発酵させたパンは、数日経った方が美味しいのです。いつでも食べられる安心感、利便性も併せもって!

いつまでも若く在りたい人と、少しずつ年老いていくことを楽しめる人、どちらになりたいか、という話にも似ている気がしますが、それはちょっと飛躍しすぎな気もするので今日はこのへんで。

皆さんは、おにぎり温めますか?

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