41.告白【ショートショート】
ただの好奇心だった。みんなが私のことをどう見ているか確かめたくて、ちょっとの間内緒にしようと思っていた。
こんなことになるなんて。
「志位君が放課後、体育館裏に来てほしいって」
最近よく話しかけてくる男子からの呼び出しを友達に伝えられる。他の女子たちが「絶対告白だよ。最近二人良い感じじゃん!」「えー羨ましい! 志位君イケメンだし優しいし、最高だって!」などと囃し立てる。
行かない選択肢が欲しかったが、皆で見守ってあげるからと、行かざるを得ない空気を作られてしまった。
放課後。体育館裏に行くと一人の男子が緊張した面持ちで待っていた。
二人で向かい合い、しばしの沈黙。建物の陰では複数人の女子たちが覗き見ている。
意を決して彼が口を開こうとした刹那。
「待って。まず私から告白させてほしいことがあるの」
彼の発言を遮って、私が口火を切った。
「実は……。私、半年前から手術で目が見えるようになってたの。だから志位君が本当はどんな目で私を見てるか知ってるし、皆が言葉の裏で私をどう扱ってるかも知ってる。
――ごめんなさい」
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