今期の徳島を振り返り…守備③
今回挙げたい部分はゴール前の寄せの判断。
ゴール前は「強さ」とも表現するが、フィジカル的な要素だけでなく状況に応じた正しい配置を取れているのか…判断を伴うポジショナルプレーとも言える要素も含んでいると感じている。
こちらも属人的なものはあるのだが、それを向上させるのもチームだしチーム全体の仕組みから連携できる来期への課題ではないかと考えている。
実際の試合から
鳥栖との初戦、仙頭選手のゴール(CKクリアミスから)
清水との二戦目、原選手の先制ゴール(人数が揃うなかでこぼれ球に反応される)
福岡との2戦目、金森・ジョンマリ選手の計3ゴール(原選手のゴールと同じ)
横浜FCとの二戦目、高木選手のミドル(前に立つもコースを空けてしまう)
最終節広島戦、藤井選手の飛び込み(立ち位置のミスでクロスに届かず)
同じく広島戦、エゼキエウ選手のブロックからのヘッド(ブロックされフリーで打たれる)
選手は機械ではない。集中力を保ち続けすべてを防ぐのは難しい。
しかし同じようなエラー、守備者が居るのに居ないような状況になり失点する場面が連続しているように感じていることから総合的に考えると、
ゴール前での守備の判断と経験…本番での失敗からではなく、練習でより積み上げていけるのものがあるのではないか。
ダブルボックスのすすめ
このような場面を観る度に浮かんだのがゴール前を想定した
「ダブルボックス」
という、D級でも取り上げられていた恐らく指導者の中ではお馴染みのメニュー
(鹿島ユースでも取り組んでいる様子が那須さんのYouTubeで紹介されていた)。
ペナルティエリア2つ分のコートに通常サイズのゴールが二つ。
要するにコートの全てがシュートレンジであるべき状況のなか、
シュートにフォーカスする前提のもと、シュートを打たせないコースを意識した立ち位置、GKとの連携含めた他のエリアとは異なる寄せの判断とコミュニケーション…DF要素も向上できるメニュー。
リスタートにイレギュラーなルールを入れたりサイドにクロッサーを設定すれば、切替要素やセンタリング対策もなる。
特に他をフリーにすることを気にしすぎて?一番防がなければいけないキッカーに寄せられない現象が連続した今期を振り返るとこれは必要な要素が詰まっているメニューであると考える。
個の能力とは
個の能力はボールスキル、地上戦での1対1ならびにフィジカルだけではない。
個やチームの戦術はポゼッションだけではない。
プロアマチュア問わず、ポゼッションやポジショナルプレーを志向するチームは作戦版で表現される平面での動きに囚われすぎていないか?と感じる場面は多々ある。徳島はこのような要素にどのように向き合っていたのだろうか。
アトレティコマドリッドが見せる守備の球際での隙の無さは、ネットにも掲げられている部活のような?泥臭いクリア練習が背景にあるのは知られたところである。
あのようなプレーもまた、華麗な攻撃とは種類の違うサッカーの魅力的な要素だと考えている。