漢方の副作用

漢方には副作用が少ないと思っている医師や薬剤師が多いことに私はビックリします。漢方は副作用が無いのではなく「分かりにくい」という表現が正しいのです。

たしかに、西洋医学に比べると重篤な有害事象は少ないですが副作用は存在しますので簡単に書きます。医師や薬剤師にも為になる内容です。

副作用は漢方一つ一つで判断すると大変ですが中の成分である生薬で把握すると楽になります。

【代表的な副作用(生薬単位で記載)】
マオウ(麻黄)→心臓に刺激を与えるため高血圧・狭心症・不整脈の持病のある人には要注意です。前立腺肥大の人は尿が出にくくなることがあります。

カンゾウ(甘草)→むくみ・高血圧・筋肉痛などの症状が出ることがあります。

ケイシ(桂枝)やニンジン(人参)→発疹が出やすいです。

サイコ(柴胡)やオウゴン→間質性肺炎・薬剤性肝障害や膀胱炎の事例が報告されています。

サンシシ(山梔子)→腸間膜静脈硬化症の報告があります。

ダイオウ(大黄)、ボウショウ(亡硝)、トウニン(桃仁)、ボタンピ(牡丹皮)、コウカ(紅花)、ゴシツ(牛膝)→妊娠初期(第12週頃まで)で早産、流産の可能性を上げる報告があります。


【副作用と紛らわしい症状】
瞑眩(めんげん)、一時的発熱、下痢などが出る現象です。この場合は漢方が効くまでの過程で発症することがあります。少し様子を見て直ぐに症状が治まり始める時は薬をそのまま続けます。