仕事を辞めて2ヶ月経った
仕事を辞めて2ヶ月経った
仕事を辞めて田舎に帰ってきて、2ヶ月が経った。体調を崩して貯金はあっという間に消え、強制送還されてからは、ぼんやりと穏やかな毎日を過ごしている。
一人がもともと嫌いで、途中からひとり暮らしになってしまったから寂しかったんじゃない、と母に言われて、確かに家に誰かが必ず帰ってくるというのはいいなあと今、つくづく感じる(私の友達にそれを話すと皆、ひとり暮らしは寂しくはない、気楽でいいなんて言う)。
のんびり過ごしていれば体調不良なんてあっという間になくなって、元気になってしまうと信じてやまなかったが、意外とそうでもなく、不安定な感じの日々を送っている。
むしろ理由も分からず体調が悪い日もあって、このまま仕事を続けなくてほんとうによかったと思う。母はほんとうに私がだめになる瞬間をわかっていて、県を超えて迎えに来た。
それから
ショッピングをしているとあれも欲しいこれも欲しいと思う。
今日も、白い石のブレスレットがほしい。透けるスニーカーがほしい。取手付きの花瓶がほしい。
でも、家に帰り、寝る前にベッドの天井を見上げた頃、全てに満足する。
ああ、もう十分だ。今のままで十分。
全部、いらない。
体調が悪いと尚、なる。きっと早死するから大丈夫なのだ。このままでいい。頭痛いし、もう今日は全部いいや。今まであんなに幸せだったから、今こんなに調子が悪いんだ。
今までずっと幸せだったのはほんとだ。
今はどうやったら体が自由に動くのかずっと考えて、自分のことを自分でどうにかできないなら、あれもいらない、これもいらない、と全部手放したくなる。
いっぱいお出かけしてあげられないなら、子供も欲しいなんて言わないほうがいいのかも。
ていうかその前に、人並みに稼げないなら人と結婚しようなんておこがましいかも。
もう全部いいのだ。
今だけ好きだよと言っても許してくれる人たちがいればそれでいいのだ。
それだけで十分ありがたい。
そう考えると、今も幸せの部類に入ると思うのだ。
何も恨んでなどないが、未来を考えず今だけを生きても許してくれるだろうか。それだけが心配ごとだ。
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