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瞑想をしていると、顔だけの男性が
ぼんやりと浮かんできました。

次第にフォーカスされ、はっきりしたその顔は
ファイナルファンタジー9のセフィロスみたい。
長い銀髪が輝く、端正な欧米系の顔。

こちらがセフィロスさま。

あなたは宇宙人?
というわたしの問いに対して、
コクン、と頷く彼。

何星の人??

「★▼◎」

初めて聞く星の名前でしたが
そこでメモを取らなかったので覚えていません。

★▼◎、素敵な名前ね。
その星の名前を唱えているだけで

わたしは幸せな気持ちになりました。

ねえ、わたしはどうしたら眠れるのかしら。

「巡る」

何を??

「氣と血」

そっかあ。
じゃあどうしたらこの皮膚炎は治るかしら。

「太陽」

そう答えた彼の顔は消えて
交流は途絶えたーー。

…と思いきや、仰向けになって寝ている
わたしの呼吸は次第に荒くなり、
ハッハと言いながら上半身を上下し始めます。

これはもしかしてーー??

だけど全然気持ちよくないぞ笑
彼の姿はないし、エネルギーが
入ってくるだけの行為。

瞑想の1ターン目で、

「いずれあなたは宇宙人とーー。」
というメッセージがあったけれど、
これがそうなのかしら?

だとしたら思ったよりあっけなく、
つまらないなぁ笑

꙳ ꙳


その後夕方から電車に乗ると
ものすごく不機嫌で、ブッスーとした顔の
女子高生が隣に立ってきました。

耳を澄ますと、
「おっそいんだよ…!」
と電車かスマホに対して文句を言っています。

いつものわたしなら場所を変えるところ。
しかし今日はなんだか実験したい気分だったので
レッツ瞑想◡̈❣︎

彼女を黄金でフワッと包み、宙に浮かべます。
だけど相変わらず彼女はムスッとしている。
あはは、まあそんなものかしら〜と
わたしも意識を切りました。

バタン!!!!

突然その女の子がドアに手をついて倒れる。
大丈夫ですか?!!!!
咄嗟に抱えるように腕を差し出したけれど

その必要はなさそうで、
「大丈夫です…」
と倒れたことを恥ずかしそうに
エヘヘと彼女は照れ笑いを浮かべています。

おそらく、一瞬睡魔が襲ったのかな?
とにかく大丈夫そうだったので、
よかった…と思わず声に出して呟きました。

そしてその呟きを聞いた彼女は一瞬目を丸くし、
ポッポと心に蕾を咲かせます。

最初に乗ってきた時に醸し出していた
灰色の煙が消え、
彼女の周りをサーモンピンクが包んでゆく。
彼女の心の温度が1℃上がったのが
分かりました。

わたしが次の駅で降りようと一歩足を出した時、
「あのッッ。あ、ありがとうございました!!」
と彼女の声がする。

振り向いてお顔を見ると
まん丸のお目目とはにかむ口元。
心なしかお顔も桜色になって、
綻ぶ花のようにフワッと
ピンクの空気を散らします。

そのお顔が年相応にかわいらしくて、嬉しくて、
いえ!大丈夫そうでよかった(*´꒳`*)
とわたしも自然に笑顔になりました。

すると彼女の口角はニンマリと
1センチ持ち上がり
「愛されている人」の顔になっていきます。

そう、貴女は愛されているし、
わたしも今、貴女に愛されている。

温かく柔らかな空気に包まれた電車を見送り、
橙色に染まる、そんな夕日色の帰り道でした。



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