【旧:慶学サロン】建築作品から学ぶ集団規定 vol.7-東京駅・丸ビル×法57条の2 特例容積率適用地区
やれやれ・・・
慶学サロンにおいて、法規トーーク!vol.7、無事終了しましたー!
慶学サロンでは、法規トーーク!と題しまして、一級建築士試験に出題される建築作品をピックアップ、その都市計画情報をもとに、建築基準法第3章 集団規定について学んでます。
前回までの様子は、下記。
さてさて、さっそく。
■ 建築作品選定のうらがわ
はい。
有無をいわせません。でした。笑
前回特定街区をやっておいて、よかったかなーと思います。
容積のやりとりは、特定街区でもできるんですよね。
だけど、「特例容積率適用地区」の場合は・・・みたいな話をね。
■ 敷地周辺調査
駅舎の復原終わってから、皇居側から見ましたー?
駅前広場と行幸通り(みゆきどおり又はぎょうこうどおり)も、きれいに整備されてめっちゃすてきになってるので、機会あらばぜひ。
今更敷地周辺調査せんでもえぇやろ、っていうくらい、東京駅に関しては、ワタクシ、個人的にめっちゃ興味がありいろいろと調べたことがあり。
どちらかというと、産業革命+鉄道+都市の関係?
直近の廃線した鉄道施設→用途変更まで。
東京駅に関する藤森センセ(藤森照信先生)の文章も、あちこち見かけますしね。
とはいえ。
丸の内の方が全然知らんので、改めて「一丁倫敦」調べました。
そして、「一丁紐育」っていうのもあるのを知りました。
動画では、そんな話をしています。
■動画の内容
1. 一級建築士試験計画科目における建築作品
お題:東京駅・丸の内ビルディング
2. 出題的特徴・キーワード
東京駅のみ…
知っとるわ、と言われそうですねw
3. どうしてこうなった?という経緯
ノッケから、皆さんをワールド・ツアーへお連れしました。笑
産業革命で盛り上がって、1830年初めて旅客の蒸気機関車を走らせたイギリス。
それから、その勢いをみながら、慎重に慎重に鉄道のルートを決めていったフランス。
さらに、同じく情勢をにらみつつのドイツ(旧プロセイン帝国時代含む)。
そのしばらーーーく後(約50年後)に、明治維新後の明治政府がいるわけですね。
そうすっと、いろいろ比較対象になるわけですよ。
鉄道を初めて導入するにあたって、どうゆう状態がいいのかって。
てな感じで、
中央停車場=現東京駅と丸の内界隈が出来て、80年くらい経って、保存・復原や建替えした経緯を、震災・戦災・社会情勢・都市計画と絡めてお話しました。
4. 建築概要
東京駅のものです。
すべて、新建築 2012年11月 p188より引用しております。
大正3年て、第一次世界大戦が始まった年なんですね・・・
100年以上経ってると。
東京は、関東大震災に戦災に、少なくとも2回は瓦礫野原になってますので・・・
前回扱った聖路加国際病院と三井本館もそうですけど、古い建物がとても貴重ですし、残ってよかったーと思います。
丸ビルについては、新旧確認しました。
ちなみに、丸ビルは、特例容積率適用地区の制度は使わず、特定街区を使ってます。
基準容積率 1,000%、指定容積率 1,300%なんですが、この特定街区は二街区に渡っていて、丸ビルの敷地は許容容積率1,437%、もう一つの敷地が許容容積率1,040%だそうです。
東京都 特定街区プロジェクト一覧より
54 丸の内二丁目特定街区 を探してみてください。(特定街区の計画書・計画図に関しては、窓口へ行かないと閲覧できないそうです)
5. 都市計画情報
これはですねー
最初に慶さんに送りつけて、千代田区すごーーーーい!って二人で盛り上がったんですね(もはや変態w
なお、情報はR03年現在です、念の為。
法定容積率?基準容積率?が、900%なんですよ・・・
それだけでもすごいですけど。
実際は、保存・復原しても200%程度だったので、残りの700%を6つ?敷地の持ち主に売ったと。(グラントウキョウノースとサウスは一体?ですかね?別なら6つです)
ほんとに、えらいこっちゃなお金が動いてるんでしょうね・・・(チャットでも盛り上がりました・・・以下略)
6. 容積率にまつわるエトセトラ
後半、慶さんのターンです。
まずは慣らしから。
それぞれ、建築基準法についてどこに規定があるかの確認です。
だいぶ慣れっこになりましたかね?
特例容積率適用地区は、過去問ではまずほぼ法令集開かないページなので、知らなくてもOK。
目次でいきましょう。
さて、本題。
なにかと切り売りされる、法52条容積率。
各都市計画制度の適用の有無があった時の、法52条扱いについての問題。
途中で変化球の問題が出て、一人にやにやしておりました。笑
答えが、第三章には載ってないんですよね〜〜〜
回答者さんが真っ白になっちゃった!ってことで、応援射撃がzoom上のチャットであり。
みなさん、応援射撃が早かったですね!
今回も、モニター参加のusagiさん、くりりさん、お疲れさまでした!
以下、ざっと参考図書・参考資料です。
・大丸有まちづくり協議会2020
・大丸有特例容積率適用地区及び指定基準(東京都都市整備局)
・東京駅と三菱一号館(伊藤滋氏、一般財団法人 都市防災研究所)
・丸の内ビルディング|PROJECT|株式会社 三菱地所設計
「丸の内再開発について」~新生"丸の内"-新しい100年・世界へ
開かれたビジネス・交流・創造舞台~(長島俊夫氏、三菱地所株式会社)
・「旧丸ビル」の歴史を振り返る(稲田達夫、三菱地所設計、2002年3月~)
・丸の内をつくった建築形むかし・いま(藤森照信、三菱地所設計130th Anniversary)
7. アフタートークと称してワールド・ツアー
て、仰せだもんだから。
1時間が終わった後、10分ちょっとお借りして、今日のお題に関連して、グーグル・マップでワールド・ツアーしました。
(※このターンは、動画にはありません。)
あー
テムズ川沿いにあと2作品あったんですけどスルーしちゃった・・・
ミルトン・キーンズは、単なる余興です。
新オペラ座と空中公園自体は建築作品としては出題はないのですが・・・
という前フリ有りで、次の都市へ
H27年と、R01年に連発してるんですよね。
さすがにもう出ない?笑
ハイラインは、2人の地元住人によって、公園にしたらよくない?っていう発想のもとスタートした空中公園で、近年NYでものすごい人気だそうです。
都市の楽しみ方を新しく開拓したとか、すべて寄付金で賄っているとか、都市公園界隈から情報がたくさん流れてくるので、かなり愛されてるようで!
行ったこともないのにめちゃめちゃ知ってるつもりになってますが、行ってみたいー!!!
てことで、今日のお題「鉄道」と都市計画にからめて、海外の建築作品をワールド・ツアー的に回ってみました。
あー楽しかったー(私が一番たのしいw
■本日のトップ画像
どこでしょう?
写真撮った日、雨でめっちゃ暗くて・・・
そして緯度の高いところなので、昼間の3時過ぎには暗くなるし・・・
ものすごい青っぽく撮れてしまった写真なんで、さすがにと思って色調整したんですが、空のコントラストがおかしいですね(泣
答え
(オランダ)アムステルダム中央駅です。
この駅、東京駅と似ている駅、ということで、辰野金吾氏が参考した!?とウワサされているのですが・・・
都市伝説だったようですw
この本、多分ステーション・ギャラリーの辰野金吾展の時に出版されたのかなと思いますが、検索すると古本ばかりで。涙
ともあれ、この本に掲載されてる内容をたくさん参考に致しました。ありがたき。
で、
アムステルダム中央駅も、東京駅と同じ通過式で、行き止まり駅(鉄道用語で頭端式と言うそうですw)ではないんですよね。
現地行った時、全然東京駅とちゃうやーん!
って思いましたが。
上記の本にも「似ている・辰野金吾氏が真似した案」を真っ向から否定していて、あ、やっぱり?って思いました。
確かに、駅舎内の動線からなにから全部違います。
そもそも、東京駅は、お雇い外国人のドイツ人であるバルツァー氏が基本設計したものを、辰野金吾氏が外観を赤レンガにして洋風()に変えたので、空間構成自体はほぼバルツァー氏発案のものなんですよね。
外観も・・・似てる・・・???
うーん、似てるっていうのか?
これは似てない・・・よねぇ?って。笑
アムステルダム中央駅、駅ナカのカフェがめちゃめちゃ天井が高くてかっこいいんですが、暗くて写真撮れてないです・・・涙
自転車大国だけに、鉄道に自転車を畳まず持ち込み可なので、うらやましい・・・
行く機会あれば、猛スピードで通過する自転車に轢かれないように充分に注意した上で、全然東京駅ちゃうやーん!を体感してきてください~
今回で最後になります!
少しでも役に立てば幸いです。