【旧:慶学サロン】建築作品から学ぶ集団規定 vol.2-土浦亀城邸×法42条2項道路
■法規トーーク!とは
改めまして。
慶学サロン?法規トーーク!?
なんじゃらほい?という説明を少し。
2020年12月からスタートした、慶学サロンとは・・・
そして、法規トーーク!とは・・・
建築作品 ✕ 建築作品の都市計画情報をもとに、建築基準法第3章 集団規定について学びます。
こんな方にオススメです。笑
具体的に、なかなかイメージのわかない建築基準法第3章 集団規定。
ひいては都市計画って、なんのこと?
そんな疑問に答えるべく・・・
・法令の成り立ちや目的、定義
・試験以前に、一級建築士として最低限知っておくべき基礎知識
こんな内容を、建築作品の勉強と織り交ぜて、独自目線で解説しています!
■ 建築作品選定のうらがわ
いやはや・・・
こっからスタートしまして・・・
最初、塔の家がよかったんですー
でも、都市計画情報調べたら、慶さんのアンテナに全然引っかからないw(この絶妙なサジ加減が難しいw
うーん、建築作品とはいえ個人宅だし、個人情報出てるところなかなか・・・
調べたら出てくるけど、それをグーグルマップでガンガン見る題材にできるかっていうと・・・
困ったなぁ・・・
そいえば、土浦亀城邸、たしか・・・?
東京都の重要文化財とかだったっけ?と思いまして。
(正式名称、都指定 有形文化財(建造物))
で。
都市計画情報見たら、前面道路が法42条2項道路で・・・
それ聞いてはしゃぐ人、一名・・・w
はい。
作品選ぶのたいへんですw(だいぶ楽しい
ということで、
本日のお題、土浦亀城邸は個人宅なので、このnote記事にはグーグルマップや都市計画図の貼り付けは止めておきます。。。
■ 敷地周辺調査
この土浦亀城邸、ネット上とかでよく見かけるガレージ前からの写真・・・
敷地の入り口に、結構大きな擁壁がありまして。
前面道路と敷地の高低差を解消するための擁壁が、丸くカーブしててかわいいんです、コルビュジエぽくて。
私自身、グーグルマップ3D見るのが趣味みたいになってるんですが、この高低差・・・
ストリートビューで見ながら、あれ?って。
地形が・・・?
どうなってるんだろ?
その高低差がどんな風になってるかに気づいちゃった自分に、なんか、ちょっと一人でニヤついてしまいましてw
動画でサクッと解説させてもらってます。
■ 内部空間の豊かさ
いやはや・・・
竣工が、昭和10年(1935)ですよ???
周辺は瓦屋根の木造住宅ばかりだったと思いますが・・・
竣工当時、相当目立ってたでしょうね~
敷地の高低差を生かし、さらに家の中も居間を中心にワンルームの吹き抜け空間になってるという。
この内部空間の「垂直方向の連続性(スキップフロア)」という特徴は、下記に引用する記事にある建築史家藤森照信先生いわく、師匠であるフランク・ロイド・ライトの影響だということですが・・・
試験でもよく出る最小限住宅とか、極小住宅とか、都市型住宅の原型でもあるんだなーと・・・
知ってか知らずか、現代というか私達世代の住宅は、このスキップフロアの影響を相当受けているなーと。
オフトークで、そんな話でも盛り上がりました。
このかわいらしい「白い箱」を中心に、戦前・戦後すぐ辺りの他の住宅作品を見ていくと、面白いだろうと思います。(少しは計画建築作品に興味が出るかも?
ま、ゴタクはこの辺りにしまして。
なお、歴史的背景・平面図などの全情報は、下記、TOTO通信の建築史家藤森照信先生の文章を参考にさせて頂きましたm(_ _)m
土浦亀城氏のプロフィールページをちゃんと読んでなくて、バウハウスの影響による南側前面の大ガラス開口については触れられず・・・ちょっと反省してますが・・・
試験対策としての建築作品キーワード的にはバウハウスではないので、はしょったということで。。。お許しください。(だめすぎる・・・汗
■ 動画の内容
動画の前半です。
1. 一級建築士試験計画科目における建築作品
お題:土浦亀城邸(つちうら かめき)
→ お名前が読めないままに、試験に合格した人多数?
2. 出題的特徴・キーワード
3. 時代背景と近代建築五原則
4. 建物概要
5. 都市計画情報
R03年現在です、念の為。
建設当時(昭和10年)の都市計画図?はもちろん調べてませんw
ここまでが、建築作品。
以下、後半です。
6. 法規解説編
それから、本題。
そしてそして。
こんな感じで、だいたい一時間でした!
よかった、資料作成中にだいぶ脱線したので、削ぎ落とすのがたいへんだったんですけど、まさかの時間内に終わるとは(かなりマグレ)。笑
オフトークは・・・
■ オフトーク後のオフトークw
動画の録音切った後、みなさんの感想聞かせて頂いたんですがー!
法規の試験に出ないような実務的な疑問は、慶さんが受けてくださるので・・・助かります。苦笑
どんな質問があったか・・・すでに思い出せず(あかん)
一方、建築作品の解説やら道路の解説については、私が調べながら、わぉ!って思ったことに関して、ものすごく反応してくださって・・・嬉泣
慶学サロンの方は、二級建築士の方とか住宅系の方が多いので、みなさん、作品がとても身近に感じられたようですね。
・モダニズム、木造、白い箱、というイメージが一発で記憶された
・急にこの建築作品が身近になった!
・よく見かける外観の写真が広角を使ってる写真になっているのは、前面道路の幅員が狭くてこれ以上引いた位置から撮れないから、ということがわかった!笑
・戦前の木造建築なのに、コルビュジエやライトの影響がそこここに感じられる
・平面図に残された手描きの室名がカワイイ
・玄関扉が内開きであり、玄関ホールが広いところなんかは、とてもアメリカ式!
・地下の浴室の配管むきだしな意匠が、一周回ってかっこいい!
そして、法42条が身近になってくれるといいなーと思いましたが、実は2項道路について、意外なところでの頻出問題だった!ってことで、みなさんオオウケw
いや、気がついてないだけで、実はものすごい頻出なんですよwww
次問題解くとき、絶対"亀ちゃん"思い出すと思いますーって。
私も、まさかの!そういやそうだわーと。笑
この件については、完全に慶さんのお知恵拝借でした。
メンターからも、おもしろかったという言葉を頂戴しまして、ほっと胸をなでおろしているところです。
■ 本日のトップ画像
動画でも話題にチラッと出しましたが。
アントニン・レーモンドのご自宅「笄町の自邸」
→ 群馬県のパトロンである井上房一郎氏が、レーモンドご本人に頼んで造らせてもらったコピー作「旧井上房一郎邸」
→ 高崎市の景観重要建築物に指定、高崎市美術館の一画として保存公開
北側立面の上部が、例の「近代建築五原則」のうちの「連続水平窓」が見えてとれます。
レーモンドさんご本人がお気に入りのテラスも再現されていて。
すごくすてきな建物なので、機会があればぜひ。
今後も、建築基準法、都市計画にまつわる基礎的な知識をはさみつつ、一点加点になるような動画を作成していけるようにがんばりますので、お付き合いください~