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【旧:慶学サロン】建築作品から学ぶ集団規定 vol.3-六甲の集合住宅×法52条容積率

こちらの記事は、2021年に活動しておりました「旧:慶学サロン」で実施した人気講座です。引き継がれた「建築士合格サロン」に入会されますと、無料で動画を閲覧することが可能です。
詳細は、こちらのページからどうぞ。

vol.3 ってことで、法規トーーク!、慶学サロン内でも定着して来た感がありますが(いや、定着してきたと勝手に思ってるの私だけ)。

■ 法規トーーク!とは

まず、これまでの振り返りを。

こんな感じです。
慶学サロンでは、法規トーーク!と題しまして、一級建築士試験に出題される建築作品の一つをピックアップして、その都市計画情報をもとに、建築基準法第3章 集団規定について学んでます。

一挙三得?
だといいですねぇ。

建築作品、対策しようにも大量にあるし、興味ないととっつきづらい、ですものね・・・
3回LIVEをやってみて、こちらとしても手応えがだいぶありで、建築作品調べて、都市計画情報調べてって、資料作ってる時間がとても楽しいです。

■ 建築作品選定のうらがわ

今回もですね・・・
だいぶ難工事でした・・・(そもそもの作品自体が難工事

慶さん「住吉の長屋、やりたいんですよねー」
私「え、また住宅ですか!?(土浦邸やったジャン・・・しかも作品とはいえ個人情報出るし扱いづらいwww)」
慶さん「えー・・・(やりたい圧・・・)」
私「うぅーーーん、安藤忠雄さん限定で、計画作品で出題と言えば、六甲の集合住宅もありますけど・・・冷や汗」

いやいやいやいや、巨匠すぎる・・・()
国内外にファンの多い安藤忠雄さん・・・
ほぼ無知に近い私に解説ができるのか・・・

個人的には、Next21やりたかったんですが・・・
例の法規の魔人のアンテナ、まーーーったく反応せずw
他に、日本で唯一建ってるレム・コールハスの集合住宅とか?
ふぅん・・・まぁ、"これでも"いいかもですねぇ的な反応でしたwww

■ 敷地周辺調査

話戻しまして、vol.3のお題、六甲の集合住宅
都市計画情報・・・
わ、わ、すご!
等高線どんだけw
崖すぎる・・・
グーグル・マップ・・・!?
崖つーか、もはや絶壁ちゃう?

そして神戸と言えば・・・
震災に触れないわけにも行かず。
それから、国土交通省の、「絵で見る都市計画」っていう解説ページに出てくるような!教科書みたいな都市計画だ!って話もしたいしwww(以降、調査は大幅に脱線w

はい。
できうる限りで、凝縮して説明致しました(建築作品に関する持ち時間20分)

■ 発想の原点

持ち時間中にもお話しましたが、安藤忠雄さんといえば「旅」

今回参考にした図書『JA Library 3|安藤忠雄 六甲の集合住宅 I・II・III』によると、若い時に旅して、歩いて、見てきた世界中の建物の中から、「傾斜地」「集まって住む」ということに焦点を当てて、印象的だった場所をいくつか挙げてらっしゃるんです。

動画では、短いですけれども、安藤忠雄さんの六甲の集合住宅を設計するにあたっての発想の原点となった場所を、いくつか私の方で選別して、グーグル・マップによる世界旅行ツアーに、みなさんをお連れしました。

ぜひ、一緒に旅した気分になって、その中から安藤忠雄さんがどのように「傾斜地」「集まって住む」ことを考えて、設計されたかを感じとって頂けたらいいなと思います。

■容積率・・・にしとく?

さて、慶さんに都市計画情報をお渡ししてからの、打ち合わせの場。

断面図バーーーン!

私「センセイ、これ・・・階数わかります?『地上6階建て、地下4階建て』って書いてある資料と、『地上10階建て』って書いてある資料があるんですよ。」
慶氏「うーーーん、これはですね、建築基準法的にはですね、こう・・・(以下説明略w)」

カクカクシカジカ。

この建物を建てるときは開発許可を得ての建設だったそうですが(区画・形・質のうちの「」のガッツリ変更ですものね・・・)。
今いる東京からでは、神戸市役所へ出向いて建築概要書を調べる手立てなし。
ま、わからんし、わからんことはやめとこ。

で、お題は容積率になりましてん。
前回、だいぶ手に冷や汗かいたので、今回もとなるとなと思ってたんですが、法規編の担当は慶さんが買って出てくださったので、お願いしました。

めっちゃ早口ですが、ポイント、ポイント、押さえた説明になってます。
私のとこは倍速で見てもいいかもだけど、後半の法規編は普通のスピードでの再生でいいかもw

今回、初の有料講義だったのですが、無料で参加枠を二人分つけまして、応募して頂いた方にはバシバシ当てる的な話でしたが!
どこまでも容赦ない慶さんw
無料枠参加のusagiさんくりりさん、おつかれさまでした!GJです!

■動画の内容

前半、ワタクシのパート。

1. 一級建築士試験計画科目における建築作品

お題:六甲の集合住宅(安藤忠雄氏設計)

2. 出題的特徴・キーワード

1. 傾斜地に建つ(60°の急傾斜)
2. 規則的な格子状の空間構成の中に、テラスや中庭的空間を配置
3. 自然眺望を活かした住戸

3. 建物概要

第Ⅱ期の情報のみ掲載します。

敷地面積:5,998.08㎡
建築面積:2,964.71㎡
延べ面積:9,043.58㎡
建築物の高さ:15.44m
階数:地上14階
構造:RC造
容積率:131.62%(許容容積率150.96%)
建蔽率:49.43%(許容建蔽率52.90%)
総個数:50戸
竣工:平成5年(1993)

JA Library 3|安藤忠雄 六甲の集合住宅 I・II・III p156より転記

4. 都市計画情報

R03年現在です、念の為。

道路:法42条第1項1号
用途地域:第1種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域
容積率:(一低層)80%・150%、(一中高層)200%
建蔽率:(一低層)40%・60%、(一中高層)60%
敷地面積:(一低層)最低限度100㎡・指定なし、(一中高層)指定なし
日影制限:(一低層)3-2時間(1.5m)・4-2.5時間(1.5m)、(一中高層)4-2.5時間(4m)
高度地区:(一低層)第1種高度地区、(一中高層)第3種高度地区
防火指定:(一低層)指定なし・準防火地域、(一中高層)指定なし
その他:宅地造成工事規制区域

カオス!笑
そして、なぜか、ずっと解説している間、今日のお題である「容積率」を「法53条」と言い続ける私・・・
資料も間違えていて・・・申し訳ないです。涙

5. 法規解説編

ここから、慶さんにバトンタッチ。
前段として、ピックアップした条文。

・施行令2条1項8号 階数
・法91条 建築物の敷地が区域、地域又は地区の内外にわたる場合の措置
・住宅の地階に関する規定(動画をごらんください)

◆慶さんによる法52条第3項の読み方

条文を見ながら、ミッチリいきましたねー
容積率を算定する際に、どの部分が加算されて、どの部分が算入されないのか。
カッコ書きが多かったり、適用される条文が○条、○条・・・と続いていて読みづらい場合は、慶さんのように、骨格となる文章にマーキングしてしまうのがよいですね。
法令集の線引きも、引く時は意図的にやりましょう、な話。

◆実際に問題を解いてみる

例題1:容積率の算定する場合の考え方に関する文章題
→法53条第3項、このような視点で問われるんですよね。
よく読まないと正解できないヤツです。どちらかというと、国語力が試される問題ですかね?
落ち着いて解答したいところ。

例題2(本番!):実際に容積率を計算してみよう!な問題(二級建築士試験問題より)
→「条文」というか文章ではわかった。今度は、実際に容積率の計算をするとき、どこの部分を足して、どこの部分の1/3まで算入しなくてよいか。これがなかなか!
普段、地階に住宅の用途を計画すること自体があまりないし・・・汗
という声が聞こえそうですが・・・

■オフトーク

・グーグルマップツアーは、六甲のイメージソースが見れたのがとても良かったです
・世界旅行気分も味わえて楽しかったです
築地本願寺の小ネタまで、参考になりました
・すごい分かりやすい講義です!
・法令を誤解せずに理解しないといけないなと思いました
・最後の問題で住宅の部分で算入されない部分を間違えてしまいました
・法52条3項のイメージが六甲の集合住宅の断面図でよりわかりやすくなりました
・第Ⅱ期の建物が、1低層住専と1中高層住専が2つに渡るということで・・・法91条を覚えました

オフトーク最後の方で、私がヘマしたところは、動画ではきれいにカットされてました、よかったw(コラ

◆オフトークおまけ
飛び入りで、製図試験対策でご活躍のイチケンさんにご参加頂いてたのですが、最後にコメント頂いたら、傾斜地といえば!平成29年のリゾートホテル課題!と即答でした。(ご自身がこの年に合格されてるw)

製図試験に行くと、容積率の考え方で「床面積のどこを足す、足さない」の指示が細かいですからね・・・
製図試験では、国語力が学科より試されるwというお話を頂きました!
一瞬にして、参加者にピリっとした空気流れましたね。
めちゃ忙しいのに、ご参加ありがとうございます!

■本日のトップ画像

どこでしょう?
ガチ幾何学な集合住宅。

南西イングランド、バースにある、Royal Crescent。
Bath、"お風呂"の語源となったところです。
建築家ジョン・ウッドによる設計で、5階建てのテラスハウスが30棟、三日月状に並んでるんですが、これまた壮観。
イギリス・ジョージアン様式の代表と言われてます。
1774年竣工。

建物は、150mの三日月の形状をなしていて、1階には114のイオニア式列柱がありパラーディオ様式のエンタブラチュア(柱頭の上部へ水平に構築される部分)があります。

Roman Bath の建物観てて、もう足が棒だったので、これ以上近寄れなかったw
超高級住宅ですね、ロンドンにもこんなような集合住宅があったけど、名前なんだったっけなーw

次回は、ふじようちえん✕用途制限です!
ぜひ、ご参加ください~


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