見出し画像

法令集の線の引き方を変えよう-準備編

そろそろ、↓↓↓「法規のウラ指導」 第三版(青い表紙)がお手元に届くころ!?

この本をもとに、線引きスタートされる方もいらっしゃると思います。

が!!!

よくよく気をつけて頂きたいのは、線の美しさや色のみやすさではない!ことです・・・ね。
何度か受験したことがある方は、特に。

毎年同じやり方では、合格できないから。
今年は、線の引き方を変えよう!

ということで、線の引き方・・・
ではなくて、法規の勉強のススメ方を少し書いてみたいと思います。



1. 法規初心者、苦手なヒト向け

まず、法規にあまり詳しくない、初心者の方向けに書きます。

で、早速ですが結論から。
法規の勉強でなにをすべきか?と言えば。

(目的)
第一条 この法律は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もつて公共の福祉の増進に資することを目的とする。

建築基準法第1条、目的を読んでみたこと・・・
って、ありますか???

この基準とは、「国民の生命、健康及び財産の保護を図り、公共の福祉の増進に資すること」のための最低の基準なんです。

最低の基準。

この基準が、まずは最低でも守れないと、一級建築士にはなれないんです・・・よね・・・
たとえ資格とれたとしても、この規定に違反するようだと、資格は取消しされちゃいます。泣

特に、地震大国であり、台風や豪雨による災害も頻発している日本。
この「最低限の基準」を単に守っているだけでは、他人様の生命や健康を守り、財産を保護するとはできないかもしれず・・・

試験に合格するのは二の次で、まずは、なんのためにこんな細かくて、絶頂めんどくさい()規定が決まっているのか、というのは意識したいところ。

ま、
唐突の書き出しになってしまいましたけども。笑
この大きな「目的」は満たそうね、ってのは、勉強する以前の、建築に携わる者として大前提です。

そして、ようやくですが、
試験での「法規の勉強の目的」といえば。

法規の問題30問を、1時間45分で解き切って、25点前後の得点を目指す。(一回目)

ですよね!?
なのに、悲しいかなー
いつの間にか最大の目的を忘れてしまって、線引きに熱中してしまうんですよね・・・

法規の勉強をスタートする前に、行くべき方向をまず、見定めましょう。
やるべきは、最低限の基準を守るべく、「条文の言ってること」を理解して「1時間45分以内に30問全部解き切って」「30点中25点前後得点すること」です。
「線をひきまくる」または「法令集をカスタマイズして満足する」ことではありません。

あれ?
なにやってたんだっけ?
線引き、なんかめっちゃめんどくさげじゃない?
とふと思うことがあれば、思い返してください。

「その線引き、ホントに必要?」

2. 法規、初めの一歩

目的は確認しました。

法規の問題30問を、1時間45分で解き切って、25点前後の得点を目指す。(二回目)

次にすべきは?

法律独特の言い回し、しきたり?に慣れる
・「三次元の建築」を「文章」で置き換えて考える訓練をする

まだ、とっても入り口のところです。
だけど、コレを意識するかしないかで、だいぶ変わります。

私は、この「法律独特の言い回し」に慣れるのに、最後の最後まで時間を取られました。そもそも国語が苦手なんだと、自分で自分のことがよくわかってなかったからです。

この「法律独特の言い回し」、具体的にどんな感じか、というと。

木造の建築物三以上の階数を有し、又は延べ面積が五百平方メートル高さが十三メートル若しくは軒の高さが九メートルを超えるもの

はい。
建築基準法第6条第1項第2号です。
読み替えると。

木造の建築物で、
三以上の階数を有するもの
延べ面積が500㎡を超えるもの
高さが13m若しくは軒の高さが9mを超えるもの
参考:確認申請を要する建築物(建築基準法第6条第1項)

基本中の基本ですが、この条文をサラッと読めるようになるには、訓練が要るんですよ。
「階数を有し、又は」とかね・・・

どこでこの文章は切れるねん?
「、」と「又は」のどっちんなん?
この「、」て要る???

これがまた、一事が万事

建築基準法って、全編に渡ってこんな風に、一度はゆっくり噛み砕いて理解してかないとで、「読んでるようで読めていない条文、内容が理解できていない条文」ってたくさん出てきます(断言)。

で、
たぶん、上記の「又は」とか「若しくは」系の話は、どこの学校とかでも、たいていは最初に説明あるとは思うんです。

が。
一回聞いて、へぇーそうなんだ?で終わるんですよ。

でも、覚えていてほしいのは、
法規が苦手だーとか、勉強進めていく段階でたいてい引っかかるのは、この「法律独特の言い回し」かなと。

カッコ書きがあったり、ただし書きがあったり・・・
山あり谷ありですからね。

なので、この「法律独特の言い回しがある」ということは、アタマの片隅には置いといてほしい内容ですし、何度でも「文章の切れ目、修飾語の切れ目はどこか?」を丁寧に確認してほしいです。

目的を果たすためには、コレをやるのが一番時間がかるんですけど、一番早道な方法の一つです。

それからもう一つ、
『「三次元の建築」を「文章」で置き換えて考える訓練をする』ですけども。

これも事例でいきましょう。

延焼のおそれのある部分 隣地境界線道路中心線又は同一敷地内の二以上の建築物相互の外壁間の中心線から、一階にあつては三メートル以下二階以上にあつては五メートル以下の距離にある建築物の部分をいう。

はい。
建築基準法第2条第2項第6号です。
カッコ書きとか、除外規定は削除してしまってるので、ちょっとは読みやすいですかね?

製図試験でこのところ話題の「延焼のおそれのある部分」ですけれども。
サラッと読んでるとわからない。

いや、この条文だけ読んでるとへぇーですけど、立体で考えないとなんですよね。

1 隣地境界線
2 道路中心線
3 同一敷地内の2以上の建築物相互の外壁間の中心線
の3つの境界線・中心線から、
 a 1階にあっては3メートル以下
 b 2階にあっては5メートル以下
の距離にある建築物の部分
参考:延焼のおそれのある部分

この条文は、断面図なりアクソメで考えるのがいいと思いますが、平面図で考えると途端に混乱して図面表現できなくなってしまうやつです(製図試験)。
もちろん、延焼のおそれのある部分が、建物うちの一体どの部分なのか、BIMとか使って三次元で考えるのが、一番カチっとアタマに入りやすいかもしれません。

あと、参考に引用した、「公益財団法人日本住宅・木材技術センター」の挿絵ですが。
断面図の隣の絵が三次元ぽく描いてあるので、わかりやすい・・・かな?と思います。

この条文は、立体的な建物の、一体どこの部分のことを指しているのか?

意識するようになるだけでも、かなり違ってきます。

3. これでやっと線引きスタート?

法規の問題30問を、1時間45分で解き切って、25点前後の得点を目指す。(三回目)

法規の勉強始める前に・・・
・法律文の読み方
・建築基準法独特の、三次元を文章で表現するやり方

こんなところを確認しつつ、ようやく勉強スタートかな?

と、思いきやw
もう一つだけ、忘れないでほしいことがあります。

条文を体系的に理解する

まぁ、これも、法律独特の規準?というか、法律独特の仕組み?なんですけども。

建築基準法 第○条
安全上、防火上、避難上△△してください、具体的な技術基準は政令に定めてるのでそれに従うか、国交省大臣が定めた構造方法又は国交書大臣の認定を受けた方法でやってください。
→ 建築基準法施行令 第◇条
法○条で定める技術基準は、□□□です。

こんな感じで、
必ず、「」の方に、守るべき最低基準について大きな枠で方向性が示されて、「施行令」や「規則」の方に、具体的に数値や処置方法が決まっています。

いわゆる、ウラ指導のありさんがよくおっしゃる法令のマップ
または、法→令の流れですね。
具体的にこんな感じです。

耐火構造 壁、柱、床その他の建築物の部分の構造のうち、耐火性能に関して政令で定める技術的基準に適合する鉄筋コンクリート造、れんが造その他の構造で、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいう。

はい。
建築基準法第2条第7号です。

耐火構造とは、をまず建築基準「法」で定めていまして。
・耐火性能に関して政令で定める技術的基準→ 施行令第107条
・国交省大臣が定めた構造方法 → 平成12年建設省告示第1399号
・国交省大臣認定

こんな感じで、細かいことは、施行令や告示で定めてますよー
なんなら大臣認定受けてもらってもいいですよー
っていうことですね。

この「構成」、いわゆる「法律の構成」ってやつを理解せずして、いきなり「施行令」に飛ぶと、途端に話の流れが読めなくなります。笑

例えばですよ、
この「法」から「施行令や規則、告示等」へ飛ぶ流れを、ひとつひとつ確認しないとしましょう。
試験は突破できなくはないですが、一対一で法令集のどこに載っているかとか、完全に記憶に頼ることになるのでは…と思います。

また、法規の得意な人も、この法→令の流れの全部は覚えてません(ここ大事)。
覚えているとしたら、どの「法」条文から、どの「施行令」条文へ飛ぶか、だけです。

もしかしたら、どこに飛ぶかも法令集に書いてあるので・・・?
今度、法規の専門家である慶さんに、暗記している部分て具体的にどこなのか、聞いてみましょうかね。笑

4. まとめ 基本のキをおさえよう

もう、どんな試験だろうと、どんな学問だろうと、どんな技術だろうと、基礎がないと、なにやったって浮足立ってモノにはなりません。

だからこそ!
線を引く=法規科目の勉強、ではないのです!!!

基準法の最低限の基準とはなにか?を理解しながら、
法規の問題30問を、1時間45分で解き切って、25点前後の得点を目指す。(四回目)

これです。
紙に書いて、勉強机の前に貼って、法規の勉強の前に読み上げてほしい!笑

というのは冗談ですが。
まずは、ナイガシロにしがちな、基本を書いてみました。

今日のトップ画像

海かと思いきや、バンコクのチャオプラヤー川の夕焼け空です。
大好きなバンコクの、夕焼け。
きれいだったなー

いいなと思ったら応援しよう!