【旧:慶学サロン】建築作品から学ぶ集団規定 vol.4-ふじようちえん×法48条用途制限
なんだか、2週間が早いですね・・・汗
慶学サロンにおいて、法規トーーク!vol.4、無事終了しました。
こちらのサロンで、法規トーーク!と題しまして、一級建築士試験に出題される建築作品の一つをピックアップして、その都市計画情報をもとに、建築基準法第3章 集団規定について学んでます。
前回までの様子は、下記。
さて。
今回も楽しい作品で、調べててうっわー!これは楽しそうだー!!!と思うことが多かったです!笑
■ 建築作品選定のうらがわ
案外ないんですよ、これだけ保育所不足が叫ばれている世間で・・・
私も、都下育ちなので。
「おーなんか、立川の佐藤可士和さん✕手塚夫婦のようちえん、めっちゃ人気で、入るのに超倍率高いらしいねー!園児に英語も教える用の建物も造ったらしいし!可士和さん効果さすがですなぁ!」などなど。子どもいない私の耳にもウワサは届いてました。(※私自身は、過去も現在も立川市民ではありません。)
この幼稚園に入りたいがために(だけじゃないと思うけど)立川市の人口が増えたとか、周辺の地価が上がったとか、吉祥寺よりもJRの乗降車数が増えたのもその頃だったか?モノレール通って、百貨店2つ、IKEAやららぽーともあるし、駅もきれいになって便利になりましたしねー
建築学会賞受賞他、手塚貴晴氏によるTEDでの講演によって、国内・海外からの建築関係だけでなく、教育関係からの視察もすごかったそうです。
おぅ、話がズレた。笑
■ 敷地周辺調査
私の知ってる範囲の立川って、JR立川駅周辺なので・・・
ふじようちえんの立地の辺りって、歩いて行くにはちょっと遠いつーか、だいぶ歩きそうですね。調べてみて、おーこれは遠いわー駅からはちょと歩けなさそーね!ってなりました。(けど行ってみたい
この作品も、公共施設ではないし、グーグル・マップの貼り付けはやめておこうかな。空から楕円形を見て、前面道路から園の雰囲気を眺めるのは楽しい作業でしたよと。
ストリートビューが冬の撮影だったみたいなんですが、楕円形建物のお隣のキッズテラス(同じく手塚建築研究所設計)の軒に、大根!!!がたくさん干してあって。お隣の畑で食べ物をたくさん育てているようなのですが、この画にはさすがに見ていて笑みがこぼれてしまいました。。
グーグル・マップよりは、手塚建築研究所の竣工写真の方が、作品自体の魅力は伝わるかなと思います。
それと、佐藤可士和さんによるふじようちえんのPV?笑
園長先生、手塚夫婦も出演されてますー
■加藤積一園長先生と佐藤可士和さんと
簡単に、登場人物の説明を。
加藤積一園長先生・久美子夫妻:ふじようちえん2代目園長・副園長先生
・先代の藤幼稚園時代には、イタリア初の女性医師マリア・モンテッソーリ女史が研究・開発したモンテッソーリ教育を日本でも早くから取り入れて勉強会などをしていた。
・老朽化と雨漏りの旧園舎が気に入ってはいたが、新潟地震を機会に建て替えを決意、設計者と相談するもイマイチピンとこず、計画は保留に。
・主に、子どもたちへ教育理念や理想を語る立場。
佐藤可士和さん・悦子さん夫妻:クリエイティブディレクター
・元博報堂、独立したてのころで、”今治タオルのブランディング、SMAPのCDジャケット”等を手掛けていて。次は、”病院や幼稚園などデザインのあまり入っていところをやってみたい”と言っていたところを、間を取り持つ方から加藤園長先生を紹介され、クリエイティブディレクターとして、参加。
・赤いトタン屋根のコの字形の旧園舎を見て、”この屋根の上を子どもたちが走ったらおもしろいでしょうね!!”と言い、”園舎自体が巨大な遊具となるような園舎”をグランドコンセプトにしてデザインを進める。
手塚貴晴・由比夫妻:手塚建築研究所、建築家夫婦
・当時、屋根の家を設計していて、佐藤可士和さんから白羽の矢が立つ。
・園内の3本の大ケヤキを残しつつ、園長先生の園内見回り動線を活かしつつ・・・円形ではうまくない・・・と悩んでいて、"中央線の電車に乗っていた時に思いついて急いで書いた"のが、楕円形。ガムの包み紙の裏に描いたそうで。笑
この3組の夫婦の合作というか。
ちょうど、佐藤夫婦・手塚夫婦に第2子が生まれる時期と重なったそうで、それぞれの夫婦の子育て経験も生かされているとのことです!すてき!
↓ 上記は全て下記参考図書より引用です。おもしろかったw
■法48条 用途制限
保育所って、用途地域関係なくどこでもいけるよねーっていうのは、あまりに有名なので、試験問題としても出ない!わけですが(ザンネン・・・
やっかい!?なのが、H28年に誕生した「幼保連携型認定こども園」。「保育所」と「幼稚園」のあいのこ?いいとこどり?の施設なんですけども。
首都圏エリアには保育園に入れない待機児童が大量にいる、という現状と、それぞれの法的規定が厳しくて新たに保育所や幼稚園が作れなくない!?という現状を反映して、内閣府+厚生労働省+文科省の管轄を超えた「子ども・子育て支援新制度」という制度ができたんですよね。
で、
調べると、一級建築士の学科試験としては、H28年制度改正以前は保育所・幼稚園に関してはほとんど触れずにきてます。笑
そして、H28年改正後「幼保連携型認定こども園、新しくできたけどわかってますかーい?」っていう出題が、計画・法規ともちらほら?
(ちなみに、製図試験は、H28年にさっそく子ども・子育て支援センターが出題。)
てことで、
後半の慶さんのターンでは、「保育所」と「幼稚園」、そして「幼保連携型認定こども園」について、「児童福祉法、学校教育法のでの定義のされ方」と、「建築基準法でのややこしい()取り扱い」について説明がありました。
いや、近年、認可保育所、認可外保育所とか、保育所に関する言葉も増えていて・・・
おー!
ややこしやーややこしやー!
ってことで、その違いすら知らなかったので、昨日説明聞いて余計に混乱した!?とか言うご意見も!
まぁ、建築基準法で3つの施設をどう扱っているかについては、定義をきちんと説明しないといけないのだけど、一級建築士の試験には出ないし、しかもややこしい&わかりづらいという致命傷・・・(-_-)
どうしてこんななったかなー()シクシク・・・と思いながら、慶さんの説明聞いてました。
ひとまず、昨日のポイントとしては、「用途地域に関わらず、保育所はどこでも建てられるけど、幼保連携型認定こども園も同じく、用途に関わらずどこでも建てられますよー」てことだけ覚えて頂ければ!
え?
お題は幼稚園だったのに?笑
■動画の内容
1. 一級建築士試験計画科目における建築作品
お題:ふじようちえん(手塚貴晴氏・由比氏設計)
2. 出題的特徴・キーワード
3. 課題に対する建築的解決
・加藤園長先生の幼児教育理論・理想の空間「不便をのこす」
・佐藤可士和さんの「子どもが育つ状況をデザイン」「園舎が最大の遊具」
この2組の夫婦の考えを受けて、手塚貴晴さん・由比さん夫婦がどのように建築的に解決したか(ここ大事)。
また、法規に関して、建築計画・形態を決定づけた2つの規定を、単体規定からひっぱってきてご説明しました。
4. 建物概要
上記の情報は、全て「新建築 2007年5月号」からの引用です。
許容容積率が・・・なんかおかしいんですけど!?
何度も確認してしまいましたが、上記図書の記載のままです。念の為。
園舎である楕円形建物の竣工が平成19年で、認定こども園の制度ができる前なのをお伝え忘れてました・・・(涙)ので、慶さんにご迷惑をおかけしてしまいました(滝汗
あかんやつ!
少なくとも、この建物は「幼稚園」で確認申請を通してるのではなかろうかと思います。そして、慶さんには、次回から竣工年もちゃんとお伝えします!
5. 都市計画情報
R03年現在です、念の為。
前回に続き、2用途地域にわたる敷地です。
前面道路が幅員30mもある法42条1項1号道路なんですが、その道路沿い20mは、第一種中高層住居専用地域で、残りが第一種低層住居専用地域です。見た感じ、第一種低層住居専用地域が多めですね。
6. 法規解説編
それぞれ、含んだり・除いたり!?
ややこしい・・・
ここは深入りしなくてOKで、必要なのは下記。
以上を踏まえてのー
集団規定
法48条 用途制限
・保育所が建築できない用途地域
・学校が建築できない用途地域
実践問題
・工業専用地域内に建築可能な用途の建物
・第一種低層住居専用地域及び第一種中高層住居専用地域にわたる敷地に建築可能な用途の建物+別表2の「学校」の読み方
実際の試験出題
・工業地域内に建築可能な用途の建物
おまけ
・単体規定から出題
・・・
と、サラッと書いてしまいましたが、usagiさん、mychiさん、緊張の中での解答おつかれさまでしたー!お二人ともGJです!
■本日のトップ画像
ガーゴイルを探せッ!!!
ってことで、パリのゴシック建築といえば!
ノートルダム寺院!
の側壁ですー(正面からの写真じゃなくてスミマセンー笑
いいんです。
雨どいのガーゴイルたちが大事なんです!
ぴよぴよと飛び出てます!かわいい~
午後遅くに行ったので長蛇の列で・・・
並ぶ気にならず、横を通過した時に撮った写真!
まさかこんなところで役立つとは。
え?
ガーゴイルがどうしたって!?
動画みてくださいませー笑