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【一級建築士製図】法令遵守!バリフリ法の建築設計標準(令和2年度改正版)

昨日は、イチケンさんと二人で ↓ こちらに参加しておりました。

長丁場でしたが、参加されたみなさま、ほんとにお疲れさまでした!!!
やってる方も楽しくて、終わってからの講師オフ会がめちゃめちゃ盛り上がりましたとも(特に私以外のお二人は寝不足のままで・・・汗)。笑

終わってから、みなさんのツイッターアウトプットを見ていて、少し気になったので私から補足です。

1. バリアフリー法における「駐車場」

昨日は、バリアフリー法(高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律)については、細かい説明は省こうという話だったので、前段の法律についての説明はしなかったのですが。

で、
昨日は、説明内容が説明内容だった(作図崩壊wとだけしかここでは書けない!のがザンネン)だけに、ツイッターで参加者の方の感想が盛り上がってまして。笑

ざっくり要約すると、「車椅子使用者用の駐車施設の幅350cm以上」を満たしていない駐車場計画に関して、法令遵守できていない!ダメなものはダメ!という話でした。 これです ↓

バリアフリー法施行令
(駐車場)
第十七条 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する駐車場を設ける場合には、そのうち一以上に、車椅子使用者が円滑に利用することができる駐車施設(以下「車椅子使用者用駐車施設」という。)を一以上設けなければならない。
2 車椅子使用者用駐車施設は、次に掲げるものでなければならない。
一 幅は、三百五十センチメートル以上とすること。 👈
二 次条第一項第三号に定める経路の長さができるだけ短くなる位置に設けること。

2. バリアフリー法における「移動円滑化経路」

こちらも同様に説明を省いたので、いったんこの動画を。
令和元年ランクⅠで合格された人見知りマンさんの図面を検証して動画にしたものです(10分強ですので、倍速でどうぞ~)

こちらも引用ですが、「移動等円滑化経路に含まれる敷地内の通路幅120cm以上」が足りていないのはNG。ダメなものはダメ!という話の根拠条文はこちら。

バリアフリー法施行令
(移動等円滑化経路)
第十八条
 次に掲げる場合には、それぞれ当該各号に定める経路のうち一以上(略)を、高齢者、障害者等が円滑に利用できる経路(以下この条において「移動等円滑化経路」という。)にしなければならない。
三 建築物又はその敷地に車椅子使用者用駐車施設を設ける場合
  当該車椅子使用者用駐車施設から利用居室までの経路

2 移動等円滑化経路は、次に掲げるものでなければならない。
七 当該移動等円滑化経路を構成する敷地内の通路は、第十六条の規定によるほか、次に掲げる
ものであること。
イ 幅は、百二十センチメートル以上とすること。 👈

ま、そんなこんなで、車椅子使用者用駐車施設の幅と、移動等円滑化経路内の敷地内通路の幅、この両方を満たしてない計画は「法令への重大な不適合」ですよー!!!という話でした。

3. 建築設計標準(令和2年度改正版)

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意匠の方も、令和3年3月の改正を知らない方がまだいらっしゃるようで(特別特定建築物の新築の確認申請業務をしないとピンと来ていないのかも・・・)。実務で確認申請出す時は、総チェック受けるので漏れることはないと思うのですが。

じゃ、試験はどうなん?

ですが、バッチリ、学科も製図もここからドサドサ出題されてます。
EVの「エレベーターの籠内の階数ボタン等の点字表示」について出題ありましたしね(令和元年 計画)。
なんなら、学科計画の問題文自体がこんな感じです。

「高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準(国土交通省)」に照らして、最も不適当なものは、次のうちどれか。

ということで、
以降、この記事は、「バリアフリー法の建築設計標準、ちゃんと見といてよ!こっから出題するからね!!!って試験元が言っとるで~」という内容になります。笑

で、
昨日URLお伝えしたのですが、チャットを見逃した方、このバリアフリー法建築設計標準自体のことをあまり重要に思ってない方(!)ももしかしていらっしゃるかも・・・!?と思って。
改めまして、なぜか私がこの「バリフリー法の建築設計標準」のPRしてる感じになりますが(国土交通省とも試験元とも全く関係ありませんw)、そんなことはどうでもよくて、資料DL方法を丁寧に解説いたしますw
まず ↓ このページにアクセス。
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/jutakukentiku_house_fr_000049.html

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そして、少しスクロールしてってください。
■建築設計標準(令和2年度改正版)』というタイトルがあります。
 目次以降、全部無料でDLできます。

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なお、
もう少しスクロールすると。
試験対策としては不要ですが!

■建築設計標準 追補版(※建築設計標準最新版に加えて、用途に応じて追補する内容があります)』ですね。
ここから、「劇場、競技場等の客席・観覧席を有する施設」と「ホテル又は旅館」の追補版の2つがDLできます。
こちらは実務向けすぎるかもしれないので、設計製図の課題が劇場、競技場等の客席・観覧席がある場合やホテル又は旅館であった場合にDLおすすめです。

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4. 敷地内の通路は車路を通過してよいのか否か問題!? 

さて。
昨日、講義が終わってからザワザワした内容の一つ。

法律には「歩車分離」は書いてないです。

主催の慶さんからの説明にも、「完全な法不適合とは言い切れないけど、車路を通過せずに幅員120cm以上確保する方がよいでしょう」ということでした。

慶さんが引用したところと少し違いますが、「2.1 敷地内の通路」に関しての設計のポイントというページも一応貼っておきます。
繰り返しますが、「バリアフリー法建築設計標準」の p2-48です。

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・高齢者、障害者等の安全の確保を図るため、原則として歩行者と車の動線を分離する。

ここまで書かれていてなお、車椅子使用者に車路を通過させる案にするかどうかは、ほんとに「設計者判断」ですね。笑

もう一枚だけ引用です。
おなじく「バリアフリー法建築設計標準」 p2-59。

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赤囲いした部分について、目を通しておかれるとよいかと。

例えばですが、ご自分のご両親の介護の時を想像してください。
車椅子に乗った父なり母を押して病院に向かう時・・・車椅子押してるといろんなことが見えますよね・・・(といろんなことを思い出しつつ・・・略)乗る側ならなおさらです。
いずれにせよ、私は健常者ですが、車路を通りたくないです。たとえ敷地内だとしても。
車椅子使用者用と謳っているとはいえ、視覚障害者はもちろん、ベビーカーを押すお父さん、お母さんにとっても歩車分離された安全な通路は大事ですし、荷物が多くて台車使う場合だって、以下略。

私からは、以上です。

5. 近年の製図試験でのバリアフリー法出題傾向

最後に、バリアフリー法関係の、この製図試験における出題傾向をば。

この法律に関して、製図で取締りが厳しくなったのが、イチケンさんいわく、平成29年ホテル課題から(イチケンさん合格年)。

平成25年 東京オリンピック開催決定
平成27年7月 高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準(劇場、競技場等の客席・観覧席を有する施設に関する追補版)
平成29年3月 平成28年度版建築設計標準 改正(旧版) 👈
平成29年 設計製図課題小規模なリゾートホテル 👈
平成31年3月 ホテル又は旅館における高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準(追補版)
令和3年3月 令和2年度版建築設計標準 改正(現在の最新版)

はい。
オリンピック開催決定後、平成28年の改正内容がこんな感じでした。

2020年東京大会での国内外からの来訪者の増大を見据え、新築だけでなく既存施設のバリアフリー化にも取り組む必要があることから、改修の観点などを盛り込むため、1年前倒しして「建築設計標準」を改正
高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準(平成28年度版)の改正概要 より

これですね、
平成28年の改正版を見ていなかったら、平成29年の製図試験における記述は死亡案件なんですよ。
平成28年度版の「ホテル又は旅館の客室(バリアフリー法施行令第15条)」の解説のところ、客室のバリアフリーに関して絵入りの解説があるんです。ココには詳しく引用しませんが。
逆に、これを見ていたら、そのまま記述に転写しておけばオッケーでしたw

こんな感じで、
平成29年以降、製図試験においては「バリアフリー法には、当然のことだけど適合させてね!」という出題になってます。

建築基準法ばっかり気がいきがちですが、特に令和元年12月のバリアフリー法の取締り、「車椅子駐車場施設と移動等円滑化経路」に関するの取締りは、本当に厳しいものでした・・・涙
たぶん、バリアフリー法に関して、令和元年10月の受験生のデキがよくなかったので、試験元もランク4案件として改めて取り締まったのかと思いますけど・・・
私の合格した年だったら許されていた、車椅子使用者用駐車施設からいったん敷地外の歩道(公道)に出て、そこから改めて主出入口に行く、というやり方は、当時もあまりよい駐車場計画とは言われてなかったですが、即NGではなかったんです。でも、令和元年では、確実にランク4案件ですね。バッチリ車路も経由する案でしたしw

補足と言いつつ、また長くなってしまった。笑
「バリアフリー法建築設計標準」、無料だし、DLしてじっくり読むことをおすすめする理由が伝わるといいなー!

■本日のトップ画像

昨日の #法規塾製図0626 で、慶さんが作ってくださった画像です!
zoomのアイコンにさせてもらってました。

昨日はzoomのチャットに黙々とテキストを打ち続けたので、一人手に汗握ってましたが、慶さん、イチケンさんのお二人とも冷静かつ必要充分なご説明で、私もものすごく勉強になりました。
また機会があれば!


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