母の鬱と、再婚
母が鬱になった。
女手1つで私と兄を育てる重圧に耐えられなかったらしい。
私達は、ほとんどを祖父母の家で過ごし、母との時間をおろそかにした。
11歳、小学5年生の時、母に連れられ知らない男の人と出掛けた。
江の島の水族館だった。
兄は17歳、多感な時期。嫌悪感が私にまで伝わってきた。
そして、帰りの車の中で「大事な話がある」と切り出された。
なんとなく察していた。
私の「大事な話がある」という言葉が嫌いになった瞬間。
母が再婚した。
名字は選んでいいと言われたのに、このままが良かったのに
いつの間にかその男性と同じ苗字になっていた。
その男性は、アルコール中毒だった。
母の男を見る目の無さに私は呆れた。