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科特隊基地をつくる【第11話】小型ビートルの発進ギミック 前編

【こちら小型ビートル! われ、いまだ発進せず】

科特隊基地のハイライトは、やはり小型ビートルの発進シーンだろう。もちろんジェットビートルの発進シーンや科特隊専用車の出動シーンも魅力的なのだが、ビルの壁面が開いて発進するという発想がたまらなくいいよね。
この発進シーンを、どうにかして再現したいものだ。

小型ビートルの発進シークエンスは次のようになっている。

①基地の壁面(流星マークのあたり)の扉が内側に入る。
②発射台が前方にせり出す。
③発射台上のカタパルトが斜めに傾く。
④ディフレクター(ジェット噴射の防護板)が発射台からせり上がる。
⑤小型ビートルがジェット噴射して発進、急上昇。

細かい動きは省略するとしても、「壁面の扉が内側に開き、発射台が前にせり出し、カタパルトが斜めに上がる」という動きははずせない。

どんな仕組みにすればいいのか、ネットで調べてもアイデアが浮かばない。
そこでラジコン飛行機が趣味の友人にアドバイスを請うたところ、「そんなもん、サーボモーターとリンクを組み合わせればいいんじゃないの」とのこと。ありがたいことに、リンク機構の部品もわけてもらえた。
だが、しかし……。
サーボモーターの扱い方がよくわからない。未経験者が手をだすのは難しそうだ。それに本格的なラジコン飛行機用の部品なので、サイズ的にも1/500の基地の模型に組み込むのはちょっと厳しいかな。

テニス友だちでもある浅賀敏則氏と愛機のSpitfire Mk.IX。
全国的なスケールラジコン大会での入賞実績もある。(本人提供)

というわけで、一時は手動でできるところまでやってみようかと弱気になりかけたのだが、やはり「モーターライズ」にはこだわりたい。第1話にも記したように、イマイの「電動」サンダーバード秘密基地が今回のスクラッチの原点なのだからね。

で、リンク機構の入門書を何冊か図書館で借りてきたりして、あきらめずにあれこれ調べたところ、タミヤの「楽しい工作シリーズ」の「ラック&ピニオン ギヤ セット」と「ミニモーター薄型ギヤボックス(2速)」の組み合わせでなんとかなりそうな気がしてきた。

「ラック&ピニオン ギヤ セット」と「ミニモーター薄型ギヤボックス(2速)」による発進ギミック。
ラック&ピニオンはしばらく売り切れが続いていて困りはてたが、いまは容易に入手できる。。

あれやこれやで何度も失敗を繰り返したすえに、発射台が前方にせり出し、カタパルトが斜めに持ち上がるところまでは電動化できた。

問題は、その前の①の動きだ。
発射台が前方にせり出すまえに、壁の扉が内側に入るようにしなければならない。
外側に開くのなら簡単そうなのだが、内側に入れるとなると、発射台が前にせり出すという動きとは方向が逆になる。しかも扉が内側に入ったあとで、一呼吸おいてから発射台がせり出すというタメも必要だ。

そいなわけで「小型ビートル、いまだ発進せず」だ。
さて、どうしたものか。


【第12話】小型ビートルの発進ギミック 後編 につづく
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