科特隊基地をつくる【第1話】はじまりの秘密基地
【きっかけはイマイのサンダーバード秘密基地】
これから科特隊基地をつくっていこうというのに、なぜ、サンダーバード秘密基地なのか? もちろん理由があって、その昔、イマイから発売されていたプラモデルがそもそものきっかけだったからだ。
このキット。初版が発売されたのが1960代の終わりごろで、当時の子どもたちに手の届く値段ではなかった。筆者だけでなく、友だちも誰ひとり買ってもらえなかった覚えがある(ゼロエックス号を持っていた友だちが一人だけいた)。
やがて時がたち、息子たちが小学生になって、何度目かのサンダーバードブームがやってきたときに、ようやく再販物を手にいれて、壊れるまでいっしょに遊びまくったものだ。
とにかくギミックが出色で、1号、2号、3号がバネじかけで発進するし、岩肌に偽装した扉を開けて4号が取り出せたり、5号もモーターで回転したりと(調べると、このキットにはいくつかのバージョンがあり、時期によってギミックが若干異なっているようだ)、あちこち動かして遊ぶことができる。
とくに2号は凝っていて、ヤシの木が両脇に倒れ、カタパルトがせり上がって発進するという劇中の映像が再現可能だ。
ただ、ちょっと残念だったのがサンダーバード各機のサイズ。どれもほぼ同じような大きさだったのだ。劇中の設定では、4号は2号のコンテナで運ばれるのに、キットは2号の半分ちかくもあり、とても格納できるサイズではない。まぁ、スケールを統一するとなると、4号は豆粒サイズになってしまうし、模型映えからもこのあたりが適当と、イマイは判断したのだろう。そもそもノンスケールのキットだし……。
で、このキットについてネットであれこれ調べてみたところ、金型を譲り受けたアオシマも発売をやめていたのだが、その一方で、デアゴスティーニから、例の『週刊◯◯』のかたちで分冊百科が刊行されていたようだ。しかも、イマイをはるかにしのぐ凝りに凝ったギミックを搭載して。
「こ、これは、欲しい!」
定期刊行はとっくに終わっていたが、オークションやフリマにはときどき出品されているようだ。とんでもなくお高いのだが、無理をすれば買えなくもない(かも......)。
けっこう悩んだのだが、結局、手に入れたのはイマイのほうだった。なによりも懐かしいし、デアゴスティーニと比べればはるかにお安い。しかも、こちらはオークションやフリマにいつも出品されている。
それに、とてもいいことを思いついた。
イマイのキットを改造して、統一スケールで1〜5号をつくりなおす、というアイデアだ。
さらに、建物や発射台にLEDを組み込んだり、樹木をもっとふやしたりして、リアルに仕上げたい。岩盤の一部をカットして、デアゴスティーニのように基地内部を表現するのもいいだろう。妄想は膨らむ一方だ……。
だったのだが、無理があることにすぐ気がついた。
劇中の設定にあわせてイマイの1〜5号を同一スケールでつくりなおそうとすると、4号がとても小さいだけでなく、3号は1号よりちょっと大きいというイメージとは異なって想像以上に巨大だ(まぁ、宇宙ロケットだからね)。当然ながら、基地そのものを大改造というか、一からつくりなおす必要がある。3号が発進する円形ラウンジはとても巨大な建物になるだろう。
きっと、イマイやデアゴスティーニも企画段階でさんざん検討して、模型映えの点から設定とは変えたということなんだろうな。
さて、どうしようか。
【第2話】科学特捜隊出動! につづく