科特隊基地をつくる【第20話】発着棟の建設 前編
【発着棟のエレベーター】
発着棟は時期による変遷があったことは、以前も述べたとおり。
とくに変わったのは、ジェットビートルの発進方法だ。
当初は、エレベーターで上がってきたジェットビートルには3本の脚がついていて、そのまま垂直に離陸していた。それが、バルタン星人の再登場回(第16話「科特隊宇宙へ」)以降は、エレベーター上に設置されたカタパルトが斜めにせり上がって発進するようになった。
ちなみに、バニラとアボラスの登場回(第19話「悪魔はふたたび」)の小型ビートルは、なぜか逆錐棟の壁からではなく、発着棟の発着デッキから発進する。小型ビートルは垂直離着ができないから、カタパルトが設置されていなければありえないシーンだ(小型ビートルを発進可能にするためにカタパルトをつけたというのが、劇中の設定なのだろうか?)。
発着棟を取り巻くトラス構造の鉄骨も、当初は赤と灰色で一段ずつ塗り分けられていたものが、カタパルトの設置時期から赤一色になった。同時に、発着デッキ上の照明灯の数や形も変わったようだ。
で、このスクラッチ模型の原型となった科特隊基地のペーパークラフト(*1)は「初期型」と銘打っていることからも、カタパルト設置前の状態でつくっていくことになる。
ただ、トラス構造の鉄骨は赤一色にしたほうがかっこいいとも思う(鉄骨を塗り替えてから、カタパルトを設置したという設定はむりかな?)。どっちにするか、迷うところだ。
発着棟の建設にあたって最大の難関が、エレベーターを収納する格納塔の構造だ。
エレベーターが上下できるようにするには、格納塔は本来なら直方体であるべきだが、それだと地面レベルでトラス構造の鉄骨と干渉する。かといってトラス構造の基部(底面)を広げると、発着棟のプロポーションが崩れてしまう。
この問題を解決するために、ペーパークラフトでは格納塔の下側をすぼめた逆四角錐にしたのだろう。
たしかに発着棟のプロポーションを崩さずにすむ名案なのだが、この形だとやはりエレベーターを上下に動かせなくなる(エレベーターの面積を、地面レベルのサイズまで減らせば上下可能になるが、今度はジェットビートルを載せられなくなってしまって本末転倒だ)。そこで、トラス構造の基部の四隅を切り取ることにした。ちょっとみっともないが、発着棟の基部は周回スロープや建物に隠れてしまうことを期待して、作業を進めることにする。
(*1) 中村宏治 著、円谷プロダクション 監修、『ウルトラマン超兵器大研究 「科学特捜隊基地〈初期型〉」超精密ペーパークラフト付き』、マイナビ、2013/9、48ページ
【第21話】発着棟の建設 後編 につづく
【第19話】ジェットビートルの選定 にもどる
【第1話】はじまりの秘密基地 にもどる
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