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科特隊基地をつくる【第3話】設計図を求めて

【図面、図面、図面! 三面図が必要なんだ】

「材料、材料、材料だ! 粘土がなくちゃ、れんがはつくれない!」*1 というのは、証拠不足にいらだった名探偵シャーロック・ホームズがワトスンに毒づいたときの有名なセリフだが、「そうなんだよ、ワトスン君。図面がなくちゃ模型はつくれないんだ」

科特隊基地の三面図をネットで探してみたものの、まったく見つからない。
少年誌あたりに掲載されたんだろうか、基地内部の構造図というか断面図がヒットし、これはこれで見飽きないのだが、いま欲しいのはきみじゃない。
模型制作のための三面図がほしいんだ。

かといって、劇中の映像から三面図を起こすという腕は残念ながら持ち合わせていない。「サンダーバード秘密基地に続き、またしても企画倒れか」とくじけそうになったまさにそのとき、フラッシュビームがピカリと光り♫、救世主が現れた。
科特隊基地のペーパークラフトが存在したのだ。しかも2種類も。
ひとつは、マイナビの『ウルトラマン超兵器大研究』*2で、もうひとつが宝島社の『僕たちの好きなウルトラマン』*3。どちらもすでに絶版だったが、両誌ともフリマで手に入りそうだ。

さっそく手に入れた。

『僕たちの好きなウルトラマン』のふろく。簡単につくれそうだったので、さっそく組み立ててみた。

ペーパークラフトさえあれば、組み立てていくだけで立体になる。三面図をああだこうだと読み解いたり、プラバンの組み合わせ方に悩んだりする必要もない。プラバンをひたすら切り抜き、プラモデル感覚で組み立てていけばできあがる。どちらかといえば三面図よりありがたい存在だ。

問題はスケールをどうするかだ。
両誌ともペーパークラフトの縮尺は記載されていなかった。基地の高さの設定がわからないため、ペーパークラフトの縮尺を正確に割り出せない。
ただ、『ウルトラマン超兵器大研究』のペーパークラフトに付属しているジェットビートルの全長がヒントになった。長さがは3.5cm強で、劇中の設定では全長18.5mのようだから、スケールはだいたい1/500と思われる。

一方、『僕らの大好きなウルトラマン』のペーパークラフトは、『ウルトラマン超兵器大研究』の半分くらいの大きさだ。ざっくり1/1000と考えていいだろう。
このスケールでつくると、さすがに小さすぎてギミックが組み込めそうもない。やはり1/500くらいが適当だろうか。もちろんペーパークラフトを拡大コピーし、1/200や1/350にするという手もあるが、細部のつくりこみが大変そうだし、ここはニチモの艦船模型に敬意を表して1/500でいくことにしよう(べつに赤城や摩耶と並べたいと思っているわけではないのだが……)。

*1 原文は"Data! Data! Data!" he cried impatiently. "I can't make bricks without clay."  Arthur Conan Doyle, The Adventure of the Copper Beeches
*2 中村宏治 著、円谷プロダクション 監修、『ウルトラマン超兵器大研究 「科学特捜隊基地〈初期型〉」超精密ペーパークラフト付き』、マイナビ、2013/9、48ページ
*3 中村宏治ほか 著『僕たちの好きなウルトラマン ウルトラマン・シリーズ誕生編』、宝島社、2008/4/21、144ページ

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