The Flamingo Standardのファーストインプレッション的なやつ
ここは興味が無かったら読み飛ばしてね
エストニアのViolet DESIGN(以下、violet)からマイクを輸入しました。
もともとvioletが販売していたThe Flamingo Standard(以下、Flaming STD)ですが、なんやかんやあったらしく今はラトビアのJZ microphonesが販売しています。
ただ、violetも自社内で在庫を抱えているのか現在も販売を続けており、さらにはあまり教えたくないですがセールなんかやっちゃってます。
あのFlamingo STDが35%オフで買えるとあれば買わない手はありません。
為替レートで値段は変わるでしょうが、私は32万円くらいで買いました。安い。
で、音はどうだったのか
あのU87aiよりもお高いマイク。
音はどうだったのか。結論から言うと「好きな音」だった。
というのも、私はレコーディングスタジオを経営しているわけでもなく、ホームスタジオを持つわけでもなく、レコーディングの為にスタジオをレンタルするわけでもないので所詮宅録なのです。
どんだけいいマイクを持っていても”いい音”では録れないのです。
それでもマイクによる音の違いくらいは判ります。
その音を聞いてどう思ったかを簡潔に言うと「自分が好きな音」だったわけです。
もう少し細かい感想
そういわれても何の参考にもならないので、もう少し思ったことや他のマイクと比較してみてどうだったかなどをつらつらと。
まず、私はこの価格帯のマイクを持つのは初めてです。
今回比較したのは8万の同社The Maestroと、5万のRoswell mini k87です。
AIFはRME babyface pro(最新じゃない方)。
マイクプリは1chのものしかもっていないので使いませんでした(比較にならないからね)。
あ、全部ボーカル(自分)です。楽器できません。友達いません。
Flamingo STD
マイクをつないで音を出してみるとちょっと感動するくらい深くていい音が聞こえてきました。
さすが定価60万は伊達じゃない。
以前Rock on渋谷店にマイクの視聴をしに行ったとき、U87aiも試してみましたがここまでの感動はなかった。
モニターレベルの違いも大いにあるんでしょうけどね。
ぱっと聞いた感じだと低域がどっしり構えてる感じ。
高域で歌ってモニターしてる時はそんなに他のマイクと変わらないように聞こえますがこれは私の歌唱力がミジンコだからでしょう。
自分が下手なのがすぐわかる。
つらい。このマイクはだめだ。
録音した音を混ぜてると、曲によってはコンプだけでいいんじゃないかと思うくらい音が完成してます。
当然曲によってボーカルが入る隙間は変わるので結局EQはかけますが。
音の存在感はありますが、声の出し方によって音の埋もれ方が顕著に変わるのでこれはボーカルの実力が試されるところ。
このマイクはだめd((
vs Maestro(比較音源はいずれ載せるはず)
同社対決です。
本当は人気のAmethyst VINとかと比較出来たらよかったんですが持っていないので。。。
いずれは欲しいな。Grobeも欲しい。
閑話休題。
定価で大体7倍近く値段が違うわけですが、当然音も全然違いました。
あ、ちなみにMaestroは中古で買いました。
Flamingo STDは一応新品。
Maestroは低域も中域も広域もばっちり詰め込んどいたからあとはEQで削ってくれよな!!!
みたいな詰まったような音がします。
ゴリゴリのロックとかで結構使いやすいです。
対してFlamingo STDは良い感じに整えといたんで、あとはお好みに合わせてEQで音色を変えてください。
みたいな感じ(伝われ)。
オールマイティですがどちらかといえばポップスとかそんなんの方が向いてるのかもしれません。
ノイズ比は両者ともに良好。
でもFlamingo STDは真空管マイクであることを考えるとこのノイズ比の良さは驚異的ですね。
高いマイクってみんなこうなの?
Maestroは結構音の密度高くていいマイクだなぁとか思ってたんですが、こうやって比較してみると音の詰まり感を結構感じます。
密度が高けりゃいいってもんじゃないですね。
中域(2~5kHzくらい)が上がってて高域(15kHzくらい)が落ちてるのかな?
逆にFlamingo STDは中域がほんの少し削ってあって、高域(15~25kHz)がキラッとしてる感じ。
持ち上げてるってよりは、あんまり下がってないっていう方が感覚的に近いです。
・・・一応Violet DESIGNから特性グラフ引っ張ってきました。当たらずも遠からず?
vs mini k87(比較音源はいずれ載せるはず)
RecordingHacksというマイク情報サイト(?)の運営者のおじさんが、Neumann U87をコピーして作ったらしいマイクです(詳細はググってください)。
ちなみに音はU87aiとは全然違うのであしからず。
mini k87はFlamingo STDと比較的音の傾向というか、雰囲気は似ている気がしました。
特に高音の抜け感が似ていて、両者ともにきらびやかです。
圧倒的に違うのは低域の情報量。
mini k87を羽毛だとすると、Flamingo STDは羽毛布団です(今世紀で最もわかりづらい喩え)。
mini k87の音は「高音の抜けがいいなぁ」という感覚ですが、Flamingo STDはその高音をまとめ上げるような低域がしっかりとあるので「空気感があってきれいな音だなぁ」みたいな感覚になります(?)。
今まで「空気感とかエアリーとかなんだそれ。残響音のことか?」とか思ってましたが違いました。
伝えづらいんですが、"確かにそこに人がいて話しているあるいは歌っている"ことがわかる情報がある気がするんです(値段に惑わされてそう思い込んでいるだけの可能性もある)。
その空気感が音楽に必要であるかどうかは今後使い込んでいく上で分かっていくことでしょう。多分。
さて、ここでも一応周波数特性グラフを見てみましょう。
中高域の特性が結構近いでしょうか?
Flamingo STDの方が15kHzあたりをグイっと持ち上げているので、私が"空気感"と呼んだ奴の正体はもしかしたらこれなのかもしれません。
そしてmini k87の低域(100Hz以下)が地味に上がっていますが、全然そんな風には聞こえませんでした。
むしろ低域はFlamingo STDの方が豊かなような・・・?
4~5kHzあたりが関係しているんですかね?
懸念していること
長々だらだら書いてきましたが、私はFlamingo STDに大満足しています。
ただ、一点懸念すべきことは真空管の寿命・・・
真空管の寿命は大体5000時間くらいでくるらしいです(マイクはそんなに電圧も高くないしもう少し長くもつのかも)。
当然真空管を変えればノイズ比や音も変わってしまうわけなので、普通は購入したメーカーから同じ真空管を取り寄せたりするんですかね?
真空管マイクはMXLのGENESISしか持っていない上、まだ交換するような時期ではないので正直よくわかっていません。
さて、ここで気になるのが冒頭の「violetはもうマイクの製造販売してねーよ」というお話。
現在は抱えている在庫を履きだしてはいるようですが、いよいよ在庫もなくなりvioletから販売しなくなった時、真空管の寿命が来たらどこから仕入れていいのか・・・
まぁ、普通に毎週末2時間録音に使ったとして20年くらいはもつ計算なので今から心配するだけ損なんでしょうけど。
締め
というわけで、今回のお話はここまでです。
普段Twitterの140字という制約に押さえつけられているオタクがnoteに出てきたら初記事で3000字超えていました。
誰が読むんだこんな長文。
以後も何か興味がわいたり新しく手に入れたりしたらつらつら書いていくと思います。
反応があるとモチベにつながります。
私はモチベを失うと一瞬で飽きるタイプなので、是非皆さん反応してあげてください。
以上。