太陽光発電所で羊を飼う③〔ソーラーファームと羊牧場のコラボ〕
宮城県にあるゴルフ場跡地に建設された古川太陽光発電所では下流域の自然環境に配慮し除草剤や農薬を使わず、人の手で草刈りをしています。太陽光パネルの下の草を刈るのはかなりの重労働。そこでパシフィコ・エナジーでは羊の放牧をおこなって除草を試みています。今日の様子を見てみましょう。
9月に発電所内の放牧エリアに羊を放して2か月が経ちました。
除草の効果や羊の様子はどうなっているでしょうか。
仕事熱心が過ぎて首がフェンスを突き抜けてしまっています。
こちらもフェンスの向こうまで頑張って食べています。
羊が網目に顔を突っ込んで外の草を食べること、フェンスに追突したりすることもまれにあるようで、拡張した新たな放牧エリアでは網目を小さくして架台支柱の内側にフェンスを設置しました。
気温が下がって動きが活発になったのか移動速度が速くなっているようです。エリアを拡張して以降は羊を探すことも苦労するようになってきました。
こちらは羊が食べる前のパネルの下です。
食べた後はこうなります。
羊が去った後は綺麗に除草が済んでいます。一部硬い草の茎が残されていますね。
斜面も問題なく上がってくれています。溝も飛び越えるようです。優秀ですね。
斜面も綺麗に除草されています。根の掘り起こしが無いので土壌流出の心配は無さそうです。
羊を放したフェンスの右側は綺麗に除草が済んでいますね。
除草剤を使わない緑の絨毯広がる古川太陽光発電所
宮城県大崎市にある古川太陽光発電所は56.7MWの発電容量を備えた宮城県内最大の太陽光発電所です。古川太陽光発電所は大崎市の人里離れた山の中にひっそりと在ったゴルフ場を改変して造られました。ゴルフ場の平坦な地形形状を活用し、太陽光パネルを配置しています。また、除草剤や農薬を使用せず、草刈機または手作業の除草によって年間を通して低茎~高茎の草地環境が維持されています。
これまで6年間の稼働を続けてきましたが緑化が進むにつれ草刈りが大変になります。パシフィコ・エナジーは除草の新たな手法として、肥育を行っている羊牧場とコラボし、25頭の羊に来てもらうことにしました。
羊たちは11月まで発電所に居る予定で除草の任務にあたります。どんな草を食べてどんな草を残すのかなど毎週モニターしていきたいと思います。
パシフィコ・エナジーは全国で多くの大型の太陽光発電所を建設・運営していますが、できるだけ多くの箇所で羊牧場を営み、地球にやさしい発電所の運営と食とエネルギー自給率の向上に貢献したいと考えています。