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ただのスローガンでは終わらせない!Pacific Metaの新ミッションとバリューを大解剖!!
はじめに
こんにちは。People&Communicationsという人事組織を管掌する部署の責任者をやっております、畝地と申します。
Pacific Metaは、「Web3アクセラレーター」として、ブロックチェーンを活用する国内外の事業を、事業投資やコンサルティング、マーケティングで包括的に支援を行うスタートアップです。創業2年で、すでに100以上のプロジェクトを支援し、23カ国以上と取引を行っています。
今回、Pacific Metaのミッションとバリューを刷新をしました!
また、その刷新の際には、同様にミッション・バリューを作成されてきた他社の方々のnoteを拝見しとても参考になったため、私たちもそこに込めた想いや過程も含めてnoteに残すこととしました。
これからミッション・バリューを作成される方、はたまたPacific Metaにご関心のある方にとって少しでも参考になると嬉しいです。
新しいミッションとバリュー
作成過程に入る前に私たちの新しいミッションとバリューを紹介させてください!
ミッションは既にあったものを刷新し、バリューは新しく作成しました。
ちなみに、私たちはグローバルにおいて当たり前にグローバル企業の一員として評価される会社を目指しているため、ミッションとバリューのメッセージは自然と英語表記となりました。(「あたグロ」だけ日本語表記なことには記事の後半で触れます。笑)
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ミッションとバリューに込めた想い
最終的に1つのミッションと5つのバリューを作成しました。また、それぞれのバリューには意味認識をそろえる目的で、正しく理解することを助ける補助文をもうけました。経営陣の想いやメンバーの意見を反映したものとなっており、その詳細についても下記で触れさせてください。
Mission: "To Create the Web3 Standard from Japan"
Pacific Metaは創業メンバーが4名おり、他のスタートアップと比較しても人数が多いことが特徴です。その点を考慮して、ミッションの具体的な話に入る前に改めて、「それぞれがなぜ今Pacific Metaにコミットしているのか」「Pacific Metaでの挑戦を通じて実現したい社会インパクトはなにか」を一人一人が共有する時間をもうけました。ミッションづくりを振り返ってみて、最初にそれぞれ個人の想いを確認できたことはとても良かったと感じています。
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発散と集約を繰り返した末に、3つの意味合いを新しいミッションに込めました。
1つ目は、Web3領域にスタンダードを作ること。
Web3領域は依然として様々な起業家の試行錯誤と栄枯盛衰が繰り広げられる黎明期の市場です。一般の方々にとって、Web3という言葉はそもそも馴染みがない存在であったり、暗号資産になんとなく不信な印象を抱いていることも少なくないと思います。しかし、現在当たり前に普及するインターネットやスマートフォン、直近盛り上がっているGPTもまた、普及前はいかがわしい存在と疑われていた時代があります。この未だニッチなWeb3領域内にある熱狂は必ず社会に普及すると確信しています。
AI領域はchatGPTの出現を皮切りに世の中に急速に普及しました。今のWeb3領域をあえて例えると、「AI領域でchatGPTが公開される日の前夜」だと考えています。社会普及の促進と普及後に多くの人々が安心してWeb3に触れられるよう、事業活動を通じてスタンダードを創り出したいと考えます。
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ローンチから約2年経過した現在のユーザー数は2億人弱に及ぶ。
2つ目は、日本のWeb3エコシステムをグローバルスタンダードにすること。
日本のWeb3市場は、国家の後押しや法規制の整備、大企業の本格参入、IPとWeb3の相性の良さなど、他国のWeb3市場と比べても優位性があると考えています。2022年に当時世界で2番目に大きかったFTXが経営破綻し市場が突如混乱に見舞われる中、一番影響が少なかった国が日本でした。
現在の日本の状況を上手く活かして、日本のWeb3エコシステム単体を発展させるのではなく、海外の事業も行き交うグローバルなWeb3エコシステムを日本に生み出し、これをグローバル全体のスタンダードにしたいと考えています。今後もわれわれはグローバルなスタンダードをつくることに焦点を当てて、日本に限らずグローバルに事業活動を推進することでWeb3を真に国境を超えたグローバルな領域に昇華させることを目指しています。
3つ目は、日本からグローバルへ挑戦するモメンタムを醸成すること。
人口減少による国内需要の低迷から、自然と日本企業の目線はグローバル展開による海外需要の取り込みに向く機運が高まっています。その動きはスタートアップでも同様で、最近資金調達したことで話題になったNOT A HOTEL社やDinii社も当然のようにグローバル展開を謳っています。一方で、なかなか上手くいっていないことも事実です。言語や文化、市場環境や法規制など複合的な観点から挑戦の難易度が高いこともまた事実であり、頻繁にとりあげられますが世界の企業時価総額ランキングTop100位内に名を連ねる日本企業は現在トヨタ社だけです。
こうした背景を踏まえた結果、われわれ自身がグローバル企業として成長することで、日本にグローバルへ挑戦するモメンタムを醸成したいと考えています。日本から生まれたグローバル展開の成功事例ができることにより、日本の起業家や企業、はたまた日本全体に海外へ挑戦する状況を生み出したいです。このモメンタムこそが、再び世界と肩を並べる日本へ再起する起点になると信じ、われわれはこれからもグローバル展開の王道を突き進みたいと考えています。
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Value①:"Go Beyond"
期待を超える卓越した成果を創り出すために、+αの価値を徹底的にこだわろう。相手にとって本質的な成果が何かを考え抜き、凡事徹底しよう。
何か仕事があった際にやるべきことを凡事徹底して成果を出すことは当たり前。やり切った上でさらに期待を上回る+αの価値を残すことが重要と考えています。特にわれわれのようなクライアントがいるビジネスにおいては、クライアントは様々な取引先から提案を受けており、言われた通りのアウトプットを残すだけでは、他の取引先との競争に勝つことができません。常に仕事の先にいる相手が本質的に何を求めているかを考え抜き、期待値を最大限に上回るためにどう価値が出せるかを探求することをこのバリューで意図しています。
Value②:"Ownership"
経営視点をもち、そもそもあるべき理想の姿を想像し、主体的に取り組もう。ひとつひとつの仕事に対してラストマンシップを絶やさず、最終的な成果に執着しよう。業界を創るリーダーとして、当事者である自覚をもってミッションに向き合おう。
オーナーシップは一重に、「Pacific Metaが仮に自分の創業した会社だった場合にどうふるまうか」に責任を持つことだと思います。個人としてではなく、会社を主語にした場合にどう振る舞うべきかを考え実行し続けることを求めます。個人の成果を最大化する取り組みだけではPacific Metaにおいては不十分であり、組織としての成果の理想を追求し全体成果に対してオーナーシップを発揮して欲しいと考えています。また、Web3業界のスタンダードをつくることにフォーカスする以上、会社という枠組みを超えて業界を作り伸ばすことに責任と使命感をもって行動したいと考えています。
Value③:"Integrity"
多様性や価値観へオープンさとリスペクトをもち、あらゆるステークホルダーへ誠実に向き合おう。自身と相手がお互いにWinとなる道筋を考え抜き、信頼関係の輪を広げよう。ビジネスパーソンとしてだけでなく、人として成長し続けよう。
新興領域でビジネスを行っていく上で、大前提として日々出会う方々との関係性はとても重要になってきます。特にWeb3領域のグローバルなコミュニティにおいては、よりクローズドなコミュニティに所属しそこで飛び交う一次情報へリーチできているかが重要です。Pacific Metaのメンバーにはそもそもに立ち返り、1人の人間としてオープンさと誠実さを兼ね備えてほしいと思っています。その上で、常に相手にとって何が幸せかを考え続けて、一人ひとりに真摯に向き合い信頼関係を築くことが、中長期的に多くの人々と広く深い関係性を構築する近道だと考えています。
Value④:"Crypto Pioneer"
不確実な状況でも能動的に最新の一次情報を獲得し、常に新しいインサイトを開拓し続けよう。相手目線とGiveを通して、インナーサークルの一員になろう。
Web3領域はトレンドや情報の流れが非常に早く、キャッチアップしないとすぐにナレッジが陳腐化してしまう領域です。私も前職がスタートアップで比較的移り変わりが早い環境に身を置いていましたが、Web3はその当時と比べても圧倒的に早く、最初の頃は驚いた記憶があります。どこから情報を得続けるかというと、もちろんインターネットの情報は日々確認しつつ、やはり最先端をいく人や企業に直接会ってつながることが、Web3においても他のビジネスと変わらず原理原則だと考えています。Web3領域は未だ座学で綺麗に情報が入ってくるような段階ではないため、プロダクトを触り、グローバルで業界をリードする人々と泥臭く繋がっていく「パイオニア精神」が必要不可欠だと思っています。その目線でもただ情報をTakeする立場になるのではなく、Giveの精神をもって向き合おうという意味合いをこのバリューには込めました。
Value⑤:"あたグロ"
「当たり前にグローバル」の名の下に、世界基準で物事を考えよう。憧れてしまっては越えられない。日本発であることの優位性を理解し、大胆に挑戦しよう。
”あたグロ”の説明については後半でも触れています。笑
バリューを経営陣で話している際に、社内で最も海外へ足を運んでいる邵から「海外にはすごいやつらがたくさんいるけど、我々もあたグロで考えるなら憧れたらあかんよね。」という言葉がありました。日本から見える海外に対してどうしてもスケールが大きく感じることはあります。ただ、かの大谷翔平もWBCで話していたように憧れてしまっては超えられない。あくまで対等な立場として活動していく志を込めています。グローバル企業を目指しつつも日本の地の利は認識して、大胆に成長していきたいと考えています。
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ミッションとバリューを刷新した背景
前回定めたミッションは創業して1年ほど経った際に定めたものがありました。
当時ミッションを考えようと話し始めた背景として、全社の目指す先や頑張る意味を共通認識する1つの旗をたてる意味合いがありました。
同時に、日本の大手企業と会話する際に「Pacific Metaは事業を通じて何を目指しているか」と問われる機会が増えたり、ホームページを刷新するタイミングで会社の存在や事業の意義に応えるメッセージが必要とも考えていました。
共同創業メンバーを中心に短期間で決め切ったのが過去のパーパスです。
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今でも「Connecting Japan to the world through reliable Web3」は私たちの役割をキャッチーに表すメッセージだと思っています。
日本と海外を橋渡しする役割として存在することや、私たちが事業を拡大することで、今はまだ世の中からすると怪しげな領域に見られている”Web3”というポテンシャルのある産業を信頼されたものへ広げていくことをうまく表していると考えています。
一方で、会社のパーパスとして打ち出す際に、このパーパスは当然全社にとってのパーパスでなければいけません。
組織規模が大きくなっていくにつれて、メンバーによって会社が目指す先や意義が少しずつばらつき始めていることに気がつきました。
それはちょうど組織の階層が「経営陣 - メンバー」から「経営陣 - マネージャー - メンバー」と変化する組織フェーズとも重なっており、直接経営陣とやり取りする以外の方法で、経営の意思や方向性を指し示す必要性が高まった段階でした。(一般的に「30人の壁」と言われるものです。)
こうした背景から、改めて全社にとってのミッションをゼロベースで掲げようと決めました。
同時に、ミッションを実現するための行動指針となるバリューを定め、日常のコミュニケーションやフィードバックにバリューを反映し、ミッション・バリュードリブンな組織に変化させていこうと考えました。
ミッション・バリュー作成のポイント
①ミッション・バリュー作成の目的と課題を共通化する
ミッション・バリュー作成の過程では、議論に参加するメンバーの中で発散と集約を繰り返しながら最終的なメッセージに昇華させていくため、そもそもの目的やその背景をピン留めしておかないと、発散したまま時間だけが過ぎてしまいがちです。
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今回刷新に至った背景は前段で触れた通りですが、それ以外の観点として、
経営陣の中でも改めて目指す先をアラインする(初心を忘れない!)
一貫性のあるフィードバックを行う土壌をつくる
社内や今後加わる仲間のモチベーション向上
競合との差別化、ブランディング
のような点も念頭におきながら議論を進めました。
結果的に、最初に整理することで、議論の後半でも各観点ではどうだったっけ、と適宜確認し合いながら進めることができました。
②枠組みを決め、定義を擦り合わせる
MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)のような経営理念を言語化することは大手企業からスタートアップに至るまで一般化していますが、それぞれの会社によってビジョンとミッションしかなかったり、バリューと言わず"行動理念"や"スタイル"と定めるなど、その形式はさまざまです。
まずはじめに、グローバルにビジネス展開を行う会社やMVVが有名なベンチャー企業、Web3業界の企業を中心に、事前に15社ほどピックアップした会社のMVVを眺めつつ、議論の最中であがった会社を追加で眺めながら計30社ほどのMVVをインプットしました。
ここでたくさん見すぎても議論をする前に余計なバイアスが入り込むため、あくまで枠組みと定義を決めるためにサラッと見るのが大切です。
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その上で、Pacific Metaではミッションとバリューを作成することに決定し、それぞれの定義を以下のように決めました。
▽ 定義
ミッション…迷ったら立ち戻る、会社が存在する理由
バリュー…ミッションを実現するための行動指針
ミッション・バリュー刷新にあたっての目的や課題から考えて必要十分なものを定めよう、という考えからビジョンは今回はあえて作りませんでした。
また、バリューを「ミッションを実現するための行動指針」とすることにより、個々は究極的にバリューを理解し行動反映すれば、会社のミッション実現に貢献するというシンプルな設計にしました。
③誰を巻き込み、最終的に誰が決めるかを決める
はじめにミッションとバリューそれぞれについて、「誰が議論に参加し、最終的に誰が意思決定をするか」を決めました。
Pacific Metaの場合は以下の分担にしました。
▽ 役割分担
ミッション:議論も意思決定も経営陣が行う
バリュー:議論は社員と経営陣で、意思決定は経営陣が行う
ミッションは会社の存在理由である以上、創業時のDay1の思考や想いに向き合って言語化することが重要だと考えています。例えメンバーからさまざまな意見をもらっても、創業時からぶれることのない幹となる部分をミッションへ落とし込み、意志をもって全社へ浸透させていく役割は経営陣が担うべきという考えから、議論から意思決定まで経営陣が担当しました。
一方で、バリューは社員と経営陣が交わって議論するプロセスを挟みました。バリューを決めること以上に、バリューを組織で体現することが重要と考えています。加えて、バリューを0から作るケースでも、意外とすでに組織で当たり前とされていることを形式化するだけだったという場合もあると思います。
今回定めたバリューに含まれる「あたグロ」はまさにそのケースでした。
少し話はそれますが、私たちの社内では、関西に縁のある人たちが多いためか、はたまた愉快な自称コピーライターが多いだけなのか定かではありませんが、「パシメタ造語」がたくさんあります!!(「パシメタ」は単にPacific Metaの略称ですが、呼びやすさから社外の人からも「パシメタさん」と呼ばれます笑)
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「あたグロ」は「当たり前にグローバル」の略称です。(ちなみに、類義語に「たまジャパ」があります笑)
私たちは、たまたま日本で創業した会社にすぎず、Day1からグローバル基準で物事を考え、グローバル市場で評価されるグローバル企業を目指す、という考えを表現しているのが、「あたグロ」という言葉です。
日常的に何かを決める時に、「あたグロならこうした方がいいんちゃう?」「あたグロなら目標もこうしよう」など、既に会社の中で行動指針となっていました。
社員と経営陣合わせて議論をする機会は、8月に開催した社員会でもうけました。社員会自体の話もたくさん触れたいのですがここでは割愛します、、!
アジェンダのひとつに、新しく定めるバリューをみんなで考えるテーマを取り入れ、1グループ4~5人の複数グループに分けてワークショップ形式で実施しました。
同時に、社員間の相互理解を高めたい意図から、改めて自己紹介からはじめて、それぞれの仕事の価値観や、ミッションから逆算してバリューにあるべきと考える要素を付箋に書き出してもらい、グループで議論して集約していくプロセスを行いました。
議論のゴール:各グループでValue案を作成し、全体で発表
▽ Value案議論の進め方
1. グループ内での自己紹介
2. グループ内で発表者決める
3. "普段働くなかで自分が大切にしている仕事の価値観は何か"議論
4. "新しいミッションについて思ったこと"議論
※社員会当日にミッションのお披露を行いました。
5. "ミッションを踏まえてValueに含めるべき要素はなにか"議論
6. それぞれの意見をグルーピング→Valueの具体文言への昇華
7. 発表
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社員会当日に出揃った案も1つの意見として参考にしながら、改めて経営陣で複数回まとめて議論する場をもうけて、最終案への落とし込みを進めました。
結果的に最終的なバリューに必要な要素として含めた内容は、社員会の発表内容とほとんど重なっていました。
長文にお付き合いいただきありがとうございました!
文中でも触れた通り、ミッションとバリューは完成することがゴールではなく、組織に伝播して機能することが重要です。引き続き組織全体でこのミッションとバリューに向き合い育てていければと思います。
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