パチンコに遠隔操作ってあるの?ホルコンや裏ロムや電圧についての考察
パチンコに遠隔操作はあるのでしょうか?
もしあるとすれば、全国のパチンコ店のどのくらいの割合で行なわれているのでしょうか?
また、どのような方法でホールは遠隔操作を行なっているのでしょうか?
そして、もし遠隔が行なわれていた場合、それを見抜く方法はあるのでしょうか?
プロの視点から、パチンコの遠隔操作について考察しました。
目次
1.パチンコに遠隔操作ってあるの?
遠隔操作とは、ホールが意図的に特定の台の大当たりを操作したり、
特定のシマの出玉を操作したりすることです。
人は、勝っているときには「自分が勝てたのはホール側の遠隔操作のおかげだ」とは思いませんが、
負けているときには「こんなに出ないのはおかしい。ホールが何かしているのではないか?」とホールの遠隔操作を疑ってしまいます。
私自身、パチプロとして生計を立てる前はパチンコで負けてばかりいましたので、さんざんハマったあげくにようやくかかった激熱リーチがハズれてしまった場合ですとか、自分の台は数万円つっこんでもまだかからないのに、隣に座ったおばちゃんがほんの数千円で確変をひいて何連チャンもさせているのを見たりしたときには、ホールの遠隔操作を疑ったものです。
では、はたしてホールは遠隔操作を行なっているのでしょうか?
結論からいいますと、99%のホールは遠隔操作は行なっていません。
確かに、過去には遠隔操作で摘発されたホールが実際にいくつかあり、
テレビや雑誌などでも大々的に取り上げられたために遠隔操作をしているホールは皆無とはいいませんが、遠隔操作をするだけのメリットがホール側にはありませんので、私は99%のホールは遠隔操作などしていないと考えます。
遠隔操作をしようとした場合、そのためのコンピュータや機械を導入する必要がありますが、そうした設備投資をかけるだけのメリットがホール側にはほとんどありません。
なぜなら、特定の台なり特定のシマの大当たりや出玉を操作したいのであれば、
わざわざそうした設備を導入しなくても、単に釘調整すればいいからです。
スロットの場合ですと、単に設定を変えるだけでいいでしょう。
コストをかけずに大当たりや出玉をコントロールすることが出来るのに、
わざわざそれ以上のコストをかけて設備を導入するだけのメリットがありません。
また、ホールが何らかの手段で遠隔操作を行って大当たりや出玉を意図的に操作することは、風営法上違法になっています。
もしバレて摘発されたら、ホールは営業停止処分にされますし、
おそらくテレビや雑誌でも大々的に報道されるでしょうし、
そうした噂が広まればお客さんもそのお店には寄り付かなくなりますので
事実上廃業せざるをえなくなってきます。
それでも、単独店舗であれば自分のところのお店だけでことは済みますが、
チェーン店の場合ですと違法行為をしていた当該店舗だけの問題ではすみません。
「○○チェーンの○店が遠隔操作で摘発された」という噂が広まれば、
関係ないほかの店舗まで怪しいと不正の疑いがかけられますし、
結果としてチェーン店全体の減収減益へとつながるでしょう。
また、チェーン店であればそれなりに名前も知られて有名でしょうから、
社会的にも厳しくバッシングされるでしょうし、中には上場している企業もありますから、役員クラスの経営陣は株主からも厳しく追求されることになるでしょう。
このように、ホールにとっては遠隔操作をするメリットよりもデメリットの方がはるかに大きいために、99%のホールは遠隔操作はしていないと私は考えます。
実は、「ホールが遠隔操作しているのではないか」という疑いは、
一般の人たちのパチンコに対する無知による誤解から生じているのです。
以下では、ホールコンピュータ(略してホルコン)による遠隔疑惑、
裏ロムによる遠隔疑惑、電圧による遠隔疑惑について個別に見ていきましょう。
2.ホルコンについて
ホールコンピュータとは、
主にホールの店長室(管理室)に設置されていて、
パチンコの個々の台の大当たり回数や回転数や出玉といった情報をリアルタイムに収集して、ホールの経営管理のために利用しているコンピュータ
のことをいいます。
いってみれば、データロボの親玉みたいなものです。
ですから、「管理」するためのものであって「操作」するためのものではありません。
それ以外にも、CR機で使われるプリペイドカードの販売状況の管理や、
会員の貯玉再プレイの管理、従業員の給与管理などのためにも利用されたりします。
ちなみに、そうしたホールコンピュータはどこが作っているのかというと、
主なメーカーはダイコク電機やサン電子といった会社になります。
ダイコク電機は東証1部に上場していますし、サン電子はJASDAQに上場しています。
こうした上場企業が、わざわざ出玉操作できるような違法なホールコンピュータを作ってホールに納品するとは思えません。
ですから、ホールコンピュータにはそもそも出玉操作できるような機能はないのです。
3.裏ロムについて
それでは、個々の台ごとに遠隔操作できるように仕組むことはできないのでしょうか?
メーカーで作られたパチンコ台は、まず保安通信協会(略して保通協)の試験にパスして認可されたあと、各都道府県の公安委員会の認可を受けて初めてホールに設置されることになります。
ですから、仮にメーカー側が出玉操作できるような不正なパチンコ台を作ったとしても、保通協の試験に通らず認可が下りませんので、ホールに設置されることはありません。
過去に発覚した遠隔操作は、正規のメーカーの台に裏ロムなどの不正な部品を取り付けて、遠隔操作用PCによって行われるものが多いのです。
攻略法販売業者などは、そうした遠隔操作用のPCも含めて「ホルコン」とよぶために、本来の目的が「管理」であるホールコンピュータが遠隔操作の元凶であるかのような誤解を生む要因にもなっています。
では、そうしたホールの不正行為を防ぐ手段はないのでしょうか?
実は、パチンコ業界には「遊戯産業健全化推進機構」という一般社団法人があって、抜き打ちで各ホールに立ち入り検査を行なっています。
もともとは、全日本遊連がパチンコやパチスロ台の不正改造問題に対応することを目的に、メーカー・販社側の業界団体などと共同で立ち上げた組織になります。
この立ち入り検査は、各ホールには無通知で、抜き打ちで行なわれますし、
台をあけて基盤や配線をチェックして不正な改造が行なわれていないかを検査したり、ジェットカウンターに実際に玉を流して計数が正しいかを確認したりしています。
基本的に、ホールはこの立ち入り検査を断ることができません。
なぜなら、各ホールは「不正改造された機器を設置・使用しない」「抜き打ちでの立入検査を無制限に受け入れる」旨の誓約書を機構側に提出することで認定証をもらえるのですが、
立ち入り検査を受けて不正改造が発覚した場合や、立ち入り検査を拒否した場合にはこの認定証が剥奪され、メーカーや販社は「認定証を持たない店舗へのパチンコ・パチスロ台の販売を一切行わない」とすることで、
認定証を剥奪されたホールは以後、新台の導入が実質的に困難になり営業を継続できなくなるからです。
もちろん、立ち入り検査を受けて、もし不正が発覚したら営業停止となってしまいます。
ですから、「台に不正な部品を取り付けて遠隔操作を行なう」というのも
バレたときのリスクを考えれば非常に難しいのです。
4.電圧について
パチンコをする人の中には、「電圧を変えることで大当たりを操作することができる」と思っている人もいます。
たとえば、シマ全体で急に大当たりが連続したり、逆にひっそりと止まってしまったりすると電圧のせいだと考える人がいます。
しかし、それには理論的な根拠はないでしょう。
そもそも、シマごとに電圧を変えるなんてことができるのでしょうか?
また、パチンコ台は内部にコンピュータが搭載された精密機械ですので、
うっかり電圧を意図的に変えて中の機械が壊れてしまったら、ホールにとっては莫大な損失になってしまいます。
個人的には、電圧で遠隔操作をするのはナンセンスだと考えています。
5.まとめ
それでは、なぜ人は遠隔操作を疑ってしまうのでしょうか?
それは、本質的にはパチンコに対する正しい知識がないからです。
パチンコに対する正しい知識があれば、むやみに遠隔操作を疑うことはありません。
なぜなら、遠隔操作を疑う前に、まずデータを集めて分析してみる過程があるからです。
正しい知識がないために、パチンコで負けてしまったり、自分の思うようにいかなかったときに誰か他人のせいにしてしまいます。
なぜなら、自分が負けた本当の原因がわからないからです。
では、パチンコに対する正しい知識とは何でしょうか?
それは、パチンコは確率に支配されたゲームであり、長期的には確率通りに収束するということを正しく理解することです。
おそらく、ほとんどの人にとっては、もう何度も耳にしてきたことばでしょう。
しかし、パチンコで負けている人の中で、このことを正しく理解している人はほとんどいません。
正しい知識があれば、もしホール側が遠隔操作をしていても、それを見抜くことができるでしょう。
少なくとも、遠隔操作だと疑うに足る合理的な根拠があります。
とはいえ、一個人だとそれを証明するのはムズかしいでしょうけど。
負けたときの言い訳、出なかったときの言い訳に「遠隔操作」を持ち出さなくなったときに、パチンコで勝てるようになる正しい道を歩き出しているのだと思います。
私が、パチンコで勝てるようになったきっかけや、その方法論は
パチプロおじさんのパチンコで勝つための方法論【不変のセオリー】
としてnoteにまとめていますので、そちらを見ていただければと思います。