群馬県版ワクチンパス(仮)関連施策の対象者判断基準の問題点

群馬県版ワクチンパス(仮)関連施策の対象者判断基準の問題点


1.対象者判断基準(政府のワクチン・検査パッケージ)

群馬県のものは基本的に政府の示したワクチン・検査パッケージを基本に検討されていると考えるが、
https://corona.go.jp/package/

以下引用
【ワクチン・検査パッケージのイメージ】
● ワクチン・検査パッケージとは、ワクチン接種歴又は検査のいずれかを確認することで、感染対策のための制限の緩和措置の対象とするものです。
● ワクチンの効果は完全ではなく、接種しても感染し、他の人に感染させる可能性があります。また、検査結果が陰性でも感染していたり、他の人に感染させたりする可能性もあります。このため、ワクチン・検査パッケージを活用する場合でも、基本的な感染防止策の徹底を継続してください。
1) ワクチン接種歴
● ワクチン接種完了者であるか、2回接種した際の予防接種済証を用いて確認します。海外で接種した方は、当該国で発行された予防接種済証を用います。
2) 検査
● 検査は、PCRが推奨されますが、抗原定量検査やLAMP法も利用可能であり、これらの扱いはPCRに準じます。抗原定性検査も想定されています。
● 民間検査機関で受検した結果も認められます。
● 抗原定性検査については、国の医療機器の承認を受けた製品の結果のみが使用されます。
● PCRは72時間以内、抗原定性検査は24時間以内の検査結果が有効です。
● 検査費用には原則、公費による支援はありません
● 検査結果が陰性でも感染していないことが保証されるわけではありません。

2.ワクチン・検査パッケージの問題点と県知事発言

2-1.ワクチン接種済み感染者の判別ができない

以下ワクチン・検査パッケージを一部抜粋
「…自治体や事業者の方々との議論を含め、国民的な議論を行い、実効性のある具体的な枠組みの構築に向けてワクチン・検査パッケージ等の制度設計を進めてまいりますので、ぜひご意見・ご要望をお寄せください。」
「●ワクチン・検査パッケージとは、ワクチン接種歴又は検査のいずれかを確認することで、感染対策のための制限の緩和措置の対象とするものです。」
「●ワクチンの効果は完全ではなく、接種しても感染し、他の人に感染させる可能性があります。また、検査結果が陰性でも感染していたり、他の人に感染させたりする可能性もあります。…」

例えば1か月前か半年前なのか、いつ接種したかを問わない?ワクチン接種歴を要件とすることの合理性への疑義や、さらにワクチンの効果が完全でないと認識・記述しているのだし、
例えばワクチン2回接種完了し気の緩み等から不用意に感染対策を怠り感染してしまう他のような、いわゆるワクチン接種済感染者をこのパッケージでは判別出来ない。
ワクチン接種済みか未接種かに関わらず、きちんと検査し陰性を確認するべき。
(検査方法については市中の感染レベルに応じたものとし、赤外線等による検温程度のものから、検査結果の判定判断をより確かなものに近付ける必要のある場合は、出発地や移動経路移動手段等の問診や、感染エリアマップデータ等を活用しベイズの定理等 https://www.sci-museum.jp/files/pdf/study/universe/2020/08/202008_18-19.pdf により判定するアプリ等を開発運用するべき。またそれら検査体制整備運用経費の手厚い補助助成をすべき。)

(参考 新型コロナワクチンの有効性について、国立感染研究所
https://www.niid.go.jp/niid/ja/2019-ncov/2484-idsc/10637-covid19-58.html
が9月5日時点でまとめた情報によると、日本で感染が拡大しているデルタ株へのワクチンの有効性について、発症と感染に対して減弱の可能性があるものの、重症化に対しては不変としている。
具体的には、重症化10%減少またはVE、発症~30%未満減少、感染10~20%未満減少。
https://www.niid.go.jp/niid/images/epi/corona/58/covid19_vaccine_20210905.pdf )
(参考 【解説】 ワクチン効果ない? 「ブレイクスル 一感染」 拡大も抑制できない? [新型コロ ナ] 【Nスタ】 
イギリスでのデルタ株に対するワクチンの感染を防ぐ有効性は49%
https://www.youtube.com/watch?v=5soH-85gztA )

2-2.知事発言の「抗体検査」を用いることの問題点

「●検査は、PCRが推奨されますが、抗原定量検査やLAMP法も利用可能であり、これらの扱いはPCRに準じます。抗原定性検査も想定されています。」

山本知事が記者会見で抗体検査との発言もしていたが、抗原検査のようなウイルスの存在確認とは異なり、抗体検査による抗体の有無での判断は各個人の身体的特徴による差別となりかねないので不適当である。

2-3.検査費用について

「●検査費用には原則、公費による支援はありません。」

ワクチン接種は無料で、ワクチン未接種者に対する検査は有料、では県民の公平な扱いとは言えないため、医療機関等による陰性証明書等の発行費用を含め、検査費用は公費での負担を求める
もし有料とするならばワクチン接種・未接種を区別せずにきちんと検査し、行動緩和を希望する者に等しく負担を求めるべき。

(参考【対談】 岡本みつなり×西村康稔大臣 #3 「ワクチン検査パッケージ」 検査キット価格は500円程度? https://www.youtube.com/watch?v=dkLlNJgOyU8 )

3.運用上の課題

3-1.誰がどのように判断し、有効性をどう担保するのか

旅行観光宿泊業者や飲食店における従業員等による、スマホ画面や検査結果や陰性証明書等の目視による確認で、どこまできちんと判断できるのか。それは感染防止対策等の公共防疫施策という観点から非常に問題であるとともに、公費支出において適正に行われることをどうやって担保するのか。

3-2.スマホアプリでの確認・管理上の課題

検査結果や陰性証明書等の現物による人的な確認・判断ではなく、QRコード読取り等スマホアプリ上での確認・判断とする場合に、個人の移動情報というプライバシーの流出対策やハッキング対策等の適正な情報管理はどのように図るのか。
またそのシステム自体の今後の利活用に不安を覚える、便利の先にある管理社会への端緒となりかねないため、安易に導入すべきではない。

(参考 ジョージ・オーウェル著 1984年 https://courrier.jp/news/archives/85829/ )

4.まとめ

以上より、ワクチン接種済みか否かは行動制限緩和の要件とするには不合理であり、さらにプレミアムを設けるという経済的県民差別は厳に慎むべきであるさらに管理社会への端緒となりかねない、

ワクチンパスは不必要、不当である。

ワクチン自体の問題課題については別述する。

(参考 未接種差別 8県が禁止 27道府県「国は対策を」 山陰中央新報 2021/10/4 04:00 https://www.sanin-chuo.co.jp/articles/-/102836 
(参考 長期化するコロナ禍で 「私権制限」の法整備 は進む?そこに問題はない? (テーマ別) 【そこまで言って委員会NP | 2021年10月3日 放送】 14:40~ https://www.youtube.com/watch?v=g2SiMOVB3b8 )

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