マイケル・ジャクソンを相手にマジックを演じた事がある。
Twitter で「マイケル・ジャクソン相手にマジックをやった事がある」と投稿したところ、反響が結構ありましたので、その時の様子を少し詳しく書こうと思います。🙂
まず最初に説明しますと、マイケル・ジャクソンは1992年12月にデンジャラス・ワールド・ツアーの日本公演で来日していて、その公演の合間を利用して東京ディズニーランドにお忍びで遊びに来られました。当時の私はそこのマジックショップで実演販売員をやっていて、その時にマイケルとそのスタッフを相手に接客をした訳であります。
1992年12月27日(火曜日)私はいつものように売場に立って、手品の実演販売をやっていたところ、18時20分頃にOLC(東京ディズニーランドの運営会社)のお偉方とセキュリティらしき関係者が数名やってきて私に話しかけてきました。「今からマイケル・ジャクソンがこのお店に来ますので、マジックを見せてあげて下さい」とお願いされました。😮
これは後から聞いた話ですが、マイケルは当時ネバーランドという施設を持っていて、多くの子供達を招待していました。その子供達にお土産を考えたとき、マジックグッズはどうかと話していたらしいです。またOLC側もスーパースターの来園で混乱を抑えられる店舗としてマジックショップが良いと判断したのか、この店だけに絞って買い物をする事に決まった感じです。
もうひとつ付け加えると、当時のマジックショップのカウンターにはウォーターマジックという小規模なアトラクションが設置されていました。これは水の流れをコントロールする噴水型のショーで、当時この店の売りのひとつでした。OLCの誰かがこのショーをマイケルに見せてあげたいと提案されたそうです。
さて、入り口の門が閉められて、外にセキュリティが数名現れお客さんの誘導を始めました。お客さんの方も「何事か?」と店の中に興味を示しだし、店の外にかなりの人だかりが出来たのを今でも覚えています。😐💦
そして 18時40分頃、従業員用の出入り口からマイケルとその関係者が5〜6人姿を現しました。この日の彼は黒の帽子に青いスタジアム・ジャンパー、ジーンズという軽装、体格は細く小柄でした。ただ顔の化粧は厚く、まるで人形の様に白く、見るからに常人ではないような印象を受けました。😮
通訳にうながされてカウンター前に集まり、さっそくマジックの実演を始めます。最初にウォーターマジック(現象内容は説明が難しいので省きます)、これは食い入る様に見てくれましたね。ショーの途中で「不落の水」を披露したら、かなり興味を持ってくれたらしく、後で買ってくれました(笑)。終わった後の拍手は圧倒される物があって嬉しかったですね。
魔法のステッキ(空中を浮遊するステッキ)も不思議がられ、その場でサンプルを手にとってレジの方に置かれました。しかも複数本(笑)。
少し説明すると、本来なら演目をつなげて一連のルーティーンを演じて見せ、終わった後に商品を説明するというのがこの売場の流れ・やり方なのですが、この時は様子がちょっと違っていて、ひとつの演目が終わると中断します。マイケルは見た後で「今のはどれだ?」と通訳に促して棚へ探しに離れていきます。そして複数抱え込んでレジに置き、カウンターに戻るという・・その繰り返しでした。😅
ダイナミックコイン、硬貨が消えたり現れたりするマジックの定番です。この時にマイケルにコインを握って下さいと手を差し出してもらいました。彼の手を触ってみましたが、女性のように綺麗で柔らかい肌だったのを覚えています。また喋り方もささやくような口調で、耳を近づけないと聴き取りづらい位でした。
マジックブック、絵が現れたり消えたりする絵本。すでにトリックを知っている感じで、これの反応は今ひとつでしたね。
ラストにチャイナリング、鉄製の輪がつながったり離れたりするマジックの定番。これは受けました。マイケルが最後に拍手をしながら日本語で「ジョウズ!」と言ってくれたのが最高の褒め言葉で嬉しかったです。😃
ひと通り見終わって、後半は買い物タイム。詳しくは覚えていませんが巨大なショッピングバックで約7〜8袋ほど買っていかれたかと? 当然棚はスカスカになりましたし、翌日の在庫分まで無くなって慌てふためいた記憶があります。
まぁ時間にして20分もない出来事でしたが、私にとってその後のマジック人生に大きな影響と自信を与えてくれたのは確かです。良きエンターテイナーは良き観客である事も彼から教わった気がします。ちょっとした体験記でしたが、楽しんでもらえたら幸いです。🙂