FF7R考察 ~回想劇説~

※考察って言っても特に説の根拠を拾い集めて補強したりとかはしません。単に「こうだったらちょっといい話かもなー」と思い付いたことを書いただけです。

※一応、FF7のネタバレを含みます。

よく言われているのが、その時点からしたら未来の出来事であるはずのシーンがフラッシュバックのように挿入されることなどから、クラウドが2週目なのではないか、という「タイムリープ説」。そして、ザックス生存などの原作との差異を根拠にした「パラレルワールド説」。

これらの説に対してどうしても違和感が拭えず、そこでふと一つの可能性が閃いた。それが「回想劇説」です。例えば同じFFシリーズだとFF10のような、或いは近年のメジャータイトルだとペルソナ5のような。FF7Rもそうした回想劇の一種なのではなかろうか。

この説に立つと、とりあえずタイムリープ説の根拠はほとんど説明がついてしまう。なぜ未来のことを知っているのか?それはそもそもコレが回想だから。フラッシュバックするシーンも全て、回想をしている時点から見れば過去だから。

ただ、単純な回想劇ではない。というのも、FF7Rの作中、エアリスがまるで未来を見てきたかのような、そう匂わせる言動をする。チャプター14それぞれの決意イベントでは、神羅に捕らえられたはずのエアリス(の幻影?)が会いに来たりする。原作との本質的な違いはクラウドが見る未来の映像と、このエアリスの不思議な振る舞いだ(※他の違いは極端な話「原作では描写は省かれてたけど実はこんなことがありました」で済むこと)。これは何なのかというと、ここからが今回の妄想の肝。

FF7Rのシナリオは回想劇。そして、この先のシナリオのどの時点から回想しているかというと、忘らるる都を越え、セフィロスを追って北の大空洞へ、そこでクラウドの真実が暴かれ、クラウドはライフストリームに落ちて、その後南の果てのミディールに打ち上げられる。このライフストリームの中での回想だというのが俺の説。
※或いはその後なんやかんやあってミディールがアルテマウェポンの襲撃を受け、ティファと共にクラウドは再びライフストリームに落ちる、そのときかもしれない。

と言っても、ライフストリームに落ちたクラウドがのんびり回想にふけってるわけはない。クラウドの意識も身体も、本来ライフストリームに溶け込んでなくなってしまうはずだった。ではなぜ助かったのか?俺はこれは、エアリスが助けてくれたんじゃないかと思う。

忘らるる都でセフィロスの剣に貫かれたエアリスはその後どうなったのかというと、「星に還った」んですよね。つまりエアリスの精神はライフストリームに還った。ただエアリスは古代種セトラの末裔だから、しばらくはライフストリームの中で溶け込まずにエアリスとしての精神・意識を保っていたということもあり得るんじゃないかと。

そして、そのエアリスが、ライフストリームに落ちてきたクラウドの意識に干渉した。クラウドの意識が溶けてなくなってしまわないように、自分を思い出せるように。その過程でクラウドが体験したこと、つまり自分の記憶の追体験こそがFF7Rの全編であったのではないか。

その追体験の中に現れるキャラクターはクラウド自身も他の皆も、全てはクラウドの記憶の中の存在だが、唯一エアリスだけは違う。それはクラウドの記憶の中のエアリスじゃなくて「現在の」「本物の」、つまり忘らるる都で星に還ったエアリス本人だ。そう考えると、作中のエアリスの不思議な振る舞いの数々にも綺麗に説明がつく。つまりエアリスは、クラウドに記憶を思い出させつつ、その回想に登場人物として干渉することでクラウドをどこかに、何かに、導こうとしている。

漠然とした言い方をするなら、エアリスはクラウドの精神を救済しようとしているのではないか。エアリスは、スラムでクラウドに出会ってから忘らるる都でクラウドの目の前で命を落とす時まで、ずっとクラウドを見てきた。そして「この人を救いたい」と思ったのかもしれない。そりゃ思うだろう、クラウドは破綻してる。俺がエアリスならきっと救いたいと思う。

この説の面白いところは、あくまで全編クラウドの回想であり、しかもそこにはエアリスの干渉があるから、当然そこには事実とのズレが生じても不思議ではないってところ。パラレルワールド説の根拠であった原作との差異についても、「原作では省略されてた部分なんですよ」と「これは事実の描写ではなくエアリスの干渉を受けた上でのクラウドの回想なんですから」で全部説明できてしまう。

あとは、FF7のシナリオの肝の一つが「ティファによるクラウドの救済」なんだけど、このクラウドはクラウドもどきであり、同時にザックスもどきでもあるわけなので、クラウドを知るティファと、ザックスを知るエアリスによって救済されるという構図は綺麗にまとまってるんじゃないかとも思う。

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