海外で今話題のHousepartyとは!?
概要
Housepartyとは、アメリカのサンフランシスコに拠点を置く、2011年創業のLife on Air, Inc.という会社が提供しているグループビデオチャットアプリです。(Life on Air, Inc.は2019年に人気ゲームFortniteを運営しているEpic Gamesによって買収されています。)このHousepartyが海外でとても人気で、コロナウイルスの影響で厳しいロックダウン下にある欧米で3月半ばから4月にかけての1か月間で、5000万ものユーザーが新規登録をしました。(出展:「Houseparty reports 50M sign-ups in past month amid COVID-19 lockdowns」)本稿ではなぜ海外でこのアプリが流行っているのか、日本における類似のサービスは何か、そしてHousepartyの今後について考察していきたいと思います。
*本稿では、Housepartyの詳しい使い方等は本記事では解説しませんので、使い方が気になる方は以下の記事をご参照下さい。(英語記事)
The Verge「How to use Houseparty to video chat with your friends」
なぜ人気なのか?私の主観から
1. テレビ電話の時間を設定する必要がない
Housepartyでは、誰かがアプリを起動すると、その人のアプリ上の友人に通知が飛び、その人にジョインすることでビデオチャットが始まります(アプリ上の友人はFacebookやSnapchat、連絡帳から追加します)。その為、あらかじめビデオチャットの時間を設定する必要がなく、突発的にチャットが始まるのがこのアプリの最大の特徴となっています。私もそうですが、自粛期間中、何もやる気が起きずに誰かと話したいときにアプリを立ち上げて話せる人を待ったり、家で何かを作ったりしている時に、それを友人に見せながらその体験・時間を共有することもできます。例えば、この前、私のオーストラリアの友人は、彼の同居人が髪を変な風に剃ったり、染めている瞬間をシェアをするためにHousepartyを立ち上げ、その模様をHouseparty上で中継をしました。その瞬間を皆で見て「Oh it's crazy!!!」なんて叫んで、その友人が「だろ!」みたいな会話が生まれるのです。同じようなことはInstagramのLive機能等を使ってもできますが、ビデオチャットで声を通じてすぐに反応がもらえるのもHousepartyの特徴です。
2. ゲームができる
Housepartyには、相手の額に書かれた単語等を説明して相手にその単語を当ててもらうHeads upや、絵を描いて何を描こうとしているのか当てるQuick Draw、トリビアクイズのTrivia等、複数種類のゲームが用意されています。ビデオチャットだと時折会話が続かなくなる瞬間等があるかと思いますが、Housepartyではゲームで遊ぶ事で友人と話が途切れることなく楽しい時間を過ごすことができます。ちゃんと話したいときはゲームを止めればいいので、最初はお互いの近況を話して、ひと段落したらゲームで遊ぶ、というパターンが多いような気がしています。毎回毎回ビデオチャットを同じ友人としていると話題に困ることもあるかと思いますが、Housepartyならゲームのお陰でその心配はご無用なのです。
3. 新しい友人ができる
実際のPartyの特徴として新しい友人ができるというのがあると思います。私もオーストラリアに留学していたころ、当時住んでいた寮のパーティー等によく顔を出し、新しい友人を作っていました。Housepartyではそれに近い体験ができます。例えば、友人が別の友人と話している時にそのチャットに入ることでその友人を紹介してもらい、その友人と知り合うことができます。私もこれまでに新しい友人を二人、Houseparty上で作りました。その友人たちとは、今でもInstagramやFacebookを通じて交流をしています。また、今のチャットにいるメンバーだけで話をしたいときは、そのチャットをブロックすればよいので、メンバーを限定したよりプライベートなチャットをすることも可能です。
やってみた感想
私も4月の12日にアプリをダウンロードし、複数回遊んでみました。一番嬉しかったのは、オーストラリアや東京に住んでいた時の友人と話す機会になったことです。このアプリをダウンロードしなければ、恐らく連絡もとっていなかったような友人でしたが、Houseparty上でつながることで話すきっかけを作ることができました。また、前述の通り新しい友人も2人作ることができ、友好の輪を広げることもできました。UXの観点では、普段の生活で道端で出くわした友人とちょっと立ち話をしたり、さらにそこに通りかかった友人を紹介してもらったり、友人のリアルなハウスパーティーに赴いてゲームをするような体験ができます。これをオンライン上で体験できるのは個人的にはとても画期的な事だと感じており、まさにwith コロナ時代にピッタリのサービスだと感じています。
日本における類似サービスは?
日本における類似サービスはLINEのビデオチャットか、現在世界中でブームになっている「あつまれ どうぶつの森」が挙げられると思います。LINEのビデオチャットだと、参加しているメンバーでゲームが遊べるので、その点でHousepartyと類似しています。また、「あつまれ どうぶつの森 」は隔離生活の癒し(Wall Street Journal)になっていて、他のプレイヤーと交流できる点でHousepartyと類似しています。ただ、Housepartyの最大の特徴であるビデオチャットを突発的に始められるという点では、まだ日本には類似のサービスはないのではないでしょうか。
今後
ヨーロッパやアメリカではロックダウン緩和の動きが出始めていますが、治療法やワクチンもまだ確立されていない現時点では、Housepartyを使って友人との交流を楽しむ需要はまだまだ底堅いと言えるでしょう。ハーバード大学の調査では、2022年まで社会的距離を取り続けなければならないとされており、Housepartyは今後も多くの人に必要とされていくことでしょう。また、現在日本語のサポートがされていないHousepartyですが、今後日本でもサービスがローンチされる可能性もあると思います。引き続き、Housepartyの動向に注目です。