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球史に残る名手を彷彿! 東海大相模「大塚瑠晏」の“1.5倍速”の守備力

 来年のドラフト会議に向けて才能がある選手を発掘しようと、ドラフト戦線は早くも活発化している。プロアマ野球研究所では、来年以降のドラフト候補についても積極的に紹介していく。今回は小柄ながら抜群の守備力を誇る高校生ショートを取り上げてみたい。

【2020年10月27日】高校野球秋季関東大会準々決勝
東海大相模1-2×東海大甲府(9回サヨナラ)
■大塚瑠晏(東海大相模) 2年 遊撃手 170㎝ 65㎏ 右投左打

 東海大甲府が劇的な逆転サヨナラ勝ちで来年の選抜出場に大きく前進した試合だが、ドラフト候補という意味で最も目立ったのが東海大相模のショート、大塚瑠晏だ。「瑠晏」と書いて「るあん」と読む。旧チームからショートのレギュラーに定着し、昨年秋の関東大会でも全試合にフル出場してチームの準決勝進出に貢献。今年の春からは山村崇嘉(西武3位)がプロ入りに向けてショートに挑戦したこともあって、甲子園の交流試合では途中出場にとどまったが、新チームからはまた不動の正遊撃手となっている。

 とにかく、素晴らしいのが守備のスピード感だ。シートノックの時から一人だけプレーの速さが違い、極端なことを言えば、1.5倍速で再生しているかのように見える。当然速く動けるだけでは意味がない。速く動きながらボールの近くでスピードを落とさずにバウンドを合わせる技術が他の選手とは明らかに違うのだ。時には難しい当たりで少しスピードを緩めるケースもあるが、一度緩めてから再び速く動き出すまでの切り替えが速い。

 そして、スピードがあるのはフットワークだけではない。捕球してからの持ち替え、スローイング自体の動きにも速さがあるのだ。守備の動きを写真に収めようとしてカメラを構えていても、いつもの感覚でシャッターを切ると既に投げ終わっているということがよくあった。

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