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特許庁審査官も人

さて、特許出願をすると特許庁の審査官によってその特許性が審査される、というのは多くの人がご存知かと思います。特許権は一定期間、発明の実施に関する独占排他権を与えるものなので、むやみやたらと権利が付与されることのないよう、審査が必要ということですね。

さて、審査官といえばどこの国でも優秀な方が就いていますが、審査官も人ですからいろいろと傾向があります。文法などを細かくチェックされる審査官もいれば比較的寛容な審査官もいます。発明者寄りの考え方をする審査官(権利化を助けようという方)もいれば、オープンイノベーション的な考え方をする審査官(独占権なんてとんでもないという方?)もいるかも知れません。

そこで、審査官の傾向を分析し、担当審査官ごとに拒絶理由への対応方針をカスタマイズしようという考え方が出てきます。

そんな審査官情報、実はネットで入手できることをご存知でしょうか。
詳細な分析は有料になっていますが、簡単なデータであればPatent Botsというサイトで審査官の情報が公開されています。

リンクを開いていただいて、審査官の名前を入れると審査官としての経験年数、グレード、審査の厳しさ(Difficulty)などが出てきます。

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また、下にスクロールしてもらうとこの審査官による登録率やインタビューの効果なども出ています(ただし、無料で見れるのは一部のみ)。

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ちなみに、2~3年前まではEXAMINER NINJAというサイトがあったのですが、現在はセキュリティの警告が出てしまうようになりました。このPatent Botsはいまのところ問題なく利用できます。


なお、弊所では法律関係のデータベースプロバイダ大手のLexisNexis社が提供するPatentAdvisorというサービスを契約しており、クライアントにコメント(拒絶理由への応答方針を提案)をさせて頂くときは、こちらのデータを利用しています。

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以前、興味半分でPatentAdvisorのデータとPatent Botsのデータとを比較してみたのですが、まぁまぁ数字が違ってたりします。Patent Botsの方は契約していないので、表示されるデータが古いものだったりするのかも知れません。

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