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【希少疾患を知る⑭】脊髄性筋萎縮症(SMA)
こんにちは!ペイシェントアクセス室です。
今日は、脊髄性筋萎縮症(SMA)という希少疾患について、どんな病気なのか簡単に紹介させて頂きたいと思います。
■どんな病気?
日本では約900人
筋肉を動かす信号を受け取る「脊髄前角細胞」の変性が原因で、筋力低下や筋委縮が起こる病気です。日本における疾患当事者は約900人(令和4年度末現在 特定医療費(指定難病)受給者証所持者数)です。小児期に発症するI型:重症型(別名:Werdnig-Hoffmann病)、II型:中間型(別名:Dubowitz病)、III型:軽症型(別名:Kugelberg-Welander病)と、成人期に発症するIV型(成人型SMA)に分類されます。いずれも男女差はありません。
脊髄性筋萎縮症は、SMN1遺伝子の変異が原因と考えられる遺伝性疾患です。人間が2本1セットで持っているSMN1遺伝子のうち、両親がともに1本ずつ変異を有していた場合、両親からそれぞれ変異したSMN1遺伝子を受け継いで2本とも変異を有した状態で生まれた子どもは脊髄性筋萎縮症を発症します。父親か母親のどちらか一方のみから変異した遺伝子を受け継いだ場合は「保因者」と呼ばれ、通常、病気の症状が出ることはありません(その子の親と同じ状況です)。また、生まれる子どもは、理論上は4分の1の確率でSMAを発症せず保因者でもなく(変異した遺伝子を持たず)生まれます。
全てのタイプに共通して、筋力の低下と筋萎縮がみられます。
I型(生後6か月頃までに発症):生後数週間で運動発達が停止し、急激に運動機能が低下します。そのため支えなしでは座れず、哺乳・嚥下困難、誤嚥がみられ、人工呼吸器が必要になります。
II型(1歳6か月頃までに発症):座ることはできますが、支えなしで、立ったり歩いたりすることができません。舌や手指の震えや、成長するにしたがって関節拘縮と側弯が起こります。
III型(1歳6か月以降の発症が多い):歩行はできるようになりますが、歩けない、立てない、転びやすいなどの症状が出てきます。腕を上げることが困難になる場合もあります。しかし、生涯歩行できる人もおり、運動症状に個人差が大きいという特徴があります。
IV型(成人発症):軽度の筋力低下が主で、発症年齢が遅いほど進行のスピードも緩やかです。呼吸器症状や側弯もみられません。
かつては経管栄養や胃ろう、関節拘縮に対するリハビリテーションなどの対症療法のみでしたが、現在は脊髄性筋萎縮症に対する疾患修飾治療薬も使用されています。
もっと詳しく知りたい方は、難病情報センター(指定難病3)などをご確認ください。
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