なぜペットにノミ・ダニが付いているとトリミングを中止して施術が途中でもお返しされるのか??
◆この記事を書こうとした理由
「トリミングの施術中にノミを発見した為、施術を途中で中止して飼い主さんに理由を丁寧に説明してお返ししたのですが、ご理解頂けなかったのか不機嫌そうに帰ってしまった」
「ノミ・ダニを発見した際はトリミングを中止してお返しするのが今のトリミングサロンのスタンダードだと思うのですが、こう言ったケースで何か上手く伝えられる方法はありますか?」
というお悩み相談をトリマーさんから頂きました。
これは私の全くの憶測ですが飼い主さん的には「うちの子はノミ・ダニの予防薬はちゃんと受けていたのに!たかが一匹ノミ・ダニが付いてたくらいで何故最後まで施術してくれないのか、しかも施術は途中で中止されたのにお金まで取られた」と言うように感じたのか、
色んな性格の人がいらっしゃいますので、この飼い主さんはノミ・ダニを見つけた時の怖さの説明を受けても、知らなかったのか、納得できなかったのか、理解しようとしなかったのか分かりませんが、ただ一つ言えることは【飼い主さんの気持ちに関係なく】トリミングサロン内でのノミ・ダニの発見は非常に怖い出来事なのです。
今回はペットを飼っている「飼い主様向け」にトリミングサロンさんの気持ちを代弁して記事にします。
※ノミ・ダニの怖さを知ってる方はスルーしてください。
※間違ってたらコメント欄で教えてください。
◆ノミ・ダニの怖さについて
最近のトリミングサロンの利用規約には
「ノミ・ダニの予防をしていること」
「ノミ・ダニが確認されたら施術を中止してお返しします」
「途中までの施術料金とサロン内清掃費用を請求します」
というような条件が記入されています。※無いお店もあります。
このノミ・ダニですが基本的に人間やペットを宿主として生存している寄生虫です。
<ノミの感染経路>
外なら地面やちょっと湿気がある草陰などの散歩道、家の中ならカーペット・ベッド等、ヒトやペットの生活圏に存在し、体長わずか2~3mmのノミは脚力だけで地面から高さ30~45cmという昆虫界最強のジャンプ力で通りかかった人やペットに飛びつき寄生します。最近は暑くてお散歩も行ってないのに「ありえない」と思われる事もあるかもしれませんが、外に出かけていた人間の衣服に飛びついたノミが室内に持ち込まれペットに寄生する事がありますので「うちの子は室内犬だからとか・最近散歩に行ってないからありえない」ということは「ありえない」のです。
★ちょっと休憩
※ノミがもし人間サイズ(180cm)なら、そのジャンプ力は地面から270mなんて言わているそうです。ノミがぴょんぴょん飛ぶのは知っていましたが昆虫界最強のジャンプ力というのは余談ですがこの記事を書きながら文献を調べる中で私も初めて知りました。
<ノミが寄生するとどうなるのか>
ノミは針のような口をしており寄生した動物の皮膚を刺して吸血します。刺された場所からノミの唾液がアレルギーの原因となり、強いかゆみなどをともなう皮膚炎が起こります。ひどいかゆみにより、自分の体を噛んだり引っかいてしまうと怪我や脱毛、場合よっては化膿性皮膚炎などに進行することがあります。
寄生すると8分以内に吸血を開始し、2日以内に産卵。その後も吸血と産卵をくり返して、1~2カ月で一生を終えます。メスノミが10匹いれば、30日後には約2000匹に増殖。同時に、90,000個以上の卵と十数万匹の幼虫を生み出すといわれています。
またノミの卵は表面がサラッとしているので寄生している宿主が移動すれば、あっちこっちに卵が体表面から落ちて家中、強いてはトリミングサロン内でバラまかれ大量発生する場合があります。(怖)
体長2〜3mmと非常に小さいため中々発見も難しく今回は「1匹見つかった」というだけで、まだ他にも体表面に潜んでいる可能性があります。
そのまま施術すればブラッシング、シャンプー、ドライング、カット、お迎え待ちなど、何かの拍子で昆虫界最強のジャンプ力で体表面から離れ、例えば施術していたトリマーさんや使用した道具、他のお客様のペットや、サロンの看板犬等に再寄生や卵が付着し、その先のご家族やお知り合いへと二重三重にも被害が拡大する恐れがあります。
やや過剰な表現をしていますが最悪なケースだとこうなりますが
そうなったら責任は誰が取るんでしょうか
もう既にノミ、ダニ発見時にはトリミングを中止せざるを得ない理由はご承知頂けたかもしれませんが、まだまだ続きます😱
が、今日はここまで
<次回>
・ダニの怖さについて
・ノミ・ダニ予防薬に効果はあるのか
・なぜ施術を中止しお金まで取るのか
についてお話したいと思います。