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原付免許の減少と高齢化/運転免許統計2021
保有者数(年末現在数)
人口ピラミッドとの比較@2021
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原付(げんつき)こと原動機付自転車。親しみを込めて「原チャリ」などとも呼ばれ、手軽な移動手段として幅広い年齢層に利用されています。
15歳以上人口の14%、1500万人以上の保有者数はかなりの数といえるのではないでしょうか。
保有者数の推移 2001-2021
推移をみてみると、面白いことがわかります。
原付免許保有者の総数は、ここ20年で160万人ほど減らしたようです。
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数が減っただけでなく、保有者の年齢層がちがっています。
ボリュームゾーンを形成していた20代から40代の保有者が、20年の時を経て20歳の年齢を重ね、40代から60代のボリュームゾーンを形成することになりました。
一方で、あらたに原付免許を取得する若年層が減少しているようです。
単純に若年層の人口自体が減っているためか、人口に占める取得者の割合が減っているのか、このグラフからは分かりません。
50代や60代では男性よりも女性の方が保有者数が多いなど、原付免許は社会情勢の影響をなにがしか受けているし、受け続けていると推察されます。
交付件数
保有者数の減少は、免許の失効や返納によるものが考えられます。上図を見れば、ここ20年でかなりの数が減少しています。
一方、毎年のように新たに交付されるものもあります。
交付件数の推移 2001-2021
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※2021との横軸不一致に注意
原付免許の交付件数は、ここ20年で4分の1となりました。上図の線グラフ(右下)にみられる右肩下がりが交付件数の減少を如実に表しています。
細かく見てみれば、やはり10代男女の新規取得者が大きく減っています。これは実人口の減少スピードよりも急激に減少しているとみてよさそうです。
一方で、20代後半以上の年齢では、男性の取得者は増加、女性の取得者は減少する傾向があるようです。
このデータの裏側にある背景までは分かりませんが、原付免許の需要減少がうつす社会情勢の変化は、想像力を刺激する面白い考察テーマではないでしょうか。