大型特殊免許の交付が急増!その原因は…?/運転免許統計2021
大型特殊免許保有者
人口ピラミッドと比較
クレーン車やブルドーザーなどの運転に必要な大型特殊免許。2021年時点での保有者は全国で250万人を数えます。
性・年齢別の分布は以下のとおり。
男性に偏り、最頻階級は70代前半の男性となっています。この点は時代背景や運転に力仕事が伴うこと、人口ピラミッドのデッパリを反映したもので当然と言えるかもしれません。
ただし、40代後半の男性がそれほど多くなっていないなど、人口に占める取得者割合は下がっている可能性が高いです。
2001と2021の比較
大型特殊免許保有者の性・年齢階級別分布がここ20年でどう変化したのか。
20年前、すでに50代前半の男性がもっとも大きな割合を占めています。大型で特殊な車両のハンドルを握り、バリバリと現役で働く男たちの姿が想像されます。
20年の時が経ち、50代男性は70代男性へ。そして後に続く世代は人口も少なく、働き口の多様化などもあってか、免許保有者数の数は増えていません。
図中の線グラフ(右下)には男女別の推移が示されていますが、どうも総数自体は増えているようです。ただし、今後は高齢者の引退によって総数現象フェーズへ移行することが予想されます。
また目立ちませんが、女性の保有者数が倍増しているようです。単純に数だけでみた場合、女性保有者の主役は40代。こうした方々は何歳のころに取得されたのか、ちょっと気になるところでしょうか。
交付件数の推移
2001-2021
毎年の交付件数も統計が取られています。下図では淡色が新規交付、濃色が併記交付を示しますが、だいたい併記(濃色)で占められているようです。
2001年。10代の取得件数を無視すれば、男性側は若年に向けてひろがるきれいなピラミッド型をしています。女性も数は少ないものの、10代を含め若年に向かって多くなっています。
2021年。女性の取得件数は全世代で広がっています。
また男性は特異な様相を呈してます。右下の線グラフで推移を見れば、2019年を境に交付件数が急増しており、ここで制度的な変更があったことが推察されます。
件数急増の原因としては、作業機付きのトラクターの公道走行に関する制度変更が考えられます。これまで黙認されてきた状況が変わり、大型特殊免許が必要となった農家の方が取得されたのでしょう。
20代男性より70代以上の男性の方が取得件数が多いのは、農業従事者の高齢化も反映したものと思われます。
動画でみる推移
保有者
交付件数
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