「学歴別にみた平均年収の統計」を図解してみよか
この記事は厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」データにもとづいてるで。
この統計はかなりの詳細データがあってどこから手を付けていいのかわからんくなるけど、とりあえず大枠でとらえてみよ。
性・年齢階級別の基準グラフ
一般労働者の、企業規模10人以上の、全産業を総合したもの、というのが賃金構造基本統計調査のもっともおおきなくくり。たぶん。
性・年齢階級別で人口ピラミッドみたいに表示した年収グラフはこんなかんじ。
統計内に「年収」って項目はないから、「きまって支給する現金給与額」という月給額に12をかけ、「年間賞与その他特別給与額」をボーナスとしてたす計算によって算出した概算年収になってるので注意。
なんとなくもってる相場観とそんなに離れてないんちゃう?ってことで、これが基準のグラフやね。
軽い観察
男性は年齢上昇によって50歳くらいまでは年収が上がり続けてる。女性は40代くらいで頭打ち。60歳すぎるとガクッと下がる。同年齢やと、つねに男性が女性を上回ってる。そんなグラフ。
日本の労働者の給与といえば…という大方の予想通りな気がするけどどないでしょ。
右下、2006年から2022年までの推移を一部の年齢だけ表示。どうも変動はしてて、大きな流れとしては年収がゆるやかに上昇してるようなそんな推移。40代前半男性は…けっこう下がった?
学歴別
つづいて学歴別。最終学歴による分類は以下のとおり。
中学卒
高校卒
専門学校卒
高専・短大卒
大学卒
大学院卒
不明
中学卒
中学卒の場合。全体のグラフとは横軸のスケールが違っているので注意。
形自体は全体のものと似てるけど、年収額は少なめ。男性の最大値が40代前半、女性のが40代後半になってるのは特別やね。年齢と年収の相関が小さいかんじ。
高校卒
高校卒の場合。やっぱり全体の傾向と似てるか。比較すると30代後半からの伸びがゆるやかかな。
専門学校卒
専門学校卒の場合。高卒よりもけっこう年収額が大きいか。50代での差が大きいんかな?
高専・短大卒
高専と短大をあわせるのはどうなんやと思うけど、どうなんやろ?学生のタイプも就職先も全然違うと思うんやけど、どうなんやろ?
年収額はこれまでのどれより大きいっぽい。
大学卒
人数が多いので全体の傾向への影響も大きい大卒者のグラフ。百万の位の数字がちがうとインパクト大きいなぁ。
年齢があがるほどに男女差がきわだってる気もするけど、どないでしょね。
大学院卒
大学院卒の場合。なんとなく大卒者よりも男女差が小さい気も。60歳以降になっても男女とも年収があんまり落ちひんのはどういう仕組みや?
平均年収が1,000万円をこえてる50代男性。すごいな。統計項目が「大学・大学院卒」からそれぞれ別建てになったせいで推移が2020年からしか見れへんけど、男女とも50代以降の年収がだんだん下がってきてるのはなんでやろ?
不明
「不明」という項目も一応あるので、一応。
調査対象人数(2023.05.01追記)
この統計がどんな人を対象にしているかはけっこう重要かも?というわけで、賃金調査の対象となった労働者数を表示。この統計における「労働者数」は抽出率で割り戻すなどなどのやっかいっぽい数字やけど、その辺はスルーで。
全体(学歴計)
男女差が大きいのは、この図では短時間労働者が除かれてるためかな?
学歴別/全体との比較
灰色部分を全体(学歴計)として、各学歴の人数。
高卒が一番多いけどボリュームゾーンは40代以上だとか、大卒割合は若年層ほど多いとか、大学院卒は男性側に偏りがあるとか、いろいろ読み取れそう。
おわりに
なんか気づいたことがあればコメントなどで教えてください。
どうも学歴、企業規模、産業分類だけじゃなく。役職や職種や職歴やその他もろもろの分類が賃金構造基本統計調査にはあって、とても細かくて、めっちゃ有用なデータやのに活用するのむずいなぁという感想。
まぁでも、ぼちぼちやってきましょ。
ちなみに今回示したデータは「一般労働者(=短時間労働者以外の労働者)」で、「常用労働者を10人以上を雇っている企業に所属」というもの。全労働者の中でも年収が高いほう/低くはないほうの階層だと思われるので、あらためてご注意を。