「役職と年収の統計」を図解してみよか/部長・課長・係長の肩書価値
厚労省「賃金構造基本統計調査」は統計法による基本統計で、要するにめっちゃ重要な統計や。ねんけど、複雑すぎるきらいがあって十分に活用されてない。
このnoteでは「役職」にフォーカスして年収を図解してみるで。
ちなみに年収は「きまって支給する現金給与額」と「賞与その他特別給与」から算出した概算値。
ちょっとした概説
役職別統計は「非役職」と「役職計」に大別されてて、役職は下記3種に小別。
部長級
課長級
係長級
図解によって「一般的な部長の年収ってどんなもん?1,000万円超える?」みたいな疑問がパコッと解消するはずや。
上で複雑すぎるって書いたんは、この役職別の統計が「産業別」、「企業規模別」、「学歴別」でさらに細分化されてるってはなし。今回は下記に絞って図解。
産業別:産業計
企業規模別:常用労働者10人以上
学歴別:学歴計
要するに大枠を捉えてみよってことやねんけど、それなりに見えてくることはあるやろ、というわけで。
役職か非役職か
人数比較
役職者って要するに管理職やから、普通に考えたら非役職者より多いはず。統計の調査対象人数を比較したら以下のとおり。
たしかに役職者(部長・課長・係長の合計)は少ないなぁ。調査対象者の合計2,400万人のうち、600万人が役職者。
それ以上に男女差や年齢差が気になるとこやね。いやこれは「役職者っておっさんが多いんやろ?」という大方の予想通りかもしれん。
年収比較
年収は…まず役職者計(部長・課長・係長を分別しないで平均したもの)から。
ぱっと見どうでしょ?役職が付くと年齢平均より年収が多そうなイメージに合致してるか。
右側折れ線グラフは、「20-24, 40-44, 50-59歳/性別推移」という2006年から2022年の推移を示す参考グラフ。若干みにくさあるけど、参考まで。
次に、非役職を役職者の年収(グレー表示)と重ねてみよ。
うん。予想どおりというか、役職が付かないと年齢を重ねても年収が上がっていってない状況がはっきり出てる感じか。
昇給・年収アップは、出世(≒肩書がつくこと)と相関してる。
さて、これを基本線として各役職の年収をみてこか。以下では「役職計」との比較で各役職の状況を見せてくで。
部長級
まずは部長クラスから。
どんな人?
役職者のうち、部長の分布はこんな感じ。
役職者の中でも精鋭をあつめた(?)部長職。年齢高めの男性というかたよりがよりハッキリした感じ。ただ、60歳くらいで役職を解かれる可能性が高そう。
年収は?
部長といえば会社内でも高給取りやろ?という期待に違わぬ様子。図中のラインは役職者計の年収やから、もちろん部長はそれを超えてくる…だいたいは。
数少ない女性部長は若いころから男性より高年収になることもあるらしい。おもろ。女性40代以降の減少傾向なんやろね?
部長といえど、60代になれば年収は下がるみたい。
20代前半男性の部長職、報われてる…のか?右側の2006年からの推移が荒ぶってるね。
課長級
つづいて課長クラス。
どんな人?
総じて部長より若い課長。管理職としての出世ステップをのぼりだしたみなさん。
年収は?
課長になればそれなりの年収が見込まれる模様。50代を超えると部長年収と差がついて、役職計に若干劣るんやね。
部長の場合は女性が男性を凌駕していた年代もあったけど、課長年収は男性優位かな。
係長級
どんな人?
役職者の中では若い人も多い係長クラス。まぁでもまんべんなく、40代を中心に広く分布。
係長143万人、課長169万人。課長の方が多いんや。女性率高し。
年収は?
もちろん非役職者より年収の多い係長クラス。それでも、さらなる出世がなければあまり年収アップしないらしいことがうかがえるグラフ。
70代以上女性の突出はなんやろね?
おわりに
コメント募集
さて、どうでしょう。年収と役職の関係は事前の予想通りやろか?
気づいたことや気になることがあればぜひコメントでお知らせを。
部長の年収ってどんなもん?
ちなみに。「部長になると年収1,000万円超える?」という疑問は、一般的には否定されるやろね。
「平均で超えるん、50代後半の男性部長くらいやで?」と。
しかししかし。この統計のおもしろさはほかにもあって、たとえば「大卒」に限ればどやろ、とか。「IT系」に限ればどやろ、とか。「企業規模1,000人以上の大企業」に限ればどやろ、とか。
そういうことも、一応はわかるのが厚生労働省「賃金構造基本統計調査」のすごみ。複雑すぎてほとんどだれも見ようとしないのが弱み。
こんなん見れるん?というざっくりリクエストがあればコメントへどうぞ。