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性・年齢階級別にみた国民医療費40+兆円の内訳/医科・歯科・調剤
医療費は年々のびつづけてます。40兆円をこえてます。医科、歯科、調剤、訪問看護で大まかに分けるとこんな風に推移してます。
というグラフは別の記事用につくっててんけど。
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これはどうも「概算医療費」らしい。
もっと詳しい状況は「国民医療費」として厚生労働省から公表されるらしい。
国民医療費はだいたい11月ごろに前々年度のものが公表されるので、記事公開時点(2022/12)での最新版は2020年度のもの。
このあとのための参考に、人口ピラミッドはこんな感じ。70代男女の多さ、さらには40代後半男女も突出している点をおぼえとこ。
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性・年齢階級別の医療費
総額
まずは総数から。単位は「兆円」。
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70代前半男性の3.1兆円を筆頭に、高齢者に医療費が使われている現状があるようで。医療関係者だけでなく、病院にかかったりして感じる感覚的にもこれは合致するはず。
70代後半を過ぎると男女で総額が逆転するのは男性が亡くなっているからで、これは上の人口ピラミッドもよく見るとそうなってるわ。
若年層をみても年齢階級ごとに医療費に男女差があるらしい。0~10代は男性が高く、20~40代は女性が高く、50~70代は男性が高い…という現象を説明するデータは手元にないけど、理由を考えるとおもろいかも。
医療費はどうも人口に比例しないらしいことだけははっきりわかるね。じゃあ何に?となればそれはもう年齢でしょうね、というわけで「1人当たり」でみてみよう。
1人あたり金額
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さかずき型と言えばいいのか、年齢が上がるごとにかかる医療費もきれいに大きくなっているみたい。
よく見れば、さきほどの総額でみた場合の性×年齢の特徴は一人当たりでみても、さらには年次の推移でみても保存されているので、なにがしかはっきりした理由があるやろとは推測できる。何かはわからんけど。
1人あたり医療費が年毎にそれほど変わらんというわけで、医療費総額の将来予測もしやすい模様。単純に人口推移をみればいいから。
そして、このさきいったん増加が落ち着く時期があり、いまの40代後半のひとが70代を迎える2045年くらいまでに医療費が急上昇するんじゃないかと思われるわけで、これは耐えられるのか耐えられないのか。
診療種類別/性・年齢階級別にみた医療費
国民医療費はかなり詳細なデータがあって、今回はさらに診療種類別のものをみてみよう。
診療種類って「医科」とか「歯科」とか。列挙するとこんな感じに。
総数
医科診療医療費(総数・入院・入院外)
歯科診療医療費
薬局調剤医療費
入院時食事・生活医療費
訪問看護医療費
療養費等
というわけで、データを見てみよう。メイン表示は各項目を総数と比較したもの。
医科診療医療費(総数)
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医療費の大半、4分の3を占めるのが医科診療医療費。医科診療医療費が国民医療費の形をほぼ決めてるといってもいい状況やね。
歯科診療医療費
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歯科は医科とくらべれば小さな割合を占めるのみ。
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歯科単独でみれば、なにやら不思議なかたち。人口ピラミッドでは40代が突出していたけど、このグラフではそれほどでもないから人口には比例してなさそ。
薬局調剤医療費
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国民医療費にかかわる薬局の働きは大きいものの、金額でみれば2割に満たない程度。
とはいえ7.6兆円。その大半は薬剤費で、一部が薬剤師等の人件費で、残りは薬局の運営費や利益で…という細部構造のはなしはまた別の記事にて。
入院時食事・生活医療費
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右下グラフを見れば、医療費全体に占める入院時食事・生活医療費の割合は減少傾向。総額が少額につき単独でみてみよ。
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男女の非対称性がすごいな。
訪問看護医療費
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規模はまだまだやけど、伸び率がすごい。「入院時…」とは対照的。
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ちょっと値が小さすぎて兆円表記はむずかしいな。値があるものの0.01兆円以下は0の表記になっているので注意。横軸もちょっとおかしいので良きように読み替えて…。
療養費等
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規模が小さく、縮小傾向。とはいえ0.5兆円は5000億円なわけで、市場として頑然と存在していると言えばいえるかも。
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令和元年度、柔道整復、はり・きゅう、マッサージ、治療用装具、あわせて5000億円弱(柔道整復、はり・きゅう、マッサージ、治療用装具に係る療養費の推移(推計)、https://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken13/dl/111116_01.pdf)。
入院・入院外別/性・年齢階級別にみた医療費
おまけ的に医科診療医療費における入院と入院外の状況をみとこ。
医科診療医療費に占める入院医療費
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どうも高齢男女における医療費の非対称性は「入院」という特別な状況から生じてるみたいやわ。これは「入院時食事・生活医療費」のグラフでも見た通りやね。
医科診療医療費に占める入院外医療費
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「入院」とくらべれば「入院外」の男女対称性の高さよ。
額でみても入院の方が多いんやなぁと。予防医療が重要というのも、良き人生のためにという個々人の目的はあれど、長く入院するような状況で医療費がかかりすぎるのを防ぎたいという社会的な目的も大きいわな。たぶん。
おわりに
本来は一足飛びに動くグラフにしたいところ、グラフのチェックもかねて静止画を作成。まぁこれだけでも情報量は多くて大きくて、というかここに載せきれなかった診療種類別の1人当たり医療費グラフもあって、いやはや大変ですね。
しかしこんな風に人口ピラミッド風に表示しなければわからないこともある気がしていて、資料として残しておこうと思う次第。
市場として見れば保険医療業界は40兆円という超巨大市場なんやから、もっともっとわかりやすく実のある分析が必要やろうし、国家の行く末まで考えれば医療費支出をデザインしたいという目的もあるはずなんやから、できればデータの扱いをもっと丁寧にしてくれよと行政機関への期待もこめて。