【2020.09】コロナ禍、失業者の増加と期間長期化
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、経済状況に急速な変化が起こりました。
その影響は企業の売上高を低下させたのみならず、会社で働く労働者の雇用をも脅かしています。
本記事では総務省の「労働力調査」に基づき、完全失業者について性別ごと・失業期間ごとの人数をグラフを用いて詳しく検討します。
男女計
まずは男女を合計した総数から。失業期間ごとの完全失業者総数の長期変化を見たグラフがこちら。
「バブル崩壊」により1990年ごろから失業者数が増加しました。また最高値を示した2009年頃の状況がいわゆる「リーマン・ショック」であり、経済・雇用に対する影響度の大きさとして「リーマン級」という比較基準の元になっています。
さてグラフの期間はこれ以降のものも含め、1984年2月から2020年9月(第3四半期)までのもの。
2002年以前は年次、以降は四半期次の平均値としてデータが提供されています。2002年以降ギザギザが目立つのは、毎年4-6月に失業者が最も多くなる季節変動要因があるためです。
また失業期間は以下のように分けられています(期間配分が均等でない点に注意)。
青:「3か月未満」
青緑:「3-6か月未満」(3か月以上6か月未満、以下同じ)
緑:「6-12か月未満」
黄:「12-24か月未満」
赤:「24か月以上」
2020(令和2)年において失業者数の増加を示す右端の上向き部分に注目すると、
①失業期間が「3か月未満」の失業者が急増。
②「3-6か月未満」の失業者も急増。
という結果が読み取れます。
一方で、失業期間が「24か月(2か年)以上」では完全失業者数が減少するなど、長期の失業期間があった方を増やすような影響はまだ現れていないように見受けられます。
2000年以降、リーマンショックを経てなお継続的な失業者数の減少局面にありましたが、今後の推移次第では2020年が変曲点となる可能性もあります。
これらをさらに性別ごとに分けて検証しましょう。
男女の比較
男性のみで見た場合、失業期間ごとの完全失業者数は以下の通り。
女性のみで見た場合、失業期間ごとの完全失業者数は以下の通り。
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コロナ禍に限らず、女性の失業者は失業期間が短ければ多く、長くなると少なくなるという一貫した傾向があります。一方で男性は「24か月以上」失業している方(赤線表示部)の数が失業者数の最多割合を占めていた時期もあります。この差異は雇用・失業状態に関して男女で大きく異なることを示唆しています。
また2020年以降に目を向けてみれば、
①男女ともに「3-6か月未満」の失業者が急増。
②「3か月未満」の失業者急増は男性の方が顕著で、女性については直近の季節変動範囲を大幅には超えない。
といった状況が見受けられます。長期間の失業者については全体でも見た通り、未だ明確な増加傾向を認めません。
しかし当然ながら、新型コロナウイルスの感染拡大は2020年以降なので、失業期間の長期化は2021年以降に顕在化してくるでしょう。リーマンショック、あるいは1990年頃のバブル崩壊の影響が長期に及んだことを考慮に入れるならば、今般の失業者数増加もまた長期的な影響を及ぼすだろうという厳しい予想になりそうです。
参考:年齢階級別
参考までに、性・年齢階級別の失業者数推移を示す動画を紹介します。
参考:就業者&失業者
また就業者数と失業者数の比較動画がこちら。
非正規雇用者人口ピラミッドなど、労働力調査に基づく統計動画はまだまだありますので、興味があれば以下よりご覧ください。
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