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相席屋での生活

前回の続きです。

思いがけず「相席屋の社員」として
働くことになった私の日々を紹介します。


【新卒社員としての日々】

1ヶ月の研修を終え、ある店舗に配属された。
場所は明かせないが、かなり荒れた店だった。
客の質も、アルバイトや社員も、かなり荒れていた。

日常的に、
・トイレや席で嘔吐する客
・相席相手にキレる客
・会計で揉める客
・態度がやばい客
と出会った。

やばい日は殴り合いまで起きて、
警察や救急車を呼んだこともある。

そんな状況だったが、
特に「やりたい仕事」でもなかった私からすると、
ただただ面白かった。バイトと同じ感覚でいた。
他の社員が何とかしてくれる、と思っていた。

自分が社員であることなんて忘れ去っていた。

【また辞令】

そんなある日、またまた全社宛の掲示板に
ある投稿がされた。
人事異動の辞令だった。

本配属から1ヶ月の私には関係ないと思いつつ、
投稿を開いた。

「相席屋〇〇店、3名の異動を命ずる」

わたしの店舗だった。

私の店舗は、自分を入れて社員が4名いた。
そんな中で、私以外の3人が異動。
それは、既存社員が私だけになるということだった。

なんてひどいことを…と思いつつ、
徐々に焦りが出てきた。

今までバイト感覚で仕事を「こなして」きた私は、
社員としての仕事や、店舗の状況、備品の場所など
何も覚えていなかったからだ。

そんな状況で、新しく異動してくる社員に、
既存社員としてレクチャーをしていかなければ
ならなかった。
できるはずがなかった。
店が潰れるかも…と思った。

【心の変化】

またまた衝撃の発表のせいで
ダメージを受けた私だが、
不思議とやる気が湧いていた。

自分が成長できるチャンスかも。
と思うことができたからだと思う。

その日から、
人が変わったように積極的になった。

3名が異動してしまうまでの約2週間の間、
私は必死で色々なことを聞いて吸収した。

そして2週間後、
1ヶ月ちょっとお世話になった3名に別れを告げ、
満を辞して新たな2名を迎えた。

【楽しいかも?】


新たな2名は
・わたしの同期(新卒)
・新卒2年目の先輩(一応店長候補)

弱すぎた、、、。

新卒2名と、店長未経験の2年目1人で
回す店なんて終わるだろ、、、。

絶望と共に、ちょっとでも自分のモチベが上がっているタイミングで良かったぁと思った。
じゃなかったらすぐ辞めてたと思う。

そんな3名で始まった新体制。

最初はアルバイトの反抗こそあったが、
意外にもやり手だった店長候補の先輩。
時間が経つにつれてバイトたちを手懐けて仲良くなり、店舗の売上も驚くほど上げた。

私たちには要因は全く分からなかったが、
社内では「新卒2人と店長候補の下っ端3人の店舗がスゴいぞ!?」と話題になっていた。

成功体験としての話を聞かせてほしいと
インタビューを受けるほどだった。
特に何もしていないから答えられるはずはない。
なので、なんかそれっぽいことを話した。

でも、これだけは変わったと思うことがあった。
それは「お客様との向き合い方」だ。

普通の居酒屋とは違い、
スタッフ目当てで来店することも
少なくない相席屋。
(顔採用か?と言われるほど顔面偏差値が高かったりする)

それを利用して、
スタッフとお客様との距離を縮め、
コミュニケーションを増やした。

すると、今までにはあまり見られなかった
「リピーター」が増えてきた。

今までは、
・ただで食べ飲み放題ができる
・暇つぶし
などで来店されていたリピーターは多少いたものの、それとは明らかに違う客層のリピーターができた。

「以前初めてきた時に楽しかったから」
「店員さんが優しかったから」
「店員さんに会いにきた!」
という理由でのリピーターが増えてきた。

そして、その新規が増えることによって
また新規を呼び…といった形で、
客数や売上が伸びていったのだ。

という予測を3人で立てていたが、
これも定かではない。

このあたりから私は
この仕事楽しいかも!?と思い始めていた。
ウェディングプランナーを目指していた自分が
消え去り始めていた。


今回はここまでにします。
また次回続きから書いていきます。

閲覧ありがとうございます。

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